現代能楽集Ⅵ 『奇ッ怪 其ノ弐』 公演情報 世田谷パブリックシアター「現代能楽集Ⅵ 『奇ッ怪 其ノ弐』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 本当に怖いものは
    『奇ッ怪』其の壱に圧巻されて、其の弐も期待して拝見しました。
    其の壱では、小泉八雲の原作を時代劇的な感じで取り入れた着物でのシーンがあったり、エンターテイメント感の強い中で怖さを感じていたのですが、其の弐はぐぐっと現代にフォーカスされていて、新鮮な気持ちで見ました。
    語りからテンポよくシーンが移り変わり重なっていく手腕はやはり見事で、楽しい。
    笑いもったぷりあって思わず吹きだすシーンもたくさんあったけど、終幕に向けて、壱とは違う角度の怖さがじわじわと少しづつ積もってゆきました・・。
    無念さ、無常感、という意味では、今回いっそう怖かった気がする。

    ネタバレBOX

    現代にフォーカスがあたっている分、生霊などの能を思わせる現象そのものより、人間の心の中の闇や狂気、現代社会の構造や人間関係のかかえる闇、といったものがじわじわとボディブローのように効いてくるようでした。

    其の壱との印象の違いに最初はちょっとだけ戸惑う感じもあったのですが、終わって見ると「一番怖いものは、逃れようのない時代、この現代社会そのものかもしれない」と、ぞくっと背筋が凍って震えたのでした。

    俳優はみなさすがの好演だったけど、私は特に岩本幸子さんの好演が印象的でした。
    これからも彼女の出る舞台を見たいなぁ、と素直に思ってしまいました。

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    2011/09/01 12:33

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