ペノザネオッタ 公演情報 ONEOR8「ペノザネオッタ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    対象がピンポイントだったのか、それともそうではなかったのか
    主人公を取り巻く人々のある一面を切り取った作品。
    ファミコンというアイテムが、物語を読む上で大切なキーになっていたのではないだろうか。
    もしそうであれば、その点において、ピンとこなかったのだ。

    ネタバレBOX

    病気がちで外にあまり出ることのない周正は、古いファミコンを持ち出して、どうしてもエンディングまで行けない海賊版ソフト「ドラクワ」(だったけ?)を今日も1日やっている。
    周正は姉と2人ぐらし。
    父は家におらず、周正がやっている海賊版ソフトを作ったりしていた。
    周正は、姉の小学生の頃の同級生、つまり年上の男の子たちと「男熟」(「塾」のつもりで漢字の書き間違い)を結成し、遊んでいた。

    そんなオープニングで物語は始まる。

    周正が小学生だった頃と、彼が亡くなったお通夜の夜が、交互に演じられる。
    父は周正のお通夜にフィリピンから駆けつける。今も昔と同じような気ままな生活をしているようだ。

    お通夜には、周正の小学校時代の友人と姉の友人が集まっている。

    周正の友人たちは、周正が最後に倒れたときまでやっていたファミコンをなんとかエンディングまで持っていきたいと思っているが、海賊ソフトなのでその方法がわからない。かつてエンディングまで行ったことがあったのかどうかも思い出せない。
    周正の父もそれを聞き、エンディングまで行けたら、周正の顔を見て、お線香を上げると言い出す。

    とにかく、ファミコンが物語の重要なキーとなっている。そんな想い出がある世代にとっては、あるある感とともに自分の小学生の頃を結び付けていけるのかもしれない。
    しかし、残念ながら、個人的な趣味や経験としてファミコンだけでなく、ゲーム全般ほとんどやったことがないので、ピンとくるところがほとんどなかった。そのため、そのあたりでくすぐられる要素ゼロだったので、面白さは半減したのではないかと思う。
    観ながら、なんかピンとこないなあ、と燻ってしまった。

    携帯のやり取りなど、ちょっとしたことから人間関係を匂わしたり、夫婦間の関係を見せたりと、周正を取り巻く人々のある一面を切り取った感じはとても好きだ。
    面白いなあと思うシーンもあるにはあったのだが…。

    ただ、どう観ても全編に流れるファミコン要素が目に付き、つまり、ファミコンのことを大事に取り上げているようで、個人的にその点にまったく取り付く要素がないだけに、しっくりとはこなかったようだ。

    だから、と言うわけではないが、登場人物たちがファミコンの登場人物らしき扮装で登場するシーンは、無表情で見てしまった。
    特にラストはそんな感じで終わってしまったので、さらに、うーん、という感じは高まるばかりであった。

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    2011/06/26 07:00

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