満足度★★★★
【C3PO班】観劇
ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん、まこっているって何ですのん。
ネタバレBOX
経済ヤクザの娘が、不治の病と記憶障害で職を辞した元熱血先生と一緒になって、人生に挫折してホームレスになった人たちに喝を入れて立ち直らせるとともに、自らも自立する話。
初心を忘れてこんな状態になった人たちに向けての言葉だったので何となく意味は通じましたが、検索したらまこるって無気力って意味らしいです。
娘の声も大きかったですが、探偵の奥さんの声がでかかったですね。鼓膜が震えました。
ヤクザの親分といっても子分のチンピラが登場するわけでもなく、表向きは会社の社長ということでしたので、それならばヤクザという属性を外してほしかったです。ヤクザに協力することは暴力団排除条例に抵触します。探偵事務所自体が反社会勢力の関係者ということでは本来の熱い話が変な方向に向かってしまうと思います。
満足度★★★★
理不尽、イラッ
しかして、コップの中の嵐に過ぎず。
ネタバレBOX
12年間新作が作れない引きこもり気味の自主映画作家が、若手自主映画作家や小劇場系のマイナーな女優たちと話が噛み合わず理不尽な対応をされる話。
失礼ながら、傍から見ると何の展望があって続けているのだろうと思うくらいの自主映画制作という物凄く狭い世界の話を面白く描いていました。映画制作者がそうならば、売れない女優も詐欺師のようなクソ女でした。
ホームグラウンドの南美櫻さんはいつにも増して甲高く満足しました。可愛い女性から嘘ついたよねと、一つの嘘を発端にあんな風に責め立てられると、祥吉さんじゃなくてもやり込められてしまいますね。
満足度★★★
聞いてない
打ち合わせしてよねって。
ネタバレBOX
番組を面白くしろと脅迫を受けた生放送のクイズ番組の話。
聞きそびれたのかもしれませんが、フロアディレクターから具体的に爆弾という言葉がなかったにも拘らず解答者の作家が爆弾が仕掛けられていると言ったような気がしました。
解答する順番を変えるとかは普段から会議で話し合ってよねって思います。答を知っている作家が一番最初に答えるのではそりゃ面白くないと思います。
全てはプロデューサーの虚言だったとは。会議で話し合ったり、打ち合わせすべきことなのに、職場放棄も甚だしく失格です。
生放送の見学者には事前に知らせてあって仕掛け人の一部ですみたいな台詞がありましたが、少なくとも私は聞いていませんでした。それならば、爆弾が仕掛けられているという台詞がありますが心配しないでくださいと、お芝居の前説でさりげなく言っておけば、後にお芝居の観客も見学者としていたずらに加担していたのだと後悔させられることになり、作演として、してやったりとなったのではないでしょうか。
満足度★★★★★
素晴らしい!
ジーンと来ました。
ネタバレBOX
卒業の二年後にアントン・レーモンドが建築した旧体育館が解体されるという歴史の一ページを担った女子大生九人の、女子大に入学してから卒業するまでの友情、交友を描いた話。2011年初演。
息吹、敬虔、奔放、哲学、癇癪、沈黙、平穏、飴玉、○○の九人。○○は途中で歌声かなと思うシーンもありましたが、基本私なのだと思います。
平穏は旧体育館そのもののようでもありました。旧体育館は戦前マルクス運動で逮捕された女子大生がいたことを覚えていました。そして、哲学は旧体育館の論文を書き上げ、解体反対運動も起きました。
ラストで、それぞれが卒業後の進路を独白するシーンがあり、90過ぎのときには南極の氷が溶けているとか、癇癪は20、30歳代で相手を愛するあまり傷害事件を起こしたものの、それでもその人と結婚して幸せになりましたとか色々あって、その中の一人の息吹が20代で交通事故で死にましたというのがありました。
一生懸命努力してせっかく地元の市役所に就職したのに何て可哀想な、ご両親の気持ちを考えるといたたまれない気持ちになり、そして、2013年に学習院女子大で演じられた『女子大生100年日記』にも戦前の女子大生が卒業後しばらくして亡くなったという話があったことを思い出し、作品的にはこちらの方が早かったのだと分かるとともに、女子大生を早死させるのはお涙頂戴にもってこいというか、何と私は女子大生に弱いのかというか、作り込みが少しあざといなという感じがしました。
