期待度♪
玉砕しそうな不安もあるが
劇団ダンダンブエノは初期公演から観てきて、その実験性と大衆性の融合を見事に成功させている好例じゃないかと感服していたのだが、ここ数年は、ちょっと迷走しすぎかなというのが正直な印象である。
近藤芳正は巧い役者であると同時に、プロデュース能力も演出力もあるとは思うのである。オセロ松嶋尚美の演技力をこの人ほど引き出した演出家もいない。けれども、いくらなんでもこの人と組むのはどうかという大根役者と共演することもしばしばあって、「ともかく意外な人とやってみたい」だけで芝居を作られてもなあと嘆息させられることもないではないのだ。
今度は南原清隆とだ。役柄によってはいい演技者であると言えなくもないが、正直、旬をとうに過ぎた芸人で、近藤さんがなぜ組んでみたいと思ったのかよく分からない。「笑い」に拘っちゃうと思い切り滑りまくりそうな不安がもの凄くあるんだが、「消えた芸人」が演技者として復活する例は決して少なくはないから、そこに期待するしかないかなあと思っている。