よしの観てきた!クチコミ一覧

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喜劇 俺たちの心中は世界を泣かせる

喜劇 俺たちの心中は世界を泣かせる

劇団ズーズーC

秋葉原ズーズーC劇場(東京都)

2012/02/11 (土) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かった!!
無料チラシに惹かれて、最終公演に行きました。
期待して良いんだか悪いんだかわからないようなHPでしたが。

一番乗りしましたが、その他に誰も現れず、
開場直前に3人増えて4名…かなり少ないのかなあ、と思っていたら、
開演前には11人になっていました。

受付をやっていた男女2人が、何と役者2名でもあり
(はっぴに名前が出ていたので、もしかして、とも思っていましたが)、
遅刻しないで良かったと思う次第。

さて、内容は、あるいは再演もあるのかもしれないので、
詳しくは書きませんが、前半(日光に行く前)で40~50分あり、
ここもそれなりにやり取りは面白くは思いました。
ある意味、振りの多い、かつ長い漫才のようにも見え、
しかし、長く続くと同じようなネタも出てきたり、ちょっと飽きてきました。
心の中で☆3つくらいかな、と思ったり。

ところが、後半、日光行きの話からは、抜群に面白くなりました。
1人3~4役の場面が特によく、大笑いしてしまいました。

お二人の息も合っているので、終演後「本当のご夫婦ですか?」
と聞いてみましたら「違うんです。それぞれ家庭を別に持ってます」
とのことでした?!
(余計なお世話でしょうが、これだけの台詞を覚え稽古するだけでなく、
経済的にも大変な(?)御活動をされるのは、
ご家族の理解と協力も欠かせないでしょう。)

まあ、そんなわけで、後半は時間を忘れましたし、盛り返したので、
多少のオマケ込みで☆5つ!

なんか、無料では申し訳ないので、台本1冊買いました。

さて、ネタバレは別として、演劇以外の突込みを少し…。
当初は秋葉原から歩くつもりだったのでしたが、
前の用事の関係で、急遽浅草橋から歩くことに。
ところが、未だに慣れないスマホ地図でも劇場名ではヒットしないし、
住所で検索しようと思ったが、サイトを見ても住所が出ていないのですよね。住所くらい、チラシのどこか隅にでも入れてもらえると、
こういう時ありがたいのですが。

それと、配布されたチラシの中のカンフェティ、3月号でした。
たしかに、2月から公演が始まっているし、
役者さん自ら受付もされる位の人手不足(?)ですから、
最初にチラシを組んだままで、仕方ないとも思いつつ、
ちょっと悲哀を感じちゃったりして。

もしかしたらHPも自虐的過ぎて(ギャグなんだと見終わった後は
分かりますが)「行ってもつまらないかも?」と思われているかも。
ある意味、自分たちの良さを信じて、
もっと長所は積極的に訴えても良いのではないか?
そんなことも思いました。

過去演目を見ても、喜劇なのに悲劇的な題材を用いているところも
興味深いし、「悲劇より喜劇の方が難しい」というとおりで、
苦労も多いとは思いますが、今後の活躍に期待致します。

ネタバレBOX

そんなに気にする話ではないかもしれませんが、
「逆に警察から感謝状もらった」というのはちょっと引っかかりました。
だって、そうは言っても「銃刀法違反」は残るんじゃないかなあ、
なんて屁理屈を考えちゃったもので。
ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー

古楽オペラアンサンブル マスカラード

北とぴあ ペガサスホール(東京都)

2012/03/17 (土) ~ 2012/03/17 (土)公演終了

満足度★★★★

意外と劇的な音楽で・・・
ほとんど演じられないヘンデルのオペラ。
この時代(及びそれ以前)のオペラは、
平板な旋律と、繰り返しが多くて、
正直単調でつまらないものが多いので、
(もっとも、ヴェルディ、ワーグナー、プッチーニetc.は
ずっと後ですからね…)
あまり期待はしておりませんでしたが、
結構面白かったです。

意外と劇的な音楽も付いていましたし、
器楽陣が健闘していました。
(なぜか特に後半はヴィオラの出番がほとんどないのが不思議でしたが)

ただ、歌手陣、特にカウンターテナーの方々は、
少々発声が苦しそうで、ここがもう少し自然な歌になれば、
より良い舞台になったような気がします。

ともあれ、貴重な機会に感謝!