と思いましたが、彼女たちは卒業したばかりです。南極の氷の話も含めて、なんちゃって、将来のことは勝手な妄想でした。ああ良かったとホッとしました。お茶目ッ。
コーヒーと何々とか、パソコンと何々とか、それぞれの一日のエネルーギー源となる朝食の件もお洒落で印象的でした。
何十年も前に一度だけ学園祭か何かで門の中に入ったことのある東女。その頃は旧体育館があったかと思うととにかく懐かしく、女子大生の学生生活を眺めるにつけジーンと涙が滲んできました。戦前の話も聞くことができました。2009年に旧体育館は解体されました。東京女子大に歴史ありです。
満足度★★★★
人の数だけ
盛り込み過ぎのような気がしました。
ネタバレBOX
堀内氏という農民の農法を慕い始まった週末農業グループ実りの人たちに、畑のある地元の人たちが絡んだ群像劇。ですが、初っ端舞台上には本当にスキンヘッドの僧侶らしき人がいて、一体何の話が始まるのかと思わせる演出でした。
彼らは住職の判断で農業も修行の一つとして実りに協力している禅寺の修行僧たちでしたが、週末農業グループの話だけではもたないと言わんばかりです。全ての集団に何かしらの問題が内包されているのは分かりますが、離婚問題、大人の発達障害、恋愛問題、農業の方向性、職業意識、リストラ問題などを盛り込めるだけ盛り込んでストーリーを作らないといけないと強迫観念に駆られて脚本を書いたように思えて仕方ありませんでした。
お芝居ですから様々な問題を作って人物を絡み合わせるのは当たり前なのですが、ちょっとわざとらしく感じました。定点観測的に淡々と描く場合もあれば、徹底的に作り込む場合もあるのでしょうが、塩梅が難しいと思いました。
スーパーのライフのレジ袋には居住地のリアリティがありました。
満足度★★★★
サラサラ、ドロドロ
真剣に譚に取り組んでいるという感じでした。
ネタバレBOX
結果的に、30年振りにヨーロッパから日本の寒村に新しい妻を娶るためにやって来た女吸血鬼の話。
多くの女性と歌で始まり宝塚風かと思いましたが、すぐに男性が登場してそれは違いました。それにしても、とにかく女吸血鬼役の大畠奈菜子さんがキリッとしていて黒いプリキュアみたいで本当にカッコよかったです。
リストカッターかと思ったら吸血鬼に血を与えていたとは凄い設定でした。久し振りに血糊ドバッも見ることができ新鮮でした。ちょっとサラサラでしたが。
満足度★★★★
独りよがりで
ぶっ飛んだ人々が多く面白い。
ネタバレBOX
短編が3編、90分。
『暴走しなければ恋愛じゃない』 愛する女性のためには殺人も辞さないようなぶっ飛んだ男が結婚の許しを乞いに行ってからの大騒動。
周りもロリコンなどの極端な人がいたり、今愛する人のためにということであっと驚く殺人があったりで、最後は処女性を尊ぶあまり矛盾が生じましたとさ。
『恋愛恐怖症』 原作は岸田國士。男に別の男が、昨日ここで君と一緒にいた女が今自分の家にいて、さらに結婚したと話し始め、驚く男に何か良く分かりませんでしたが、延々と話し続ける話。
『修羅羅羅場』 16歳からの居候のプロで10又をしていた男が10人の女性の前で悪行をばらされ、一人の女に住まわせてもらっていた部屋から追い出され、夜露を凌ごうとそれぞれの家をもう一度訪ね歩いて散々な目に遭う話。
ラストシーンの女とのインターフォン越しの対話は軽い男にしては深い話だったのかもしれませんが、良く分かりませんでした。
アフタートークで、綾門さんが落語家を志望したこともあったような話がありましたが、それで一人喋りが長くなると別世界に飛ばされてしまい、内容把握がおろそかになるのだと得心しました。
満足度★★★★
非日常的日常
綺麗に収まり過ぎたかなという感じがしました。
ネタバレBOX
古民家に若い女性が移住してきた、何年振りかで妹が帰省してきた、そんな頃のとある寒村におけるどこにでもあるような日常とちょっと謎めいた日常、それに迷信めいた逸話が絡んだ話。
地蔵堂の裏道は通らないでという台詞と、舞台が一瞬暗くなる異様さに、何かおどろおどろしいことが起こりそうな雰囲気が漂い期待しました。地蔵堂の裏道の先には70メートルの絶壁があり、自殺の名所となっていて死体が発見されると役場の職員が対処するとのことで、正式な処置と村の因習的な処置があるのかと思いましたが、そんなことはありませんでした。
舞台が一瞬暗くなったときには、扉が開閉される音が聞こえる人には聞こえるとのことで、扉が閉まる音が聞こえた人は死ぬという噂話があるとのことでした。こちらの方は何となく含みを残しましたが、全体として綺麗に収まったという感じで終わりました。
