満足度★★
内容も形式もレトロ
古びた小さな映画館のロビーを舞台に、色々な人の思いが描かれる物語でした。チラシや説明文から、しっとりとした雰囲気を予想していたのですが、ドタバタや笑いを狙ったシーン等、賑やかな感じでした。
独身の中年男性が経営する映画館に、学生運動に加わっていた女、1人で観に来る男子高校生、隣のストリップ劇場で踊っている女、再開発事業の為に土地を買おうとするデベロッパーなどが行き来し、それぞれの夢が語られるのと共に、夢を描く映画の素晴らしさを讃える内容でした。
分かり易い脚本と演出で安心して観ることの出来る作品でしたが、全体的に古臭さを感じました。昭和時代のレトロな雰囲気の内容でも、演出や演技はもっと新鮮さを見せて欲しかったです。
それぞれの役が典型的なキャラクターで、人物の描き方が単純過ぎると思いました。しつこいボケやハリセンで叩く等の古典的なネタも間が良くなくて笑えませんでした。日替わりゲストによるアドリブのシーンはグダグダで、物語の展開にも関係がなかったので不要だと思いました。
下ネタが多く、不快に思ったわけではありませんが、必要性が感じられませんでした。
作り込んでいるわけではないけど寂れた感じが良く出た美術が良く、ステージ袖の階段や劇場の下の階までも上手く取り込んだ空間の使い方が面白かったです。