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家の内臓【作・演出 前田司郎】

家の内臓【作・演出 前田司郎】

アル☆カンパニー

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2010/05/21 (金) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★

客が悪い
前田司郎さんの芝居は初めて観たのですが、やはり青年団の系列らしく、日常の言葉での雑談が中心でした。
この手の駄弁る劇の魅力は、クスリと笑ってしまう面白さや、細かく繊細な台詞と役者の動作から伝わるイメージだと思うのですが、それが感じられませんでした。
その原因は芝居のぬるぬるした雰囲気についていけなかったこともありますが、それ以上に周囲の客のせいで劇の雰囲気を拒絶したくなったからだと思います。

役者が一言喋るだけで大爆笑するような人がいるのはとても不快です。
それも大笑いを狙っているわけでも、なんでもないところでです。
どうやらその客は出演していた役者の知り合いのようでした。
サクラなのか、気を遣っているのか知りませんが、あまりにひどいです。
芝居の客層に演劇関係者が多いのは分かりますが、内輪で馴れ合う雰囲気を放出して良いわけがありません。

作品そのものは内輪受けを狙っているわけではないので、製作側に罪はありませんが、劇は作る側と観る側の両方の人間で作られるため、低い評価を付けさせていただきました。

アメリカン家族

アメリカン家族

ゴジゲン

吉祥寺シアター(東京都)

2010/04/29 (木) ~ 2010/05/02 (日)公演終了

満足度★★

勢いはある芝居
周りの観客が満足そうなのがよく分からなかった。多分対象層の外だったのだろう。

舞台の美術や使い方に関して言えば、星4以上の評価をあげたい。
無駄なスペースがないし、仕掛けが凝っていて面白かった。
また動きや台詞のタイミングなどもばっちりで、役者たちが相当稽古をしたことは伝わってきた。

しかし、評価を星2にしたくなる理由がいくつかあった。
以下ネタばれ欄にて

ネタバレBOX

話の中身が全体的に「雑」だと思う。

話の焦点を意図的に合わせていないのは分かる。
細かいエピソードを雑然と積み重ね、一つのはっきりした問題や答えを見せないようにするのはいいと思う。
だが「よく分からない雑然としたこと」を表現することで、何を感じて欲しいのかが伝わってこない。
あれでは、「何かおかしい家族が来客を追っ払うために暴れた」ことしか分からない。
せめて、三男からの視点に統一するなど、話を整理する優しさがあっても悪くないと思う。

また、台詞や行動の描写があまりにも雑だと感じた。
台詞が粗いところは大声で叫び、「勢いがある」ことにして誤魔化しているようにしか見えなかった。
特に前半の長女の夫や次男の友人がやってくる場面などは、役者が突拍子もない台詞についていけなくて、大声で誤魔化しているようにしか見えない。
更に、行動の動機や原因にも納得できないところがいくつもある。
各々の行動の理由や原因が、舞台の中からだけでは想像できないのだ。
「誕生会のルールへの固執」「異常なまでの母親への依存」などは、どうもしっくりこない。
何故そこまで母親中心なのか、原因を想像するためのヒントが欲しいのに、完璧に投げられていた。
異文化を描くときはもう少し丁寧に異文化圏に観客を導いて欲しい。
後半の狂気が混じってくる場面は良かったのに、前半の土台作りのところで完璧に心が離れてしまった。

それと、回数は少なかったが、役者をスベらせて笑いをとるのが気に食わない。
初めて来る客にとって、名前も知らない役者がスベって笑われていても全く面白くない。
それどころか内輪だけで楽しんでいるように見えてとても印象が悪い。


と、これら3つの点から初ゴジゲンの芝居は楽しむことができなかった。
面白いと思える場面はいくつかあったが、マイナス要素があまりにも多かった。

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