満足度★★★★
やや作りこみが過ぎるとは言え
やはり、この劇団の資質は健在でした。
会場に足を踏み入れた瞬間にワクワクします。
上演時間は2時間弱なのに、その中にしっかりと、登場人物のそれぞれの15年が丁寧に描かれている。
これだけの、特化された虚構世界の出来事を描きながら、その裏にきっちりと、人間の真実の姿が投影されているのは、ひとえに、桑原さんの筆力、演出力、そして、KAKUTAの劇団員の演技力のなせる技と、いつも感心します。
ただ、今回の舞台は、自然な演技に定評のある劇団員と、役を演じるという演技法の一部客演陣との間に、微妙ながら、演技の不協和音を感じました。
また、若い二人の登場人物が、蛇足に感じてしまいました。友国と木俣のカップルは出さない方が、話が散漫にならなかっただろうし、リアルさが増したように思いました。