いつになっても

いつになっても

UMBRELLA

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2012/04/06 (金) ~ 2012/04/08 (日)公演終了

満足度★★

「作り物」の感が強くて・・・
高評価のコメントが多いので、少々気が引けますが、
あくまでも私の独断と偏見です。
舞台上もよくあるタンスや戸棚が置かれていて、
ごくありふれた室内という雰囲気。
そこからしてベタなのだが、私はベタな芝居も嫌いではないので、
それで評価を下げたわけではありません。

まず、台本ですが、話が素直に流れて行かない感じがしました。
個々の台詞回しもそうで、例えば長男は時に
頓珍漢なことを言う設定ですが、
その「ずれ方」が不自然に思えたり。

また、特に男性陣の個性も台詞で作ったようなところがあって、
最初は区別もよく分からなかったし、
それぞれの関係も中々呑み込めなかったのが正直なところ。
(私だけかもしれませんが)

つまり役者にも、もっと配役の個性が出るような演技をしてほしかったです。

過去の回想シーンも、私にはあまり効果的には思えなかったし、
回顧ばかりでこのお芝居が成立してしまっているのでは?
そんな気にもなりました。

ネタバレBOX

(他の方もおっしゃっておられますが、)
長女の「病気」の件も、いい扱いとは言えないし、
(でもここで客席内では鼻をすする音もあちこちから聞こえたのも本当です)
それから、教師役が、生徒に殴られた話も、
「重大事件」でサスペンス的に一旦は扱われ、
末妹の友人が関わっているような台詞もあったものの、
それからどこかへ行ってしまいました・・・。

こういうあたりももっと筋を磨き上げてほしいなと思いました。
どん底

どん底

劇団東演

本多劇場(東京都)

2012/02/25 (土) ~ 2012/02/28 (火)公演終了

満足度★★

正直ちょっぴり期待外れ・・・小劇場でやった方が良かった?
作/M・ゴーリキ、演出/ V・ベリャコーヴィッチ…ということで、
期待して行ったのだが、小劇場でやった方が良かったように思った。
作品自体は良いものに思われたのですが。
その点で正直ちょっぴり期待外れ・・・。

広い本多劇場のため、やや散漫な印象を受けてしまった。
さらに「散漫」に感じさせられたのは、
演出も少々大雑把なところがあったのではないか?

異性人/静かに殺したい【ご来場ありがとうございました!】

異性人/静かに殺したい【ご来場ありがとうございました!】

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2012/03/08 (木) ~ 2012/03/12 (月)公演終了

満足度★★★★

【異性人】これも奇抜な着想
私としてはこちらの方が出来が良いかな、と思った。

これも、宇宙人が出てきて、エネルギーの補給とか、
1人で死んでしまうというのは、まあ勝手な設定で、
やはり奇抜な着想なのだが、
そこから起きる人間(含宇宙人)の愛憎や弱さの表出は、
上手いものだと感じた。好短編!

異性人/静かに殺したい【ご来場ありがとうございました!】

異性人/静かに殺したい【ご来場ありがとうございました!】

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2012/03/08 (木) ~ 2012/03/12 (月)公演終了

満足度★★★

【静かに殺したい】面白かったが、ちょっとくどいかな?
これも珍しい着想で、主人公の発想には理解できないのだが、
それでも興味深く観る者を惹きつける力があった。

ただ、「発想が理解できない」ところから、
ちょっと設定や台詞がくどいなあ、
そうやってわざと、トラブルが起きるようにしているなあ、
というのが見えてきてしまう辺りはちょっと残念。

この辺をうまく作れば秀作になったと思う。

ダム・ウェイター

ダム・ウェイター

Amrita Style

小劇場 楽園(東京都)

2012/03/09 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★

日本では観ることが少ないテイスト
標題でも書いたように、こういうお芝居って、
日本の劇団ではほとんど見せてくれないんじゃないかなあ?

