満足度★★★★★
ヒロイン星野真里とトト金子貴俊を迎えてキャラメルボックス・ファンタジー。
2007年初演から5年ぶりの再演。
初演も観ましたが、もうそんなに経ちましたか。
今回は、二人の客演を迎えての再演。
しかも劇団初の赤坂ACTシアター!
ヒロイン・ペチカ役の星野真里(好きです!)は、
美少女にメガネ、カタコトの日本語、という最強の「カワイイ」条件設定!
もう一人の客演、金子貴俊は、ハツカネズミのトト役。
軽妙な語り口とコミカルな演技だけではなくて、
主人公ジョゼッペとの掛合いも楽しくて、
本当に二人で一人の相棒という感じがイイ。
そして、渡邊安理のインコも楽しくて、好きです。
リズミカルでおしゃべりなキャラクターが最高です。
「でもスリーサイズは聞かないでね。全部同じだから…。
って、ウケるーー!これバードギャグ!バードギャグ!!」(うろ覚え)
登場人物は悪役のギャングボスさえも、みんな、基本的にはイイヒトで、
ジョゼッペの小学生の姪っ子さえも、手踊りカエルを片手に
いちいち小生意気なセリフを言って笑うといった具合に
それでもジョゼッペは、ある人物にトリツカレて、追いつめられて、
このクライマックスが切なくて、苦しくて、泣けました。
全体的に、明るく楽しいんですが、でも良く考えるとそれだけではない。
際限なく、どこまでもトリツカレて、ボロボロになっていく男の物語---
ある意味、悲劇にも成り得る、その悲壮感を、ナルシズムを
「楽しむ」こともできる物語なんですね。