満足度★★★★★
ぶれない優しさ
他者に対し、表面的にだけ優しく接することはある程度容易だし、誰しも、できることならいつも優しい人でありたいと思うだろう。けれども、喫茶店「リコリス」のマスターのように、真の優しさで、真摯な眼差しと誠実さで他者と向き合い続けることは、決して容易ではないことだと思う。ヤワではダメ、芯が強くなければ。たとえ、自らは傷つくことになろうとも、それを怖れずに。
物語が佳境に入る前から、主人公の、そして彼を巡る登場人物たちの、ひいては作者の眼差しのあたたかさと真摯さと、ぶれない優しさが胸に迫り、気づいた時には涙ぐみながら作品世界にひきこまれていました。
東京ストーリーテラーさん、初の観劇でしたが、是非次作も観たいと思います。