『ZIPPY』 ジッピー 公演情報 anarchy film「『ZIPPY』 ジッピー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 評価下せず。
    この作品を客観的に評価をするのは困難だ。
    それは観客の主観性によってこの作品の是非が割れるからである。

    作品そのものは舞台というより映像作品のような印象を最初に持った。

    ネタバレBOX

    この作品の登場人物は全て「社会的不適合者」である。
    正確には
    【自己の価値観と社会的価値観の差異に折り合いを付けられない者達】
    で、その部分がアイデンティティー〖identity〗になっているため、自己肯定出来ずに苦しんでいる。
    そしてそれをさらけ出す為に、ロボットの格好をして社会から自らを隔絶し、自分たちだけのユートピア(ネバーランド)を作り、生活をしている。
    物語の導入部はこれで概ね合っていると思う。

    勿論彼女らのアイデンティティーが何なのか、それは異常なことで排他されるべき価値観なのか?というのが後半で問われてくる訳だが、此処からが難しい。

    作中の人物達の強烈な疑問や苦しみに、明確な答えを示唆してくれる者は無く、ただただ、役と役者が苦しみ、叫び、観客はそれをその場で”観る”という事しか出来ない。
    観客もそれに対する答えを用意は出来ないのだ。

    その時に人間が行うのは主として2つ。
    「共感」するか「拒絶」するかだ。

    この作品を見て面白い、引き込まれたと思えた人は、この登場人物同様に自己肯定が出来ない所が自分自身にあり、彼らの問いに答えてあげたいという欲求が生まれたのかもしれない。

    逆にこの作品を見て拒絶反応を起こした人からすれば、社会を生きようとする中で、答えのでない問いを持ちながらも生きるのは当たり前だと一蹴して、彼らに対して理解するのを諦めるだろうと思った。

    この作品に対する前評価はあまりあてにならないと思う。
    それは個人の資質で人生感を刺激する作品にもなりえるし、時間を無駄にしてしまう作品にもなりうるのだと感じた。

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    2012/02/06 03:51

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