くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】 公演情報 DULL-COLORED POP「くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    母親
    母親と家族との関係を、ある時はポップに、ある時は悲痛に描き、感動させるかと思いきや、その裏に毒が潜んでいたりと、母親に対するアンビバレンツな感情が感じられる作品でした。
    ストレートな会話劇だけに留まらない演出手法を適度に用いていて、新鮮な味わいがありました。

    夫が亡くなり、葬儀のために母親の元に息子と娘が帰ってくる物語で、途中に母親と子供の確執が生じた時の回想シーンが挿入される構成でした。回想シーンは猫役の2人が母親の役を演じていて、良かれと思ってした行動が逆に相手を怒らせる様子が痛々しく描かれていました。終盤のちょっと意外な展開にも、母親に対する愛憎が感じられました。

    母親役を女性でなく男性が演じることによって、ある特定の母親ではなく、普遍的な母親像が出ていたと思います。母親を演じた大原研二さんは最初はカツラを被っていますがすぐに外してしまい、見た目は男そのままなのに母親らしく見えて、良かったです。
    猫の2人は家族とはテイストの異なる、コケティッシュでコミカルな演技で、母親の痛々しさが際立っていました。

    陰影を強調したり、ライブハウスのようにカラフルだったりする照明が印象的でした。舞台上にある物の大半が猫絡みだったのも洒落ていて、面白かったです。

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    2012/04/05 09:04

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