茶の道 公演情報 ニグリノーダ「茶の道」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    茶・遊び
    江戸時代の茶の世界で起きた心中事件にまつわる話を、趣向を凝らした幻想的な演出で描いた作品でした。時代劇と現代劇が混ざったような不思議な物語世界の中で、茶人によるお点前や、三味線と唄の生演奏など日本の伝統的なパフォーマンスが行われ、普段の生活においてあまり縁のない文化を観ることが出来て興味深かったです。

    「花」と名付けられた、非現実的な存在感がある女性3人の佇まいが専門の役者とは異なる、うっすらとしたエロティシズムを感じさせて魅力的でした。難しい立ち位置の役だとは思いますが、台詞回しがぎこちなくてもどかしかったです。
    男性陣も中性的な雰囲気がある人や、内に狂気を秘めつつも表はチャーミングな老人など、個性的でした。

    メタ構造を意識させる台詞や、おそらく事前にやりとりが確定されていないゲーム的場面など意欲的な手法を用いていて、何となくやりたいことは伝わって来ましたが、断片的・抽象的に表現したそれぞれの要素があまり上手く絡んでない印象を受け、奥行きを感じられないのがもったいなく感じました。特に笑いを狙ったところは間が悪く、上手く行っていないと思いました。
    全体的に力み過ぎな感じがしたので、良い意味でもう少し力を抜いた方が流れが良くなると思いました。
    音楽や効果音を使い過ぎに感じました。舞台上の役者の台詞・動きだけで見せた方が魅力的になると思いました。

    10分以上無音で続く後半のお点前のシーンは心地良い緊張感がある素敵な時間でした。能のように形式的で緩慢な動作の中に見える美意識に引き込まれました。
    シアターイワトは防音性があまり良くなく、外の車の通行音や歩行者の話し声で静寂が掻き乱されるのが残念でした。

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    2011/05/27 09:04

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