色々な出来事はあるし、まあナンセンスでもあるのだが、
ある意味スマートで、洗練されているというか、
その辺が何より新鮮に感じられた。

ただ、逆に言えば、緊迫感あるシーンもあったものの、
それにしてはスッと終わってしまった感もあり、
欲を言えばそこは物足りないかなあ、という印象も。

でも、こういうテイストのものも、もっと上演されたらいいな、
観てみたいな、と思った。

ジレンマジレンマ

ジレンマジレンマ

ワンツーワークス

ザ・ポケット(東京都)

2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

構成が見事!
最初は何の話か分からない3つの話が、
関連性も不明瞭のまま展開していく。

しかし、次第にこれらが大震災の話であることや、
単なる震災の被害を訴えるというものでは無く、
誰でもが持っているであろう「人間の弱さ」を摘示したもので、
終わってみると、ずっしりと「見応えがあった」と感じられる好演であった。

ダンデライオン~飛龍伝より~

ダンデライオン~飛龍伝より~

ThreeQuarter

池袋GEKIBA(東京都)

2012/03/18 (日) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★

鶏チーム・・・う~ん、作品に入って行けなかった
絶叫調の多い「つか作品」は、私も苦手な方で、
「熱海…」くらいなら楽しめるのだが、
この作品も、(現代から見ればだが)学生たちの空理な主張が、
演劇自体をも空理なものに感じさせてしまって、
そのまま終わってしまったというのが、私の独断的感想でした。

Hobson's Choice -ホブソンの婿選び-

Hobson's Choice -ホブソンの婿選び-

無名塾

ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)

2012/03/17 (土) ~ 2012/03/24 (土)公演終了

満足度★★★★★

やっぱり面白い仲代!
久々の無名塾で期待して行きましたが、期待を裏切らない出来でした。
もちろん、仲代の台詞が長くて、
さすがにちょっとくどい気もしたり、
また、ある意味やはり彼の演技力によっているところが多いのかと思えたり、
その辺が少々気になったわけですが、
それでも「さすが!」と思わせる舞台を観せてくれました!

アンサータン・ストーリーズ

アンサータン・ストーリーズ

ゲンパビ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/02/23 (木) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

個人的には面白かった!
なぜ「個人的」かというと、
学生時代、経済学のゼミで、中谷巌さんの「マクロ経済学」を
テキストにしたのだが、なぜかそこに、
「巨人の星」の大リーグボールの話、
そこからさらに「不確定性原理」の話が余談で出ていて、
興味を持った私は、講談社ブルーバックスの「不確定性原理」まで読んだり、
ということで、遠き青春時代を思い出したりしたからです。

でもやっぱり、自分の将来が決まっているのかいないのか、
なんて話に興味はあったのだと思う。

そういう意味で、ちょっと理屈っぽいところが
私の好みに合っていたのも確かで、
個人的には面白く拝見しました。

ただ、やっぱり「作り物」的な台詞回しがあったりして、
そういう部分を好まない方もいると思うし、
それから、不確定性原理の解説のような部分が、
後半再び登場したのは、さすがにちょっとくどいかな、
と感じた次第。
この辺整理できれば、もっと締まってより良い作品になったような気がする。

ドン・ジョヴァンニ<演奏会形式>

ドン・ジョヴァンニ<演奏会形式>

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2012/04/03 (火) ~ 2012/04/03 (火)公演終了

