満足度★★★
オチャラケ版皿屋敷
オチャラケ95%で、あまりにも入れ事が多すぎる。
少し早目の暑気払い納涼企画という感じで、岡本綺堂の原本を観ていれば、それなりに楽しめる部分もあるが、
ここまで脚色してしまうと、パロディーコントというか、昔の東宝の「雲の上団五郎一座」みたいな感じだ。
贔屓の俳優のはじけっぷりを観るファンには楽しいのだろうが。
まぁ、花組芝居というのは多分にそういう劇団だから、私は昔に観て引いてしまったのである。
最後にいくら真顔になって演じても、哀れさなんて響いてこない。
これを初見でごらんになった方には、ぜひ本家の岡本綺堂のほうもごらんくださいとお願いします。
子供の頃、愛しているならなぜ播磨はお菊を許してやらなかったのだろう?と疑問に思った。
武士の心底を家来の女に疑われるということが、「旗本として男の意地を通す」播磨には許せなかったのだろうし、アイデンティティーがこの時代の武士にとって、いかに大切なものかということがよくわかる芝居ではある。、
女は恋に命を懸け、男は意地に命を懸ける典型のような話。
武士道とは比較にはならないが、男の沽券という意味では、彼女にケータイを見られたという理由で別れる現代の男女の恋愛心理にも相通ずるものがある。