満足度★★★★
不条理なのに論理的に推理劇として成立し、大どんでん返しがあるという矛盾。それ自体が不条理。面白い。
本多劇場こけら落とし第2弾として上演された演目。
タイトルの通りクリスティの同名小説に材をとりながら、
ゴトーを待ち続けるという味付け。
どうも、別役実というと不条理で難解という
イメージが強く苦手なのですが、
その中にあっては、殺人の動機も「不条理な理屈」
には合っている。
本作の「不条理推理劇」としては、
連続殺人の犯人探しのストーリーも、
不条理な動機から客観的に理屈が合うという
一見矛盾した状況が面白い。
そしてラスト、推理劇として普通に?感心する?
どんでん返しがあるというところが面白かった。
ここがチラシの宣伝コピー「モンティパイソン的大どんでん返し」
を指すのでしょうが、表現方法というか絵面が
「モンティ…」なだけなので、
他の作品を引用するのはかえってマイナスであり、
別に、「他作からの引用を宣言するような」必要はないと思う。
柄本さん(セリフはとんでたけど)、綾田さんという
ベテラン勢の力の抜け切った演技もいいが、
クライマックスでは探偵的な役割を担った、
江口のりこさんが光ってた。