芸劇eyes番外編『20年安泰。』(各回当日券発売有り)
東京芸術劇場
水天宮ピット・大スタジオ(東京都)
2011/06/24 (金) ~ 2011/06/27 (月)公演終了
満足度★★★
「今」を感じる作品たち
ロロ以外はすべて初見の劇団でした。どれも一度観てみたいと気になっていた団体だったので、これはおトクだなと思っての観劇。チケットが即完売だったようで、注目度の高さも伺えます。
内容は時間と空間の制約がある中で、どの団体も表現に工夫しているのがわかりました。しかし30分足らずの持ち時間ではひとつの完結した物語を見せるというよりは、劇団の紹介になってしまっていたのが残念だったかも。本公演を観に行きたいという動機にはなったので、企画としては成功なのかしら。
この企画は継続することに意義があると思うので、是非、続けて欲しいと思います。
幽霊たち
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2011/06/14 (火) ~ 2011/07/03 (日)公演終了
満足度★★★★
悪い夢
シュールな絵画のような舞台装置と衣装、計算されつくした一分の隙もない緻密な演出は流石としか言いようがない。
人と人との境界線が危うくなり自我が崩壊する様は、熱に浮かされたときに見る悪夢のようだ。
確率論 【コロブチカ「2」は、6/28~7/3@SPACE雑遊にて】
岡田あがさ×須貝英
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2011/06/21 (火) ~ 2011/06/26 (日)公演終了
満足度★★★
あなたと出会う確率
二人芝居、椅子だけの空間なのにとても濃密な時間が流れていました。
人と人が出会い、心を通わせることは偶然なのか?必然なのか?…そんなことを考えました。今日この日、わたしが『確率論』を観たことさえも。
劇中の確率エピソードがとても興味深く、ストーリーが刺激的になっていたと思います。理系な演劇ってところが面白いですね。
アフタートークで岡田あがささんが須貝さんのことを「色気がある俳優」と評していたけれど、すごく納得。抑えた演技の中でちょっとした仕草に色気を感じました。この感じ、これは女性にしかわからないかも。
「水平線の歩き方」「ヒア・カムズ・ザ・サン」
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2011/06/02 (木) ~ 2011/06/19 (日)公演終了
IN HER TWENTIES
TOKYO PLAYERS COLLECTION
王子小劇場(東京都)
2011/05/31 (火) ~ 2011/06/05 (日)公演終了
満足度★★★★
明日の私が今日の私を応援してる。
演劇でしか表現しえない手法にチャレンジしていることを感じました。10人の女優で表現する一人の女性の10年は、人間の多面性をも表現していて、違和感を払拭してくれたと思います。
私はとっくに20代は終えているので、優しい大人目線で観てしまいますが、ラスト、29歳の私が20歳の私に語る言葉は切なくて心が痛みました。自分を大切にするってこういうことなのか。
これ、男性はどんな感想なんでしょうかね?
グンナイ
万能グローブ ガラパゴスダイナモス
イムズホール(福岡県)
2011/05/28 (土) ~ 2011/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★
客席との一体感
初観劇でした。場内は満席で、開演前からお客さんの熱さ、期待感を実感しました。
内容はコメディと聞いていたので、安心してテンポのよい笑いに身を任せていたのですが、ラストに向かっての展開には驚きました。同じ時間を共有していたはずなのに、時が経ち大人になって道が分かれてしまうことの切なさを感じます。大切な思い出はひとつなのにね。
演者の皆さんの身体能力の高さにも驚きました。
終演後の生コメンタリーに至るまで、とにかくお客さんを楽しませようという姿勢が感じられてとても良かったです。
DUST CHUTE UTOPIA
PLAT-formance
タイニイアリス(東京都)
2011/05/19 (木) ~ 2011/05/23 (月)公演終了
満足度★★★★
女の子って…カワイイよね
今回はプロデュース公演ということで、女性キャストも含めどうなるのかと期待の観劇でした。自らをコントユニットと名乗りながら、コントの域を軽く越えていくのが頼もしい。登場人物はみんなカワイイ愛されキャラで、お客さんの笑いをさらっていくのだ。特に女性キャラはみんなカワイくて、毒があって魅力的!
