満足度★★★★★
意外な題材!人を喰らう大熊を退治せんとするマタギの一行と、虐げられてきた家族、の物語。
チラシの都会的?な印象とは正反対、マタギの話、
という時点でまず驚きました。
里を襲い村人を何人も食った巨大な熊を追い、
マタギと犠牲者の夫たちは、熊狩りの宿にするため、
山奥の家を訪ねると、そこには、
里を追われて暮らす母と3人の子が居り、
彼らは納屋を借りて暮らし始めたが…。
人間たちの(特に日本人)の持つ偏見、差別、対立を描きつつ、
話の進行にしたがって、徐々に分かり合ってくる道も示しながらも、
終盤では急展開。
熊が人間を襲うことなど、個々の人間にとっては極めて大きな出来事も、
おきていることはすべて自然の一部に過ぎない…。
客演の石田えりさんには、女性の包容力(女としても母としても)
というイメージが強いのですが、本作品ではそれをベースに、
さらに女の情念とのようなものも感じます。
全編を通じて感じる緊張感、ラストの演出は、さすが。
やっぱり芝居はいいなと思わせる、演劇でしか味わえない感動でした。