満足度★★★
自然な演出だが、難点を感じた
かなりの長期間、稽古に時間をかけたそうで、その成果で、翻訳ものにありがちなとってつけたような違和感がなく、自然な人間関係の雰囲気を出すことには成功していると思う。
だが、個々の俳優の資質の違いがアンバランスな感じで、「公演」と言うよりワークショップを観ているような印象が残った。
作品の人間的心情が現代人にとっても理解し、共感しやすくなっている反面、現代的演出が作為的に浮き上がって、ロシアらしい雰囲気が伝わってこないように思えた。
私は映画の「ドクトル・ジバゴ」や、「戦争と平和」、「アンナ・カレーニナ」が好きなので、「三人姉妹」を観るからには
やはりロシアらしさを味わいたいのだ。
チラシの女優たちの平服も現代を意識したのかもしれないが、野暮ったくてゼンスを感じない。
満席の場合、補助席は小さな木の丸椅子で、これで2時間30分はきついので、ごらんになるかたは早目に入場されることをお勧めする。