創作オペラ ザ・ラストクィーン〜朝鮮王朝最後の皇太子妃〜
CALAF
新国立劇場 中劇場(東京都)
2015/09/27 (日) ~ 2015/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
異色のオペラ 再々演を望む
芸術祭参加公演ということで、知人と観に来た。実在の女性・李方子をモデルにした物語で、登場人物がほぼ一人のモノオペラ形式。予備知識なく観たが、最後は感動した。1919年頃、日本に連れてこられた朝鮮の王子に嫁ぎ、最後は彼の地の恵まれない子供達を助けていく女性の物語である。梨本宮という立派な家柄に生まれたが故の運命のなかで、また、戦争が続く激動の時代に、異国の妻となって強く生きていくのはさぞ大変だったろう。印象的なアリアが後半に2曲あった。「守るのも私戦うのも私」。自分のなかに、ジワッと勇気が湧いてくるのがわかる。もう一つのアリア「私は生きて行く」。まわりですすり泣きする声が聞こえる。最後に実際の李方子の葬儀映像とともに終曲のアリアが歌われる。パンフレットには主役の田月仙の情熱で作られたと書かれていたが、迫真の歌声に圧倒された。夫役のダンサー、それに照明も良かかった。再演を望む。