満足度★★★
童話的な朗らかさ
カエルの王様が発令した「ポワント条例」によって全員がポワントを履くことになった村の人々という童話的物語をユーモラスに描いた作品でした。
ポワントを履いて常に爪先立ちのため動作がギクシャクするのをコミカルに見せ、観客にポワント条例を続けるかどうか多数決を取り、晴れて廃止となって自由に踊り回るという分かりやすい筋立てでしたが、親しみ易さを演出しようとするあまり、必要以上にウケ狙いのベタな動きや台詞が盛り込まれている感じがしました。
マドモアゼル・シネマのメンバーのダンスは悪くはないのですが、ちょっとモサモサした感じがあり、あまり印象に残りませんでした。
ゲスト出演のジャン・ローラン・サスポーテスさんは、シルクハットを被ってゆったりと粋な感じ踊る姿がダンディーで、彼が所属していた故ピナ・バウシュのヴッパタール舞踊団の作品を彷彿させる雰囲気がありました。特に両手を恋人に見立てて椅子に座ったまま手だけで踊るシーンが美しかったです。