全 員 彼 女 公演情報 TOKYO PLAYERS COLLECTION「全 員 彼 女」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    したたかな切り口
    プレビューと合わせて2回観ました。

    単なるワンアイデアにとどまらない
    視座がしっかりと定まったしたたかな作品。

    作り手の見せ方に加えて
    役者たちが描き出すニュアンスの鮮やかさにも惹かれて。

    アフターイベントの二人芝居、
    こちらにも圧倒的な役者の力を感じることができました

    ネタバレBOX

    まだ、明かりがともりきらない中での演技から
    すっと舞台に引き込まれて・・・。
    やがて現れる女性たちの仕草の意味も最初はわからないのですが・・・。

    前半は、ただことの成行きを見ているだけ・・・。
    男女の出会いから別れの前までが
    淡々と描かれていく。
    女性が5人に分かれるところ、
    彼女たちが等所とは別の一人の女性に変わるところ
    さらには彼女たちの行動なども
    ただあるがごとく見つめてしまう。

    ところがその時間が巻き戻り、
    視座が男性のものから女性のものへと移ると
    世界の見え方が大きく変わっていきます。

    男性が女性の想いとともに生きていることがわかる。
    ステレオタイプな男女の関係ではなく
    女性の内心がしたたかに描き出されていく。
    女性の想いが一方向ではないこと、
    下世話な欲望から興味、さらには男性にたいする関心のようなもの・・・。
    役者た紡ぎ出す女性の想いのパーツそれぞれに
    明確なニュアンスがあって、
    それらが男性の視座と重なって
    男女の想いに息を呑むような綾が生まれていく。

    心が一つになる刹那や
    再び解けてしまう想いに心が痛む。
    全体の表層を描き出す役者や、
    さらに元カノ役のお芝居にも、ふくよかさや表現の密度があって。

    ちなみにこの作品、
    繰り返しでみると、冒頭からぞくっとくるほどに
    良く作りこまれていることが分かる。

    冒頭の顔を出す女性の仕草に
    よしんば男であっても胸がときめいたり。

    特に2回目など、見ていてシーンごとに前のめりになって引き込まれる。
    作り手の作劇の力をがっつりと感じる作品でもありました。

    *** *** ***

    終演後に岡田あがさ × 斎藤淳子の二人芝居がありました。

    二人とも、私が無条件に委ねられる
    大好きな役者さんで、
    開演前からわくわくしていたのですが、
    その期待さらに凌駕する舞台の密度に瞠目。

    10分ほどの短編なのですが、
    二人の醸し出す場には
    ぞくっとくるような密度があって・・・。

    ボリューム感と切れとウィットを持った演技に
    大満足でありました。

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    2012/01/09 12:27

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