出演者が自由に遊んだり飛び回る中、メンバーの二人が物語の根幹をしっかり支えていて、安心感がありました。
オチにシニカルな展開を織り交ぜつつ、時間と空間を飛び越えてまとめ上げた緻密な構成にシビれました。
珍しい凡人
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2011/05/04 (水) ~ 2011/05/11 (水)公演終了
満足度★★★★★
やっかいで愚かな凡人
この世の中には、ごくごく一部の「特別な人」を除いて、あらゆる人たちが凡人なわけです。凡人は、凡人だから、ごく普通に暮らす、でもちょっと特別なことにあこがれる。でも凡人だから上手くいかないし、誰かのせいや社会のシステムのせいにしたりしてもがき苦しむ。
この戯曲の中で起こることは、とても特別なように見えて、鏡を見ているようだ。とてもやっかいなものを見せられた気がする。愚かで弱くて逞しい、私のような、あなたのような、凡人たちの物語。
場面転換のポップな演出がカッコよくてシビれました。
『そこで、ガムを噛めィ!』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
テアトルBONBON(東京都)
2011/04/26 (火) ~ 2011/05/01 (日)公演終了
満足度★★★
とにかく、コメディ。
間違いなく「草野球コメディ」。あまりの直球ぶりに感動。とにかくコメディにこだわり、コメディを貫く潔さを感じます。
1シチュエーションかと思いきや大胆な場面転換があり、後半の野球シーンは1試合全てを見せる演出で、野球愛も感じられました。
直球コメディを見せる劇団は最近あまりないように思えるので、頑張ってほしいです。
グラデーションの夜 《群青の夜》 《黒の夜》 《桃色の夜》
KAKUTA
アトリエヘリコプター(東京都)
2011/04/13 (水) ~ 2011/05/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
3色とも観ました!
朗読と俳優の演技のバランスが絶妙で、ページをめくる手が止まらず夢中に読み進める読書の時間のよう。私にはとても心地よいテンポに感じました。
イラストや写真や音楽とのコラボレーションで各色の特色を出しながらも一つの物語としての統一感もあり、各作品のセレクトと構成力の素晴らしさに感心しました。
最後の桃色で完結する物語になっており、そのダイナミックな構成から、最後はあふれ来る感動の波が押し寄せてきて涙が止まりませんでした。3つとも観ることができてよかった!
裸の女を持つ男
クロムモリブデン
シアタートラム(東京都)
2011/04/16 (土) ~ 2011/04/24 (日)公演終了
満足度★★★★
悪の華。
作品のモチーフになっている二つの事件を観客全員と共有できる感覚がリアルで恐ろしい。登場人物は全員が良いところが一つもなく、醜悪極まりないのに嫌な感じがしないのは、ポップな演出と演者の力だろう。ラストシーンへ向けてのジェットコースター的展開も心地よく感じる程だ。
湯煙の頃に君を想う 舞台写真UPしました!!!
ホチキス
テアトルBONBON(東京都)
2011/04/13 (水) ~ 2011/04/19 (火)公演終了
満足度★★★
徹底的に、火サス。
今はなき火曜サスペンス劇場のお約束をパロディにしながら、主題は別のストーリーが展開していく構成は良かったと思います。でも、その構成に縛られてしまったために、ドラマが薄くなってしまった感もあったのでは?
