満足度★★★
初めて眠らなかった不条理劇
題名の長さからして、力のこもった思いが伝わってきます。しかも、それが不条理の劇と訊くと、かなり気合いを入れて劇場に足を運ばなくてはなりません。
いままで、不条理劇を観て、途中で帰ってきたか、または居眠りを決め込んで時間の経過をひたすら待つだけでしたから。
今回は・・・最後まで寝ずに見ることができました。
不条理劇は、こちらの感性で観るものでしょうから、なにが眠らせなかったのかなと考えました。
面白かった? いや、「ラブ・コメディ」といっていたにもかかわらず、「コメディ」として笑った場面は皆無だったと思います。ギャグもかなり俗的でしたし・・・
琴線にひっかかったものが・・・う~ん、これもどうか。言葉の豊潤さというものも、正直言ってあまり感じるものはなかったと思いました。
劇団の人には申し訳ないけれど、一番の理由は「体調がよかった」ことでしょう。(すみません)
俳優さんの演技は、それぞれが個性的で、それなりに見応えがあったこともありました。もっと「日常生活」を扱った脚本なら、それぞれの個性を活かした素敵な劇になるだけの力量があったと思いました。
舞台装置も、光の使い方が素敵でした。
私の感性が、未発達だったとも言えますね。
ただ、内容的には私の「常識」を覆すほどの「台詞」もなく、世俗の典型部分をオムニバス調にコントにしたようだったという印象。どうせ劇化するならば、徹底して冒険してほしかったと思いました。