ベッジ・パードン 公演情報 シス・カンパニー「ベッジ・パードン」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    とても面白かった!
    「下荒井兄弟のスプリング・ハズ・カム」以来の大泉さんのお芝居、ということで、楽しみにして27日、世田谷パブリックシアターに行ってきました。
    大泉さんだけでなく、野村萬斎さん、深津絵里さんなどの、豪華俳優陣、そして作・演出が三谷幸喜さんという魅力あふれる要素がつまりすぎて、興奮して行ってきました。

    ネタバレBOX

    ストーリーは、夏目漱石(金之助)がイギリス留学で、何度目かの下宿先に引っ越したところから始まります。
    日本では英語教師として過ごしていた金之助が、英語を学ぶために留学したものの、自分の英語力のなさに自信をなくしていました。
    元教師で厳しい大家や下に住む日本人の惣太郎、家庭教師の前ではおどおどする金之助でしたが、女中のアニーの前では、自然に話すことが出来ます。
    下町出身で訛りのあるアニーの「I beg your pardon?」という言葉が「bedge pardon」に聞こえた金之助はアニーに「ベッジ」というあだ名をつけます。
    史実では、そこまでだったのですが、そこは作家:三谷幸喜、淡いラブストーリーに仕上げてきました。
    しかし、大家の離婚、ベッジの弟の事情、惣太郎の思惑により、2人は・・・

    お目当ての大泉さんは、普段の明るいキャラクターが惣太郎という役を生き生きとさせ、でも惣太郎にも悩みや裏の顔もあって、それを嫌味なく演じている辺りさすが大泉さんだなあと思いました。
    また、金之助役の野村萬斎さんは、立ち居振る舞いがとても美しくて、惚れ惚れしてしまいました。
    そして、ベッジ役の深津絵里さんはめちゃくちゃ可愛くて、ちょっとバカっぽいベッジをキュートに演じていて、素敵だなあと思いました。

    このストーリーの根底にあるものが、「言葉の壁」や「差別」であるけれど、時代を超えて「今」にも通じるものがあるなあと感じた。
    例えば、惣太郎が方言で悩み、必死に英語を身につけるけど、その姿の痛々しさだって、今にも同じようなことがあってもおかしくない。
    ベッジが下町出身ということで差別されているけれど、地域による差別なんて、今だにあるものだ。

    全体に流れるコメディタッチの楽しいお芝居だったけど、コメディの裏にあるモノを感じると、深く考えさせられた。

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    2011/07/31 02:38

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