期待度♪♪♪♪♪
こわい記憶
幼いころミドリガメを飼っていました。名前はミドリちゃん。全くひねりの無いネーミングですが、当時の子どもの思考はそんなものです。犬も猫も飼ってもらえなかった私は、小さなミドリちゃんを可愛がっていました。
水槽の掃除は私の仕事で、毎回臭い匂いを我慢しながら、小さな手でお米を研ぐように砂利を洗っていました。
ある日、水槽の掃除が終わってみると、洗面器に入れていたミドリちゃんがいません!大騒ぎをして探しましたが、見つかりませんでした。
逃げたとは分かっていても、「いつか戻ってくるかもしれない」
空になった水槽は、そのままずっと部屋に置いていました。母親に何か言われましたが、かたくなに空の水槽を守っていました。
それから半年もたったころでしょうか、母親の突然の叫び声に駆け付けるとそれはそれは大きな、黒くて汚い亀が、床下から這い出していました。
ぎゃーーーーーーー!私も叫びました。
その日のうちに我が家から水槽が消えました。
今でも、空っぽの水槽と聞くとあの時の恐怖がよみがえります。
長々とビターメモリーを語らせていただきましたが、「魚のいない水槽」観たいです。