満足度★★★★
まずはめでたい新又五郎誕生
中村又五郎という名跡は、歌舞伎のお師匠番的存在として知られた名脇役の先代の印象が強く残っている。
先代は自身大変な努力家だったが、門閥出身ではない国立劇場研修生を長く指導した功績も忘れてはいけない。
歌昇改め新又五郎は、同世代の私には中村光輝の芸名がなじみ深い。
歌舞伎の子役時代から先代勘三郎がお師匠番の勉強会「杉の子会」で現勘三郎や兄の歌六、いとこの時蔵らと共に数々の名狂言の大役を演じてきた。
また、NHK大河ドラマ「天と地と」で上杉謙信の少年時代の虎千代役を好演してお茶の間の人気を集め、民放のTVドラマにも主演し、「国民的人気少年俳優」と評された時代もある。
アポロ13号打ち上げ特番のスタジオゲストに招かれたほどの有名人だった。
当時に比べれば一般的知名度が低いせいか、襲名興行の割に切符の売れ行きはいまひとつのようだ。
昔のパンフレットを読むと、「踊りでは勘九郎(※現勘三郎)に負けるけど、お芝居では負けていない」が口癖で、祖母の小川ひなさんの目が光る中、踊りの猛特訓を続けたそうだ。
いまは踊りでも高く評価されるようになり、又五郎の名跡にふさわしい俳優に成長した。
屋号が萬屋から播磨屋に戻った形だが、萬屋=小川家は私の母の代からのお付き合いもあり、各人の襲名興行は必ず観に行っている。
種太郎改め新歌昇は、大叔父の中村賀津雄が明るい青年俳優だったころに面差しが似ていて微笑ましい。
2011/09/25 03:41
2011/09/24 23:27
コメント有難うございます。
私はいまだに家族の前では光輝さんと言ってしまいますが(笑)、同世代で観続けてきた役者さんの成長は嬉しく感慨もひとしおですね。また、同じ時代を御存知のKAEさんとこうしてお話しいただけるのも大変嬉しいことです。
彼も50代になったのかと思うと、こちらも年をとるはずです(笑)。
又五郎さんは役柄も老若男女、芸域が広く、型にも詳しく、舞台に品のあるかたでしたよね。
又五郎という名跡が復活したことは、歌舞伎にとって心強いことですね。
「剣客商売」の秋山小兵衛も、私の中ではいまだに又五郎さんのイメージが残っています。
KAEさんのように幼いころから歌舞伎をごらんになってきたかたが、この襲名を喜んでくださることは、当の役者さんにとってもどんなに嬉しいことでしょう。
できれば、KAEさんのご感想を拝読したかったですが。
私は最近、歌舞伎は遠ざかっていて、いつもKAEさんの歌舞伎のレビューを楽しみに読ませていただいておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。