満足度★★★★★
「企み」がすごい!舞台美術必見!
上演時間3時間40分。密度の濃い時間を堪能しました!
まず全体の企み、完璧に蜷川氏にお手上げです。
とりわけ舞台美術は驚きです!(ネタバレに当たるので・・・)
さい芸大ホールインサイドシアター以外ではなかなかできない試みでは?
「蒼白の少年少女」の「蒼白」は彼らの世代の戦略であるということを、蜷川氏はご存知なのであろうな、と思いました。
このお芝居「ハムレット」は、世代間格差の問題を問い、旧世代の新世代への恐れを描きながら、世代間理解が可能かを問い、あるいは革命的世代交代が起きるとしたら、という仮想を試みているとも読める、そういう企みをまた感じてしまうのです。
彼らより上の世代はそれを心せねばなりませんと、言いたいのであろうかな、と。そのリトマス試験紙がこまどり姉妹だったと思うのです。
こまどり姉妹ですが、一番ぶっ飛んだのは、ハムレットがオフィーリアに「尼寺へ行け!」と叫ぶ、そのときに登場!したことでした。
では、こまどり姉妹の登場で、川口覚さんのハムレットと、深川美歩さんのオフィーリアは喰われてしまったか、というと、そんなことはありません。(深川さんは昨年の「美しきもの~」の伊藤野枝役が印象深いですが、今回は真反対のオフィーリアでありました。
お二人だけではなく、ホレーショーもガートルードも名前のある役だけでなく、旅芝居の「黙劇」部分の役者たちもよかったです。