満足度★★★
役者陣は皆さん好演
先日の三谷さんの作品同様、これも、役者さんに功労がある舞台でした。
私は、母のお腹にいる頃から、演劇界の大人達に囲まれて育った一人っ子のせいか、どうも、子供の頃から、お涙頂戴物が嫌いで、どこか芝居も斜めに観る癖がありました。
たぶん、そういう、可愛げのない自分の性格故と思うのですが、この作品、最初から、泣かせよう泣かせようとする意図が随所に見えて、やや鼻白む脚本、演出ではありました。
最初の内、しばらくはストレートプレー調で進行していたのが、いきなり、突拍子もない、歌が始まった時には、幾らミュージカル好きな私でも、さすがに、気持ちが引いてしまいました。
でも、役者さんの力量と、コツを熟知した脚本、演出の技に乗り、知らず知らずに、舞台に同化する気持ちが芽生えたのも確かなところ。
ただ、どうしても、ストーリー展開に、ご都合主義を感じてしまいました。
余談ですが、主人公の吉田さんの名演に、先日亡くなった、中村とうようさんを想起してしまいました。
あーいう気骨ある批評精神のある、その道の通が、どこの世界からも姿を消されてしまって、実に無念でなりません。