祈る速度 公演情報 Cui?「祈る速度」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    今後に期待
    バラして再構成した連続性のないシーン構成は、観客に理解することを放棄させる。しかし演出はそれを逆手にとり、照明や音響、出はけだけに頼らず、小道具や役者の身体でスイッチすることでその弱点を補い、むしろ持ち味に変えていたように思える。演出的にすごく参考になった。

    ネタバレBOX

    対話の形をとっているシーンも、役者が口にするのはかなり独白に近いもので、小説を読んでいるような気分だった。その言葉に、身体言語が乗せられる。表層化しているものは生きた言葉によるものだけではなく、一見すると何故、と思うようなものにも、イメージを喚起させる役割が見出だせた。
    家。タイムカプセル。印象。友達。猫。壊れたものは決して帰ってくることはない。再生を望むよりも、抱え込んで溺れるよりも、否定し拒絶することよりも目を背けることよりも忘却の彼方に追いやってしまうことよりも、祈り、というものが、もっとも相応しく、優しい。うしなわれたものたちのために。

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    2011/07/31 05:38

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