満足度★★★
エネルギッシュ
大学の授業の一環として行われた公演で、若いエネルギーの溢れる舞台でした。
神話の引用や野田さんらしい凝った言葉遊びを交えてシャム双生児の姉妹の葛藤が描かれ、笑いを狙った箇所には少々時代を感じるところがあるものの、とても面白い物語でした。
夢の遊眠社やNODA・MAPでの上演を観たことがないので、劇中劇の構造が元から脚本にあるのか演出上のアイディアなのか分かりませんが、学生の公演であることにとてもマッチしていて効果的でした。
演技に関しては客演の人たちは良かったのですが、学生の人たちは台詞が聞き取りにくかったり、表面的な役作りに見えるところがあり、まだまだこれからだと思いました。
最前列で観たのでそう感じたのかもしれませんが、全体的に声の音量をもう一段階落とした方が聞き取り易く、また叫ぶ場面が引き立つと思いました。
スタッフワークがしっかりしていて見応えがありました。
作品のキーワードの1つ「編む」をモチーフにした舞台美術が別のキーワード「海」を連想させる海草に見えて面白かったです。机や浴槽として使われるオブジェも良かったです。
LEDの照明器具を多く使った照明プランがシャープで多彩な色彩を演出していて美しかったです。
音響は音楽・効果音のセレクトも、音を入れるタイミングもあまり上手く行っていない感じがして残念でした。
パンフレットが充実した内容・エディトリアルデザインで、さすが美術大学だと思いました。
2011/08/28 21:29
情報ありがとうございます。稽古中のシーンは元からあるシーンなのですね。
会場に入ると客最前列中央にペンを持った役者が台本を見ながら座ってたので、プロンプターを付けての上演なのかとびっくりしましたが、様々な部分で稽古中のシーンになるのがコミカルで良い息抜きになっていて面白かったです。