満足度★★★★★
山高ければ
私にも前途洋洋などと言っていた頃があったことを思い出しました。
ネタバレBOX
北川大輔のこれまでの生き様を、神童だった少年が大人になって挫折して自殺するヘルマン・ヘッセ「車輪の下」と重ね合わせた作品。
自分のことだからカッコつけてる面があるような表現もありましたが、結構素直に受け止めました。小学生時代の自分より頭の悪かった同級生が結婚して住宅ローンを組んで自宅を構えている勇姿にガーンと来たのを見て色々考えるだろうなと思いました。
山本コウタローのことを考えます。就職せずに、ゼミの先生に倣って夫婦別姓を通していた彼は、商事や物産に就職した友人が中堅サラリーマンになった頃どう思っていたでしょうか。後悔したでしょうか。でも全員が社長になったわけでもなく、みんなが定年になった頃の今、白鴎大学のCMで彼が先生をしていることを知りました。
ラスト近くで北川さんが30前と聞き、若いーっと思い、そして30歳の頃が同年代のサラリーマンと一番差がついている年代で、演劇人が一度は通るのかもしれない30の壁を前にして、演劇を続けるかどうかを考えたことが分かりました。山高ければ谷深し、頭が良かっただけに悩みが深刻だったのだと思います。
満足度★★★★★
ゆる系
およそ70分、ああ面白い!
ネタバレBOX
ショートコント的起承転結四幕構成による高尾山にまつわる話。
『クマ』 高尾山で遭難して遭遇したクマに相撲で勝ったと思ったら打ちどころが悪く死んでしまい、実は友達が誕生日サプライとして用意してくれた着ぐるみだったと知り、殺人はまずいとインドに亡命という名の逃走を図る女性の話。
『ムーブメント』 ハロインの仮装を楽しもうと高尾山口に集まった女たちの流行は狂女かアナ雪が多いらしいとか。
『ダイオウイカ』 名前のない女性が裏サイトを見て応募した先は高尾山で山賊を始めようとするクズ女の家でしたが、育ての親のダイオウイカが助けに来てくれました。
『わざと食べられる』 山賊に襲われた女性たちが逃げ込んだ先は狂女の仮装をした女の成れの果ての山姥の家で、山姥に食われそうになったときに、インドに逃走していた友人が帰って来て、そのインドでは人口問題を解決するために人間が小型化されているそうで、小型になった友人が山賊の胃の中に入って懲らしめ、さらには、女性たちも罹り、世界中に蔓延している三日咳という不治の病は細菌のような大きさになったインド人たちが肺の中で悪さをしているのが原因ということで、山姥を倒した後でインド人たちをボコボコにしてあげるよって、ああこれで死なずに済むというハッピーエンドな話。
基本、ゆる系棒立ち系。全てが繋がり、楽しかったです。
満足度★★★★
【対バン団体劇団スカブラボーの回】
世の中意外に狭いです。
ネタバレBOX
開演20分前にコントがあり、神様への願掛けの話で、また同じような感じかなと思いましたが、スカブラボーの不思議感覚な短編で始まり気分一新。
勇者とラスボスの話は何となくいつもと同じ雰囲気でした。ルームシェアの相手を毒殺しようとする話は、アドバイスの矛先が自分に向かってくるという友達の輪的関係の話でとても面白かったのですが、2010年『届かないことだってある』の「ガールフレンズ」編を思い出しました。
大石さん以外の女優さんのタイプが似通っていたのは偶然なのでしょうか。
満足度★★★★
回想
妄想とは違います。
ネタバレBOX
電車のドアに挟まれ引きずられて脳死した妻が忘れられず、妄想世界に迷い込んだ夫が事故の原因や状況を知り、妻との思い出を大切にしながら生きていこうと決意する話を、ダンスパフォーマンス的な動きを入れて種明かしするまで薄暗く謎めかして描いたもの。
動きが大きく、激しく、縦横無尽に走り回ったりして大したものだと思いますが、分かってしまうとそれほどの内容ではないことが分かってしまうのが難点です。
ところで、妄想世界の中の話なので破戒僧が何を着ていても有りだとは思いますが、黒の紋付というのはあまりにも僧侶らしからぬ格好だと思いました。
満足度★★★★★
青春群像劇
切ない、ジーンときました。
ネタバレBOX
伊豆の高校でシャンソン部を新たに作って一年間活動し、卒業して、恐らく部は自然消滅して、一年後にみんなが集まらなければならなくなった事情が発生したシャンソン部を巡る群像劇。
