たらいが投票した舞台芸術アワード!

2018年度 1-7位と総評
楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

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楽屋ー流れ去るものはやがてなつかしきー

unit SELAH

いやあ、よかったです。最後は涙しました。かんどー。電熱灯っていうんですかね、上からたくさんぶらさがってたやつ、あれも雰囲気よかったなーと。
ちょうど下北沢では路上演劇祭ってのをやってましたけど、こちらを見た後では、あちらは見る気にならないですよね、演劇空間の密度っていうんですか、なんていうのかわからないけど、そういうのが違いすぎて。ま、比べるのがアレですが。

山の声

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山の声

オフィスコットーネ

後半の迫力は、すさまじいものがありました。欲をいえば、前半がちょっと変化に乏しく、退屈を感じないでもなかったかなあと。でも、そんな細かいこと抜きに、お二人の演技は素晴らしかったです。今年観たなかではいちばんでした。ぼくはそんなに芝居観てないので、あれですが。
ラッセル泥棒以降は文句ないし、加藤さんがひとりで奮闘しているラストシーンは感涙でした。
前半は、最初はもっと楽しい雰囲気にでもしたらどうなのかなあと思ったり。ずっと思いで語りで、あんまり変化がなかったような気がしたので。
紙吹雪、惜しげなく使われていて、それも素晴らしかった。
最後は、加藤さんも死んでしまったのかとも思ったけど、そんなことないんですよね? シーンの時間的な前後関係で、混乱しました。

ダムウェイター

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ダムウェイター

Prayers Studio

ぷち俳優体験ワークショップもあることだし、一応台本は読んでいくか。と思って一読して、あー、なんだろうなあ、これが不条理ってやつですか、ちょっとわからんという気持ちを抱いて、舞台のほう拝見していましたところ、拝見している途中で気づくことがたくさんあり、公演後のワークショップで理解が深まったような気もするし、すごく充実した気持ちに。これはよかったです。これはもう芝居とワークショップがワンセットですね。ピンターさんの他の台本も読んでみたい。不条理、とか言われてるけど、全然不条理じゃないってことですよね? 設定が、隠されているだけというか。次のやつも、ぜひ観たいかも。

夜、ナク、鳥

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夜、ナク、鳥

オフィスコットーネ

え?もう終わり?もっと殺ってー、みたいな。心の闇を垣間見ました。変なところで笑う観客が近くにいて、集中をそがれたのが残念でした。でも大竹野正典さんの世界、堪能できたかと。もっと他のも堪能したいなー。事件を語るための構成に苦心されたのかも。工夫を感じました。

FranzK

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FranzK

早稲田大学舞台美術研究会

ミレナへの手紙、みたいな本があるんですねー。私的な手紙を本にされちゃうカフカ、きっと恥ずかしくて死んでも死に切れないでしょうね。カフカが女性で、最初は違和感あったけど、まあ、これはこれでありかなあと途中から思いました。ミレナ、素敵でした。ああいう女性だったんだろうか。
シンプルだけど、素敵な舞台でした。
走り回るところが、ありがちな演出かもしれないけど、よかったです。ほろりとしました。盛り上がるところがひとつないとね。

充分面白かったんですが、
カフカがどうしてミレナと暮らせないのか、もうちょっとわかるといいかなあと。いや、わかんなくていいのかも。
カフカ役が女性ということで、そこにももっと意味が出てくると面白かったかもとも。いや、そんな意味はなくていいのかも。

MOTHER

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MOTHER

庭劇団ペニノ

観客のほうが仮面をつける仮面劇。
でも暗いので仮面をつけた人たちがよく見えず。仮面の効果はあったんだろうか。もっと明るくてもよかったのではと思ったりも。最後は暗いほうがいいかも知れないけど。昼になったり夜になったりしてもいいかもなーと。
ぼくも劇中に参加したことになるのかもしれないけど。参加したーっていう達成感はなく。戸惑うばかりでございました。うーん、ま、そりゃそうだろう。俳優の動きに従って逃げ惑う民。

異邦人

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異邦人

東京演劇集団風

風ふうの演出、面白かったです。主人公も雰囲気ありました。
ただ異邦人のテーマに関しては、やっぱりなんだかぴんと来なくて。その部分の掘り下げが、小説以上のところはなかったかもと。もう一度読んでみなくちゃなりませんね!そうしたら見方もまた変わるかも。

総評

ぼくは今年ハロルド・ピンターさんの芝居を初めて観て面白かったので、彼の台本をたくさん読んで、解説書なんか読んで何が書いてあるのか確認して、ああ、面白いなあと思ったのが最大の収穫ですかね。観劇をきっかけにカフカ『ミレナへの手紙』も読んだり、途中までだけど。そういう感じで刺激を受けることが出来ました。コリッチさんのおかげであります。初めて投票しますが、順位をつけるのは難しいです。

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