満足度★★★

真面目な公演ではあったのだが…
演奏会形式で、かつ、カヴァー(控え)歌手による公演。
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000554_opera.html
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/pdf/20000554.pdf
「演奏会形式」と言っても、最近は、衣装を着けて、
簡単な舞台装置もあって、多少は振りもある演出が
多くなってきているように思うが、
この日は、わずかに、最終盤で、
ドン・ジョバンニが騎士長により地獄に引きずり込まれる場面以外は、
本当に「演奏会形式」であった。

皆さん、ある意味「真面目」に歌っているし、
それはそれで結構なのだが、終幕のように多少異色な場面があるとはいえ、
この曲は基本は「オペラ・ブッファ」で、
コミカルな要素がやはり重要と思われるのだが、
その辺が残念ながら今一つか、と感じた次第。

もっとも、そういう要素は、やはり振りがあって、
そして舞台上を動き回ることによって表出されるものかな、と思ったり、
また、そうであれば、この作品は、
演奏会形式で上演することは難しい部類なのかも、とも感じた。
(歌唱だけでドラマ性を表現できる粒ぞろいの歌手を集めれば別だろうが)

個人的に印象に残ったのは、
ドンナ・エルヴィーラを歌った佐藤康子で、
会場の反応も良かったと思う。
一方、ツェルリーナ役の鈴木愛美が、初めが特に硬い気がしたし、
この役独特の、女性の相反する二面性をもっと出してくれればなあ、
と思った次第。

最後に、オケは小規模な弦五部の他は、
ピアノとチェンバロ(指揮の石坂宏が弾く)だけで、
管楽器の音色が楽しめなかったのもちょっと残念であった。

なお、この日は台風並みの低気圧が来た日で、
帰りはちょっと難儀しました。。。

魚のいない水槽

魚のいない水槽

スポンジ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/03/23 (金) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

緻密な構成が素晴らしい
前回の裏窓も素晴らしかったので、今回も期待して行ったが、
期待を裏切らない素晴らしい内容と思った。

ただし、最初は具体的な内容が良く分からず、
不気味な雰囲気を漂わせるようなつくりのため、
好みは分かれるかもしれない。
(初心者「お薦め」にもしましたが、
もしかしたら感性が合わない方もいらっしゃるかも)

お店への嫌がらせ、ストーカー、過去の犯罪、
そして匿名性の強いチラシやネットでの誹謗中傷・・・と、
現代の社会病理とも言える素材を用い、
サスペンス的に、初めはモヤモヤしていた内容が、
次第に具体的になり、それは主人公の過去にも及ぶ。

こうした、観る者を惹きつけてやまない筋の運びも見事。

ネタバレBOX

「ネタばれ」でも、筋の詳細は書きません。
ぜひ生の舞台を見て下さい・・・ということにします。

ただ、最初は陰気な灰色(これも話を象徴しているとも言える)の壁面が、
紗幕により、奥の華やかな店内が見える作りも凝ったものです。
義経記

義経記

兎団

シアター風姿花伝(東京都)

2012/03/02 (金) ~ 2012/03/05 (月)公演終了

満足度★★

バラエティ番組のあまりウケないコントみたいで
義経伝ながら、衣装も現代服(それも普段着が多い)し、
台詞回しも「現代の若者」という感じで、まああまり上品な言葉ではない。

もちろん、その手法で、面白い作品ができるのならば、
それでもちろん良いと思う。
しかしながら、ずっと、義経の物語のパロディに終始している感じで、
なんか、テレビのバラエティ番組で、
時代ものをコント仕立てにして取り上げ、
しかも、そのコントで笑いがイマイチ取れないまま、
ダラダラ続いていく……正直、そんな印象だった。

コントやパロディに徹するなら、もっとインパクトがあって、
あるいはもっと客受けするネタを必死で考えないといけないのでは?
これでは「徹底検証」の触れ込みが泣くのでは?

