戦場晩餐 公演情報 パラドックス定数「戦場晩餐」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    コックとピストル
    初パラドックス定数。おっと引き付ける設定の上できわどい要素を鋭く描く。面白かった。

    作品に合った、倉庫っぽい会場選びもgood。電車や車の音も臨場感をあおってたと思う。ただ、最終盤でのゆうやけチャイムは、アンマッチだったかな。

    ネタバレBOX

    アジア事変が起こり、戦闘地域と化した東京の中華料理屋が舞台(逆にアメリカでは誰も銃をもってないという皮肉な設定)。
    危険な東京を注文一つで出前する中華料理屋。眉間にシワをよせる頑固な料理長・ミユキ(小野)をはじめ、ミユキと昔ひと悶着あったという元同僚・アオイ(中川)とその弟・ルカ(山田)、アオイを慕っている料理人・龍丸(渡邊)、闇野菜に手を出す卸業者・ユラ(生津)とその部下で非日本人とのクウォーター・エイジュ(池田)、料理人として雇われるブンエモン(井内)とカゲトラ(平田)、非日本人を取り締まる警官・カンギク(加藤)、武器屋を営むウキフネ(今里)、アメリカから帰国したオウスケ(西原)など、総勢14人の俳優が熱い演技で120分駆け抜ける。

    アジア事変というものがどんなものが具体的に示されないが、「日本人」と「非日本人」というカテゴリーが舞台での重要なファクターであることが、会話の端々で掬い取れる。ミユキとアオイの関係も、非日本人に寛容なミユキと排他的なアオイという確執であり、ブンエモンは非日本人であることを隠して(日本人に反感をもって)働いている。日本の(人類の?)永遠の課題のようなものだろうか。普段意識しないことを目の前で上手に提起してくれた。
    また、配達員のユウガオ(兼間)は、文字が読めないことをコンプレックスに思っていることは、識字率世界トップレベルの日本にあって、ショッキングなことである。

    平和で先進国な日本の現状の脆さを未来的に示しているかのような舞台で、不安な気持ちになってしまったが、それでもやっぱり前に進んでいく人物たちに(自分が)救われる話であった。

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    2011/11/23 11:44

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