アルジェの男 公演情報 宝塚歌劇団「アルジェの男」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    二度目
    8月上旬の暑い宝塚で観劇して以来、
    なんとかもう一度観たいと思っていた公演だったので、
    東京公演の後半に滑り込めてほっとしました(苦笑

    というのも大阪でひとつ宿題をもらえたから。

    最初に観たとき、隣り合わせたオバさんと話をしていて、
    (再演だからか)「話(の筋)、若い人には古いんじゃないかしら?」
    なんて、心配そうに聞かれました。

    ただ、自分にとっては話が新しいか古いかは問題じゃなく、
    そこに魅力的な人たちが存在していることがより重要で、
    「古いかもしれないけれど、目新しいだけの作品よりずっと素敵だ」
    って、こたえていました(優等生的?

    そこで改めて、自分のコトバが嘘になっていなかったか、
    もう一度しっかりこの目で確かめるため、
    劇場で観なおしてみたいと思っていたんです。

    改めて観かえしてみて、
    登場人物のひとりひとりの描写、演技が、
    非常に素晴らしいことが再認識できました。

    大阪の時は主人公のジュリアンに行きがちだった目を、
    東京では周りの登場人物にも向けてみると、
    非常に少ない描写だけでそれぞれのキャラクターを
    描き切っていることに改めて気づかされます。

    また、ひとつひとつのシーンが非常に印象的で美しく、
    簡単な輪郭では表せないところ
    (なかなかどう言ったら良いか難しい・・コトバが足りずスミマセン(汗

    ネタバレBOX

    自分が特に惹かれたのは
    盲目の娘アナ・ベルが死を決意して湖に向かうシーン。

    文字通り、自分がいつまで経っても届かない遠く、
    その見えない目でいったい何を見つめていたのか・・
    悲しみともあきらめともつかない何かもっと別の透明でほの暗い何か・・
    アンリに自分を重ねると、何か底の見えない湖のなかを彷徨うような不安と、
    大事なものを失う、刺すような痛みとを胸に感じていました。

    ひとつひとつはどこにでもある話かもしれない。

    でも、人生はどこにでもあるような話の連続で、
    そのどれもがかけがえもないから
    誰もひとの人生に偏差値なんてつけられない。

    どこにでもあっていい。古い話で構わない。
    そこに人生があって、人が生きているのなら、
    自分はそれだけで十分なんです。

    宝塚は、携わっている人たちが愛情を持って接しているから、
    触れるものすべてにそうした人生の手触りが感じられるのだと思います。

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    2011/10/08 02:08

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