時に、ちょっとシリアスな場面もあるのだが、
その場面の前後が上記のような感じだから、
こちらも気持が入り込めない。

そして、この芝居、2時間半の長丁場で、途中1回休憩があるという。
しかし、話はそのような内容だし、座布団付とはいえパイプ椅子で
座り心地も良くなく、若くない人間には結構苦痛。

休憩の時点で1時間半経過していた。
申し訳ないが、残りの1時間は観ないで帰ることにした。

最後に点数ですが、全部観て最後までこんな感じだったら☆1つだが、
途中で帰ったので、あるいは後半がもう少し面白くなった可能性も考えて、
☆2つにしました。

【公演終了!】グッドモーニング・マイ・ヴィーナス

【公演終了!】グッドモーニング・マイ・ヴィーナス

GAIA_crew

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/03/02 (金) ~ 2012/03/06 (火)公演終了

満足度★★★★

通俗的、でも面白かった!
通俗的、でも面白かった!

ストーリーは、やくざと、それに敵対する勢力と、
それに警察が登場するサスペンスもの。
しかし、彼らは実は主役ではなく、
主役と言えるのは、殺し屋に連れられている「女の子」と、
それに「情報屋」の青年卓馬。
いわば、典型的なサスペンスもので、さらにそこに人情話も加わる構成。

したがって、凝った内容を好む方には、
物足りなく感じられるかもしれないが、
あまりものを考えたくない時には、こういう芝居でハラハラしたり
ウルウルしたりするのも、また良いもの、と思う。

ネタバレBOX

この「女の子」が狙われているわけで、それを「情報屋」が助けるのだが、かばい方が甘かったり、懇願されたとはいえ、安易に外へ連れ出したり、
という辺り、筋の作りが、少々粗い気がした。
もちろんここから、スリルを帯びた展開になるわけだが、
逆に、スリルを呼ぶために安易な動きをする運びなのだな、
などと思うと、ちょっと興が覚める気も……。

ラストのどんでん返しは、ちょっと想像できないもので、
これは良かったと思う(ネタバレとしても書かない方が良いと思うので内緒)。
でも、その前の「姐さん」の逃走シーンはややイマイチだし、
「青い鳥」の台詞も、もっと効果的に使えなかったのかな?

その辺が若干不満だったので、☆4つにしました。
昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

王子小劇場(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかったのだが、しかし重い・・・
これまでの公演も、ドロドロ要素を含みながらも高水準のものだったので、
今回も期待して行きましたが、やはり素晴らしいものでした。

角田さんお得意の手法で、
ステージ上をいくつかのブロックに曖昧ながら分割して、
それらでは、初めは無関係のような別個の話が進行させて行き、
やがてそれらが絡み合って、求心力を高めていく・・・
これが今回も成功しており、印象深いものとなっていたと思います。

そして、(見た目さわやか美人の?)角田さんの
もう1つの持ち味(?)のドロドロ(まあエロとグロです)は、
今回は非常にグロの要素が強く、
しかも、実話が題材ということで、
正直「やりきれない」感も強く残りました。

根っからの犯罪者のような主人公が、
ねちねちと周囲をいじめて行く、
いや、いじめるなんて生易しいものではないのですが、
そのやり口には嫌悪感や恐怖を覚えますし、
気が弱かったり、こういう世界が苦手な方だと、
本当に気分が悪くなってしまうかも。
そういう意味では本当に重い作品です。

そういうわけで、決して万人向けな作品ではないし、
「好み」は大きく分かれるところでしょうが、
例えば「サロメ」が(好みはともかく)芸術作品として認められているように、
この作品も、取り上げられた内容は相当ショッキングなものながら、
しかし、単なるワイドショー的伝達ではなくて、
芸術として表現されるべきものはしっかり表現されていたと思います。

