満足度★★★
熱いエンターテインメント作品
江戸版を観ました。ファンタジーや恋愛、アクションなど様々な要素をスピーディーな展開の中に盛り込んだ、正に泣いて笑えるエンターテインメントといった作品でした。
江戸を舞台に、火消しの「き組」の人たちの周りで起こる怪事件を追ううちに狸族と狐族の対立に関わっていく物語で、恋愛感情や葛藤など色々な感情が描かれていて、メリハリがあって楽しめました。
ダンスやオタ芸、ミュージカル、パロディーで派手に盛り上げるところもあれば、落ち着いた真面目な演技で感動させるところもあり、バランスが良かったです。適度な客いじりや観客参加も上手く一体感を引き出していて、効果的でした。
30人以上の出演者の中で、ゲキバカのメンバーの中山貴裕さんや伊藤今人さん、常連の客演の岡田一博さんの演技が際立っていました。
舞台セットはほとんどなくて上下方向の動きがなかったため、吉祥寺シアターの高さのある空間を有効に使えていなかったのがもったいなく思いました。もっと美術的要素があっても良かったと思います。
分かりやすい構成で次々に場面が展開して行くので飽きる間もない作品でしたが、個人的にはもう少しアーティスティックな表現を出して欲しく思いました。もっと突き抜けた演出をしても観客を納得させるポテンシャルがあると思います。