巌流島でまってるね 公演情報 劇団FREE SIZE「巌流島でまってるね」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    笑って泣いて笑ったオススメの舞台!!
    今年も劇団FREE SIZEらしく、笑いあり涙ありのおもしろい舞台だった。何より、笑いに対して押し付けがましいところがなく、俳優それぞれが与えられたキャラクターを通し、誠実にまっすぐに演じる姿は好感がもてる。題材は、宮本武蔵を取りまく人間模様の時代劇でありながらも、オリジナルの脚本でポップな作風の背景には、人間の本質と普遍的なテーマが散りばめられており、感情を揺さぶられる作品であった。

    主演の武蔵役、前内孝文と又八役の末野卓磨は、ゲスト出演としての貫禄と若手人気俳優に見合う華も兼ね備えていた。昨年に続きゲスト出演した大久保ター!も、独特なキャラクターを自らのものとし確立させていた。 5人の町の男性陣は、稽古量に比例しているであろう安定感で物語の解説と進行を担った。 又、劇団のベテラン俳優、橋倉靖彦も芝居のスパイスとして魅力を存分に発揮。副島しんごとの辻風兄弟ペアは絶妙におかしかった。劇団の得意とする殺陣に加え、アクションに重厚感を出していたのは織笠福之。役作りにも一貫性があり、昨年より遥かにおもしろ味が増していた。そして、新人のお空役の都は、良い意味でフレッシュ感にあふれ、裏の主役ではないかと思わせる程に舞台上でキラキラと輝いていた。セリフの声を的確に観客に届けるという基本を実行させることの大切さも示していた。

    大型台風の影響は大きかったのだろう、本番までの段取りに遅延が生じたのか、初日に鑑賞した故なのか、全体的な精度に欠けた感は否めなかったのが残念。特に、制作の運用におけるチケット整理券配布のノーアナウンス、雨の中での会場待ち等改善の余地はあったはず。又、演技面においても、俳優陣の実力の差を埋めるまとまりに乱れを感じる箇所が垣間みられ、芸能プロダクションがバックアップする際のメリットデメリットに課題が残った。千秋楽に向けての向上を期待すると共に、再度、足を運んで観てみたいと思える充分な見応えある公演であった。

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    2011/09/24 13:14

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