満足度★★★
賑やかな中世物語
中世の王子と姫の冒険譚を小ネタをふんだんに取り入れた分かりやすい演出で音楽劇にしていて、子供でも楽しめるような朗らかな雰囲気を湛えた作品に仕上がっていました。
物語自体は愛し合う若き男女の別れと再会、という単純なものですが、語り手を色々な役者が受け持ったり、コント的なシーンを入れたり、歌や楽器の演奏があったりと賑やかでした。
丁寧に作られている分、全体的にスピード感があまり感じられないマイルドなテイストになっていたのが残念でした。もっと見世物小屋的な猥雑な雰囲気があった方が楽しくなると思いました。
ベテラン役者たちの演技が緩そうに見えながらも締めるところは締めていて流石でした。語り部的に現れる、赤いドレスに身を包んだ「歌姫」(紫竹あかねさん)の澄んだ歌声が美しく、印象に残りました。タイトルロールの2人は真面目に演じていましたが、周りに負けていたように思います。