満足度★★★★★
彫刻的
やっぱり少し書き込もうかと・・。
西洋的な、積み重ねていく感のある建築的な要素と、
日本的とも言える、彫刻的とも感じられる要素とが
美しく融合しているように感じられました。
アフタートークで日本の舞踏家の名前が次から次へと挙げられるのを
聴いていて、それも納得できるような気もしました(笑
内面から湧き出るイメージを
ザクザクと削ぎ落とした末に生まれたような
硬質なヴィジョンは、
強く心に焼きつきました。
それは、あたかも西洋的なポエジを、
俳句のように
動詞も副詞も削ぎ落とした末に生まれてくるみたいな、
断片的でプリミティブな・・
パルスにも似た映像とでも言うのか。
黒いカラスを、
グローバリズムのイメージとだぶらせるのはたやすいのだけれど、
ナジのカラスは、
実物のカラスを忠実にトレースしたというよりかは、
カラスのイメージを一度自分の中にとり込んで、
もっと神秘的な何かに姿を変えた・・
カラスの翼の先にあるもの、
カラスの翼の先に指先のような波を視て、
それを具現化したら、
きっとこのような像をしていたのではないかと
夢想させるような。
・・スミマセン、ポロリ伝説のコメント書いたあとにこんなコメント書いても
まぁ誰も信用しないかもしれませんが(苦笑
ただ、芸術と呼ばれるものの真価が、
必要とされる理由が、
現代にあるとするならば、
それは、時代の行く先に視える黒い影を、
神秘的なヴィジョンに具現化する行為にあるのではないかと
信じている自分にとっては、
この作品はまさに、
自分の観たいものの理想とも思われたので(笑
ナジ本人が言っていた、
作品を言葉で表現することの不毛さを、
自分が今まさにトレースしていることは
十分に承知しつつ(苦笑
それでも自分がこの作品の美を、
日本的な(俳句的な)省略の美学ではなく、
西洋的な、言葉を積み重ねる行為によって、
讃えたいという欲求を抑えられなかったことは
今後の反省課題として覚えておきたいです(苦笑
・・まぁ、そのうち落ち着いたらこの感想もばっさりカットするかもです。
でも、きらりふじみは、死ぬほど(今回も雨のなか1時間道に迷った)不便だけど、
数m先でこんな作品を観られて素晴らしい!
(駅からの案内板設置希望)