満足度★★★
面白かったが、後味の悪い結末が…
舞台上は宇宙船(潜水艦と言っていた人もいたが)という設定。
しかし、それらしい様子は特になく、舞台には遠くから見ると、
白と茶の石敷きのように最初は見えたのだが、
近くで見ると、一部茶色に変色した紙の束であった。
この紙は、この話が日本文学を素材としているものであり、
「原稿」「書籍」「文献」を象徴しているように思われる。
例えば、登場人物中の「ダダイ」は、太宰治のモジリであろう。
彼はしきりに権威に反抗するニヒリスト。
ピアノの生演奏もあることと、男役を女優が、女役を男優が演じる趣向で、
女優の男役は結構見られるのだが、
男優の女役は、登場時は笑いを買っていた
…しかし劇の進行とともにそういう可笑しさは感じなくなってきた。
さて、環境汚染?疫病?のため、女性は昔に絶滅してしまい、
生き残っているのは男性のみ。
そして、ここには「総統」と呼ばれる者がいて、
彼が艦長のような立場であり、
ほとんどの者は彼に多大な敬意を表する。
また、「博士」と呼ばれる者がいて、過去の「文献」を頼りに、
「子供」(チビオ)や「女性」(自分の妻・チビオの母役「ミチヨ」と、
もう1人?より若い「ユリエ」)を作ってみる。
しかし、作りものであるだけに、イマイチ出来が悪く、
例えばミチヨは、シチュエーションが違っても同じセリフを口にしたりし、
これで観客の笑いを取ったりする。