素直になれなくて
個人的には面白かった。だが、良作ではない。
地下空港の粘着な追っかけの私としては、今回の舞台は複雑な想いの起こる作品でした。大きな問題は脚本にあるでしょう。しかし、演出の好手があって楽しめない訳じゃありません。私は観客としてはもう失格ですね。こんなこと言ってるようじゃ身内みたいなものです。
3回目ともなるともう恒例の実験公演。ここでは様々な試みが肯定されます。入場して間もなく、空間に魅了されます。壁にはインタラクティブな映像が映し出され、チェロの弦が弾かれる音が聞こえます。椅子を組み立てて座ると、自分が何かの粒子になったような気分になれます。壁の映像の中の粒子あるいは正確に均一に並ぶ金属元素のように。wktkですよ、これは。非常に美しい演劇空間!!!
冒頭はすぐ忘れるので省くとして、のっけから役者が壁に向かって芝居をするなど面白演出があり期待は上がっていきます。島へ行くフェリーの中での演技のアイディアはどれも秀逸。そして、シチュエーションは王道の離島ミステリー。ドドドドド!ドドン!
でも、話が深まるにつれて雲行きがあやしくなって・・・
以下、ネタばれへ。
2011/12/20 00:21
私の「観てきた!」へのコメント、ありがとうございます。
この芝居、表現としてはいいものが随分とあっただけに、とても残念でした。8劇団が参加した「日本の問題」でも、問題をあげつらうだけで、それに対する視点を明確にできない劇団が散見されましたが、そういった問題にどう対処していくのかという視点を示すのが表現者としての使命ではないか、と思います。ちょっと厳しいかもしれませんが…。