ということで、角田さんの緻密な構成力と、
ドロドロの素材を用いながらも、そこから一段高い世界を創造していく力に、
今後も期待していきたいと思っています。

トリツカレ男

トリツカレ男

演劇集団キャラメルボックス

赤坂ACTシアター(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★★

物語に入って行けなくて・・・
久々のキャラメルボックスで、
サービス精神と、分かりやすさと、
それでいて質の高い内容の演劇が見られるのではと、
それなりに期待していきました。

ただ、このお話、再演だそうですが、
(私は今回初めてでしたが)
物語がある意味荒唐無稽なもので、
しかし、演劇の作りはリアリスティックだったので、
正直、演劇のなかに没入できず、
結局冷やかに見ているままで終わってしまった・・・のがちょっと残念。

「そこまでやるかなあ?」「それはありえないでしょう・・・」みたいな。

これは私の勝手な「感じ方」と、それに基づく「考え」ですが、
ファンタジー的な(やや抽象的・象徴的な)表現にして、
話には少々矛盾があっても、
「雰囲気」で何かを観る者に伝えていくか、
それとも(ベタとも言われようが)リアリティーある感動的な話を作っていくか、
どちらかにした方が良いような気がしました。

今後への期待を込めて、少々辛口の投稿でした。。。

それでも、終演後に役者が客席に分け入って、
記念品を配っていくあたりの再ービス精神は中々のものです。

レイプの夜

レイプの夜

コマツ企画

小劇場 楽園(東京都)

2012/02/22 (水) ~ 2012/02/29 (水)公演終了

満足度★★

着想は面白かったが・・・
題名のとおり、冒頭、いきなりレイプシーンから始まる。
なので、悲しいお話が続いていくのかと思っていたら・・・、

ネタバレBOX

・・・(すでに他の方も御報告されている通り)
レイプストーリーのパロディというか、
喜劇仕立てだった。

そういう着想自体はとても面白いのだが、
では喜劇として成功していたかと言えば、
私的にはイマイチだった気がする。

すべっていた台詞も多かったし、
同じセリフの繰り返しも多く、くどく感じてしまった。

これは、観客に、すぐに「喜劇」と分からせないように、
サスペンス的趣向をも取り入れたのかな?
という気もしたのだが、そのためどっちつかずになってしまったと思う。

それから、役者の立ち位置など、演出面でももう一工夫あればと思った。

まあでも、ラストのどんでん返しはなかなかです!
それはネタバレとしても、うっかり読んで知ってしまうと、
興味半減となるので秘しておきます。
「Bouquet」

「Bouquet」

劇団だるま座

アトリエだるま座(東京都)

2012/02/10 (金) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑いと涙(ホロリと笑い過ぎで)と
明日(今日か?)まで公演なので、あまり筋を話してしまうと、
観る方の興を削いでしまうかもしれないので、
詳しくは申しません。

でも、完売らしいですが、秀逸です。お勧めです。
シェフの長台詞など、あまりにおかしくて、
笑い過ぎて涙が止まりませんでした。
(強いて言えば、このシーンが早く来てしまうのがちょっと残念。
結婚式だからしょうがないのかもしれないが)

そして、最後はホロリとさせてくれるし、
途中から、「本当にあの二人は結婚する」
ような錯覚に陥ってしまいました。

おどろきもものき桃の木荘

おどろきもものき桃の木荘

CAPTAIN CHIMPANZEE

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/02/02 (木) ~ 2012/02/06 (月)公演終了

満足度★★★★

対立軸の面白さ
中央政府と田舎、
現代の割り切った実利社会と、その反面のオカルトブーム、
さらに古代の伝説と、そしてある意味全く変わらない人間の性(さが)、
こういう対立軸の中で、風刺を効かせながら、
ある意味コミカルに、またしんみりと表現されていく。

歌舞伎や文楽にも動物が出てくるものがいくつかあり、
変化(へんげ)を使うものもありますが、
みんな純粋で、人間以上に尊く感じられるものが多い。

そんなことを感じながら、楽しく拝見しました。

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