満足度★★★★★
ちくちくといたむむねのうち
客演のオオトモケイコさんの元同僚ということで、はじめてこの劇団の演劇に触れました。
伏線がはってあるのか、この話はどこに通じるのか、よくわからないまま物語だけがだんだん進んでいき、マクドナルドのハンバーガーのピクルスのような、存在意義が今ひとつはっきりしない人達のいらだちや脱落感にはらはらと引き込まれます。そして、最後、藤田が用意したサプライズとそれから先のみんなの人生は。
ギャグも多くテンポよく進んでいくのですが、霧島がいる部屋での同室の男とのやり取りや、居酒屋でのぶつかり合いを見る中で、見ている誰の中にも、今まで置き去りにしてきた自分の中の問題に否応にも向き合わされ、ずっしりと重たいものが残ります。
前を向いて、一歩でも歩き出さないとな、でも・・・
この、一人ひとりの中に違った「でも・・・」が、見つかる場なのかも知れません。
閉塞感、という言葉では表現しづらいけれどもそれ以外の表現が見つからないなんとも言えない感じをずっと持ち続けているような方、いらっしゃいましたら、明日の千秋楽にはぜひ。打開策は見つからないかも知れないけれど、すくなくとも、前を向こうという気持ちにはなれる、はず。