テディベア・シンドローム(満員御礼!ご来場ありがとうございました!) 公演情報 劇団MAHOROBA+α「テディベア・シンドローム(満員御礼!ご来場ありがとうございました!)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    集中して観劇出来るクオリティの高さ。
    なんと荻窪小劇場(旧アールコリン)に行くのは実に14年ぶりでした。
    当時の記憶もあいまいなのですが、それと比較しても明らかに立派で綺麗な劇場になっていたことにビックリです。


    さて、肝心の中身なのですが。
    シンプルでいて非常に見栄えのする舞台セットは雰囲気があって格好いい。
    そしてこの規模の劇場では異例とも思えるような沢山の灯体、それらの織り成す幻想的な照明。
    誰一人として見劣りすることのない、演技力の有る出演陣。
    それらの織り成す物語は、こちらの劇団の過去公演同様、非常に上手い構成の洗練されたもので、90分程の上演時間を常に集中力を保って観ていられるクオリティの高いものでした。

    脚本家の見地から特に物語について言及しますと、前作で多用していた言葉遊びの類が今回はぐんと減っていたのが好印象でした。
    確かに面白い要素ではあるのですが、前作ではあまりに多く、やや食傷気味でもあったのが、本作はそれを排除したことで、より素直に物語にのめり込むことが出来ました。


    ネタバレBOX

    しかし全てが全て手放しでよかったかと言うとそうでもなく、特に演出面に首を傾げるところが見受けられたのが残念でした。

    主に物語は“牢獄の中”で展開して行くのですが、この牢獄の表現が雑に感じるのです。
    一体どこまでが牢獄なのか、今、牢獄の中には誰が入っているのか。
    司祭の娘は牢獄の中にいるのかいないのか。(いるのならば何故、どのような方法で牢獄に入ったのか)
    二人いる囚人は最初同じ空間にいるように見えたのが後半では別々の牢の中のような描かれ方をしている。
    男の拳がとなりの牢に侵入した看守に届いてしまうのはどういう仕組みなのか。
    折角抽象的ながらも舞台セットが牢獄という狭い空間を上手く表現しているのに、出演者の手足がその壁を実に容易くつきぬけてしまったり。

    何か、抽象的な舞台を通して観客にイメージさせる空間というのが、シーンごとに異なっているようにも感じとれてしまいました。
    もしそのような狙いだとすれば、観る側にとっては少し不親切なのではないかなとも思います。



    と、辛辣なことも書きましたがそれも期待値に高さ故。
    個人的には過去の短編集の方が物語りの伏線回収の見事さなどの点で好みなのですが、それでも同劇団の新しい側面を観られた気がしてとてもよかったです。
    次回作にも大いに期待しております!!





    【観たい】【観て来た】の評価基準に関しては下記リンクの通りです。
    http://bit.ly/x4ceZG



    0

    2012/03/21 13:11

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大