小玉さんと、客演の村上さんがいい意味で飛び道具になっていて、よかったです。
パラリンピックレコード
北京蝶々
シアタートラム(東京都)
2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★
未来の東京
どこからをマイノリティとして線引きするのか?彼らは守られる存在なのか?理解できないものとして排除される存在なのか? 架空の未来のイシハラ都知事なる人物が登場していたり、かなり痛烈な批判が込められたテーマだったと思います。実際、未来の東京が劇中のような社会になってしまう可能性もないとは言えない社会情勢なわけですし。
様々な劇団の役者が大勢出演されていたので豪華な感じがしましたが、各々のポジションが散漫な印象になってしまったのが残念でした。トラムの空間の広さのせいかもしれません。
15 Minutes Made TOUR
Mrs.fictions
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2011/04/07 (木) ~ 2011/04/10 (日)公演終了
満足度★★★★
万国博覧会
6つの劇団が各々のお国自慢を見せ合う万博みたいな企画ですね。観る側からするとお得感も満載で本当に楽しい。
ミジンコターボ→競泳水着の流れでグッとつかまれて、最後まで集中して見ることができました。どの劇団も本当に素晴らしい! 関西の劇団を観ることができたのも大きな収穫。
これから大阪公演へ行かれるそうですが、関西の人たちに東京の劇団を見ていただくことができるのも非常に有意義。頑張ってきてください!
サザンカの見える窓のある部屋
カムヰヤッセン
小劇場 楽園(東京都)
2011/03/03 (木) ~ 2011/03/06 (日)公演終了
満足度★★★
柔らかな記憶
初カムヰヤッセンでした。
近未来SF風味が意外に感じましたが、それがメインなのではなく、登場人物の気持ちを追うための一要素として上手く組み込まれていたので良かったです。
クライマックス部分、私は展開が読めてしまったのですが、人の記憶というものがいかに大切で曖昧で柔らかく暖かいものであることが伝わってきました。
ローヤの休日
ゲキバカ
王子小劇場(東京都)
2011/03/16 (水) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
満足度★★★★
ゲキバカ&セクシー!
ゲキバカの名に違わぬゲキバカぶりでした。
男性バージョンを拝見したのですが、めくるめく展開、ショウアップされたキレのあるダンスで飽きることなくラストの展開まで連れて行ってもらえました。
角度によっては、観たい表情が見られなかったのが少し残念。その分、背中で演技されていたのが伝わってきましたが。
女囚バージョンも観たかったなぁ。
ネズミ狩り
劇団チャリT企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2011/03/03 (木) ~ 2011/03/13 (日)公演終了
満足度★★★★
もし、私だったら…?
日本の裁判制度、死刑制度、犯罪被害者の気持ちの行方、加害者になったら…?現代社会で度々問題になりながら、決して安易に答えの出せない問題を扱いながらエンターテイメントとしてまとめるバランス感は良かったです。
登場人物一人ひとりがステレオタイプながらも、いつ自分が当事者になってしまうかわからない危うさがよく伝わってきました。
是非また再演して欲しい作品です。
夏への扉
演劇集団キャラメルボックス
ル テアトル銀座 by PARCO(東京都)
2011/03/05 (土) ~ 2011/03/27 (日)公演終了
「したごころ、」【満員御礼!千秋楽を無事迎えることが出来ました!】
エビス駅前バープロデュース
エビス駅前バー(東京都)
2011/02/25 (金) ~ 2011/03/20 (日)公演終了
満足度★★★★
気持ちよく、ほろ酔い。
一歩中に入ったら、そこはバー(当たり前だけど)。バーで起こる様々な出来事を同じ空間で参加できる臨場感、一体感は、この会場ならでは。気持ちよく、お酒が進んでしまいました。
お芝居も構成もしっかりできているので、あっという間の1時間でした。
是非、このような企画は続けていって欲しいと思います。会社帰りに一杯やりながら素敵なお芝居が観られるなんて、とても贅沢ですもの。
櫻井さん
MCR
駅前劇場(東京都)
2011/02/23 (水) ~ 2011/02/28 (月)公演終了
満足度★★★
生きづらい。
始め、ヌルっとゆるくはじまって、どんどん息苦しくなる感じ。今ってこんなに生きづらい世界なのかなぁ。そうかもなぁ。…と思っていたら衝撃のラスト。
誰も彼も、生きていることで誰かと影響し合う存在。
きっと、私もそうなのだ。