満足度★★★
直球
タイトルもキャッチコピーも内容も直球。
ひねりをきかせてはいるものの、物語の軸はまっすぐの印象。
同じアパートに暮らす人々の話。
恩田和恵さん、麻生O児さんが好演。
バス停で座員が待機していて観客を会場まで案内してくれるのですが、そこからもう芝居がはじまっているような楽しい導入で、実際にその町歩きが、作品鑑賞中に活かされます。
感情表現がやや誇張気味なところがあります。あともうちょっとだけおさえたほうが、よりわかりやすく自然に伝わったり、くみ取ってもらえたりするのではないかと思います。
それぞれの登場人物に存在感があり、セリフも衣装もその人らしさがよく出ていました。
いろいろなことがあるし、ときどきはすべてを抱えきれなくて零してしまうこともあるけれど、人はそれでも生きていく、生きていかなくては、生きていきたい、と思わされました。
会場自体の空間の魅力と合わせて、その場にいることが心地良くなったり、ときには居心地が悪くなったりして、同じ場所と時間を共有できている感覚を味わえた時間でした。