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もちこ
「燈籠」、母親役で出演していた者です。 こうやって書いて頂くことが、本当に励みになります。 背中を押された思いで、思わずコメントしてしまいました。 ありがとうございました! 木村ブログ=http://blog.goo.ne.jp/ana23132 今は毎日の公演の話を。終わってからは、公演や稽古のときのウラ話を書いたりしています。 よければ、こちらにも遊びにおいで下さい。
2010/10/05 22:32
吉田小夏
きょうこさんへ> 応援のコメント、ありがとうございました。 素直にとっても嬉しく、またひどく励まされました。 コンペの競い合いは、正直なところ自分には大変プレッシャーでもあり、自分のように粛々と地味に作品作りをやってきたものにとっては、きょうこさんのように新たに興味を持ってくださる方がおひとりでも増えることが、なによりのご褒美になります。 気にいっいただけて、嬉しかった! 貴重な一票をいただき、ありがとうございました。 ***ここからは、ネタバレです**** さて、3つの作品をリンクしたきっかけについてのお話です。 今回の演劇化にあたり、私はお気に入りの短編集『女生徒』のことをまっさきに思いだしました。 つまり、女性独白体の短編をとりあげることが、まず最初に固まったプランでした。 短編集『女生徒』には、沢山の独白体短編が入っているのですが、その中で私が一番、吉田小夏の劇世界に近く(家庭というコミ二ティの描き方、人間の営みの慎ましさとその中で、ふと現れる女の凄み。日常からの飛躍など。)、かつ演劇化に向いていると思ったのが『燈籠』でありました。 他に『待つ』、『葉桜と魔笛』『女生徒』も大好きで、これらが特におきにいりでした。 ただ『女生徒』は、自分には少し長く感じて重層的にするよりひとり芝居に向くように思いましたので、今回は、はずしました。 『待つ』は、かなり現代に繋がるように思いました。 現代人に繋がる社会との離脱感や若い女性の感受性の描き方の普遍性が面白く思いましたが、それ一本では演劇化するのに短く、オリジナルエピソードが増えすぎるように思いました。 また、今回は和装などを入れてわざと100年前の世界を前提に、最終的に現代に結び付けることに主眼をおいていましたので、設定自体を最初から現代に置き換えることには興味がありませんでした。 そこで、『燈籠』の一家の登場人物のひとりとして、『待つ』の女主人公を創作し直しました。 『葉桜と魔笛』は、きょうこさんと一緒で私も特に心奪われる作品で大好きですが、小説ではなく演劇化したときには、ファンタジックでだいぶガーリーになってしまう危険性を感じていました。 そこで、登場人物の作品としての構造をととることで、劇中劇のように思う存分フィクションで幻想的な演出をできるようにいたしました。 また、太宰が『女生徒』や『斜陽』を書く際に、実在の女性の日記を読んで大きな参考にしていたというエピソードを取り入れることで、ファンタジーだけに終わらない苦味を添加したいと思いました。 太宰と斜陽のモデルとなった女性の関係は、いち女性として、とてもドキリとするかつなんだか胸にひっかかるエピソードで大変印象的だったのです。 この3編をひとつの世界に結び付ける時、『燈籠』は、私にとっては基盤とするのにとても向いた作品でした。 原作では、主人公の咲子は妹などがいたら違ったはず・・と呟いています。 それには反する創作になりますが、私の咲子への救いとして病床の妹を足し、咲子の人間像に膨らみと親しみやすさと出してみたいと思いました。 優しいお姉ちゃんなのに、恋に狂う。頼りがいある叔母様なのに恋に狂う、など、人間の多面性を盛り込みたかったのです。 また、『燈籠』のシーンで妹の夢子がエピソードでしか出てこないようにしたのは、『葉桜と魔笛』のシーンに出てくる妹の虚構性を保ちたかったからです。 ご指摘のように、この3編のブリッジのアイディアのきっかけとなったのは、『燈籠』『葉桜と魔笛』に、それぞれ葉桜というキーワードが入っていたことが着想です。 私、この作品以前に、葉桜の姿も、葉桜という言葉も好きなので、今回のビジュアルのキーアイテムとしました。 一番翻案創作の自由度が高かった『待つ』の中に、私個人のイメージで書いた、太宰とその情人のエピソードを折り込んで、原文の言葉を多めに取り込んだ『燈籠』と『葉桜と魔笛』で前後をくるむような構成になっております。 ご質問、ありがとうございました。
2010/10/05 14:51
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