満足度★★★
もっとガツンと来るかと期待大きかったが・・・
WTCのすぐそばにいた日本人たちのその日の9時から24時まで。こっちでテレビで10時間以上追いかけていた私らとは違うリアルがあったはず。坂手さんならそれを取材で描き出すはず。そんな期待が大きかったんですけど・・・。
チラシに書いてあった「たった一日で、世界が変わるわけないじゃない。」というのは、今だから言えるコトバだよね。あの日、「世界は変わる」って、ノンキに日本で暮らしていた私でも思ったし。「大変なことになった」という感覚はその地にいた人のほうが大きかったはず。実際、「アメリカに神のご加護を」のコトバのもとであからさまな殺戮へと向かい始めた日になったわけだから。もちろん、「あの日」がそれ以前によって予定されていたとするなら、確かに「たった一日」で変わったことにはならないけど。
この芝居は、ドキュメンタリータッチというわけではなく、取材をもとにした創作ですし、きちんと「演劇」「エンタテインメント」として仕上げています。ちゃんと楽しめる作品に。決して「CVR」(過去の公演)とは違います。しかし、実際に起こった事件、実際に実在した編集部、が題材ですから、どうしても「リアル」を求めてしまいます。なので「演出」や「演劇的な処理」や「字幕」に抵抗を感じてしまいました。勝手にリアルを求めた私が悪いのかもしれませんけど。