5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定) 公演情報 MU「5分だけあげる(終幕御礼・御感想お待ちしています。次回公演は2012年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭参加決定)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    (極々個人的に)イライラしてムカツク
    なんだろうな、この感じ。
    ムカツクんだよな。

    テンション?
    なんだろ。

    って思って観た。

    ネタバレBOX

    最初に副担任が出てきて、「ここだけの話」と言った後の、あたりを気にする演技にムカツイた。
    ところが、「ああこの人はこういうキャラなんだ」と納得しつつも、その動きとテンションにいちいちムカツク。

    そして、小学生の親たちの登場にイラつく。
    なんか中身のないイヤなテンションなのだ。
    で、「ああ、そういうところがネライだったりしたわけね」と思いつつ、やっぱりイラつく。

    彼らのテンションが高いくせに平板というか、それにムカつきつつ、「あっ」って気がついた。
    何に対してこんなにイラついて、ムカついているのかが。

    それは「先生」だ。これにムカついているのだ。
    先生、教師というものは、すべて使命感を持って仕事をしている。その「使命感」がどんなに独善的であったとしても、「私は正しい」「私は正義」ということについてまったく顧みることもなく、平然と生徒にぶつけてくる。
    「私の指導方針」「私の教育方針」と言い放ち。
    密室の、特に小学生のときの教室は、担任と児童の密室だから、児童は先生の言うことがすべての世界で、まだ社会を知らないので、自分たちの前で偉そうなことを宣っている先生が、どんなに社会からかけ離れた存在なのかは知らない。すべての先生がそうだとは言わないが、ほとんどの先生はバカだ。しかも無自覚のバカ。
    …もっと汚い言葉を使いそうになるが抑えておく(笑)。

    そんなバカが使命感という錦の御旗でもって、生徒や児童を「指導してあげる」と思い上がっている。自分は生徒や児童を「良い人」になるように育てているのだ、と思い込んでいる。しかもタチの悪いことに、「愛情」とともに、と先生ご本人は思っているのだ。
    そんな輩にいろいろ吹き込まれる生徒・児童はたまったものではない。

    この舞台にいる担任の先生は、なんだかステレオタイプな教師像なので、ゾッとした。ああ、これだこれに対してイライラして、ムカツイているのだ!
    先生役の久保亜津子さんがうまいんだよな、その雰囲気。

    あの「5分だけあげます」という指導のようなもの、また、毎回机と椅子を倉庫から教室まで児童本人が持ってくること、そんな儀式めいた「(トンデモ)教育方法(メソッド)」を体験したことのある人は多いのではないだろうか。一見意味がありそうで、実のところまったく何もあるわけのない、そんなことを。そして、ご本人は悦に入って。

    だから爆弾で児童やその親たちを爆死させるのも、彼女にとっては、「私がやってあげる指導の一環」程度のことであろう。
    もちろん、比喩的な意味でもいい。そんな爆弾を指導の名の下に児童やその保護者たちに降り注いでいるのだ。
    児童も保護者も「先生様の言うとおり」なので、文句すら言えない。言えば「モンスター」と呼ばれてしまう。
    「あなたの闇なんて知ったことではない」という先生の台詞がすべてであろう。自分しかいないんだろもの。ご本人は「愛情」があると思っているのにね。

    確かに、親たちにも問題はある。それは普通。
    それを乗り越えるのは子どもの務め。

    子どもたちの設定が健気すぎ、やけにナイーヴ。
    MUの舞台ではナイーヴな登場人物が必ず出てくるが、この2人は群を抜いている。
    まあ、小学生だからということもあろうが。
    小学生を演じた今城文恵さんの、目、表情は刺さった。

    で、この2人の存在は、年齢的にも「未来がある」ので、MUらしからぬ灯りがあるように感じた。先があるというか、どん詰まりではないということ。
    つまり、彼らは「大人になること」を信じているからだ。それはこの日上映された過去作品『90%VIRGIN』とも共通している。こちらは「音楽」を信じているのだ。「未来」(信じるモノ)がある者にとっては、「希望」があるのは当然で、それを感じた舞台と上映であった。
    ハセガワアユムさんは、2008年ぐらいにはそれなりに希望があったんだ、と思ったりした(笑)。この設定を使ってそれを見せたと。

    全般に流れる空気は、激するのに乾ききった感じ。乾いているのにゴリゴリやってくるのでヒリヒリしてしまう。
    あいかわらず台詞に細かく気を遣っていて、気が利いている。

    ただし、(初日の)全体のテンションについては、まったく支持しない。じっくり内に秘め、じわじわ責めてきたのであれば、もっと響いたと思う。台詞の効き方も、届き方も違っていたと思う。

    意図とは言え、イヤなテンションについて考えると、★3つ。ただし、上に書いた感想、特に先生を巡る感想はあまりにも個人的すぎるかもしれないが、そんなイヤな想いを喚起させてくれたこと、つまり、私のムカツキ(笑)対して★1つプラスとなった。くそーっMUにしてやられたぜ(笑)。

    MUって面白い。


    初日は、上演後、過去作品『90%VIRGIN』の上映があった。この台詞の感覚は素晴らしいと思った。しかし、機材トラブルで、何らかの事件が起こって、それがどう解決されたのか、という大事な2点が飛んでしまい。不発でモヤモヤ。

    ※上映後、機材トラブルについて主催者からお詫びがあり、そのDVDを送るというアナウンスがあった。早い対応は素晴らしい。観客は納得するだろう。私は申し込まなかったが、MUのつぶやきによると、アンケートに住所を書いた人には送るとのことらしい。

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    2011/06/30 06:27

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