青い空が落ちてきて地上が破壊されても君を守る的な感じで始まるのが愛の賛歌だとは知りませんでした。
好きなのに相手の恋愛感情のベクトルを察知して、恋愛が成就するように仕向けるみんなのけなげさが切なかったです。
愛の賛歌を訳した文章に鈴木幸子の名前を書かせた桐島薫、霧島が席を離れた瞬間に名前を消して封をした鈴木、それが卒業式の日に橘の手に渡っていたらどうなっていたんだろうと思います。
劇中の桐島の歌は素敵でした。音楽劇というと、演奏者たちに配慮するあまりどっちつかずになることが多いのですが、今回の生バンド付きは、隅のピットで光も当てず音楽に徹底させたことで芝居を邪魔することがなく良かったと思います。
顧問の牛坂先生は部活動にあまり関わらなかったということもあるのでしょうが、桐島が死んでことでタイムカプセルを開けようとしたのであれば、もちろん桐島の死を観客に伏せる必要性があることは分かりますが、スタート時辺りのあまりにも天然でそっけない態度は不自然に思えました。
満足度★★★★★
具体的で
分かり易くて面白かったです。
ネタバレBOX
結核病棟の日常を描いた話。
結核病棟の話と言えば岡本貴也プロデュース公演『キスしてほしい。』(2008年)を、また、患者さんが亡くなったときの気持ちの切り替え問題については水素74%『こわれゆく部屋』(2015年)を思い出しました。
ボケとツッコミと潤滑油と聞いただけで、ボケとツッコミが徹底的にぶつかり合ったら素晴らしいコンビになるのは間違いないと思い、最終的にそうなりました。
仲間からは必要とされず、彼女かと思ったらストーカーだったという女性からのみ必要とされるなんて、ちょっと考えさせてくれと思いますが、良く考えてみるのもいいのではないかと思いました。
ザンヨウコさんは最近の王子小劇場での司会のときもいい味出していましたが、やる気があるのかないのか、しれっとした看護師役は素敵でした。患者にもマナーがあると言ったときはゾクッとしました。その後、患者様に何するんだと医者からの反撃があり、今度は女に手を出してはいけないだろうと患者から医者への逆襲という三すくみは圧巻でした。素晴らしいシーンでしたが、ビンタがなければ最高の見せ場になっていたと思います。
満足度★★★★★
鵺的的
凄まじい設定に、こういうのを待ってましたと喜びました。
ネタバレBOX
前の夫との子である姉と妹が、ふと見つかった父親の形見を渡そうと、出て行っ母親とその後生まれた上が姉で下が弟という家族を探し当てご対面する話。
子供を放置して死なせて服役したというのに子供が二人いる、次の夫の存在には触れられない不思議さなどモヤモヤっとした感じで推移していき、その後凄まじい秘密が明かされました。
母親と彼女の兄との間で生まれた二人の姉弟が子供を生んだとは、そして、これほど血が濃くなると弊害もさもありなんと、ここまで徹底した設定にするとはさすが鵺的だと恐れ入りました。
母親と一番上の姉が天然的な感性でとても似ていたのが何とも言えず親子を表現していて素敵でした。
今度会うときは母親のお葬式のときという姉の話がありました。逆に妹は会う会わないをペンディングしましたが、言われた方は嫌なプレッシャーが永遠に続くと思います。将来の気持ちは変わるかもしれませんが、私なら少なくともあの場ではもう会わないと言うだろうなと思いました。
満足度★★★★
【Aチーム】観劇
淡々と定点観測
ネタバレBOX
デッキを定点観測することによって、北朝鮮が崩壊し、朝鮮半島は韓国に統合され、北朝鮮からの難民が日本に多数押し寄せ、またアジアからの移民も増えた日本で、所謂外国人に馴染めない人々が、日本人社会が築かれている南の島に移住することを決意して船に乗ったということが次第に明らかになっていく話。
1994年初演の『東京ノート』はこの1990年初演の本作品の手法に似ています。
秘書を連れたご婦人やシンガポールのビル二棟を相続した子供もいましたが、田中英光作の小説『オリンポスの果実』を意識しているとは言え、おやつに杏の実を食べているような詩人は富裕層には見えませんでした。
南の島では日本人は働かず、現地人、あるいは日系の混血の人たちが労働する社会のようです。そして、混血には自他ともに認める階級があり、ハーフはクオーターを下層に見ていました。
李そじんさんのデッキチェアが壊れたのか、留め具が緩んだのか、ぐにゃっとなったときの表情、その後の伊藤毅さんのアドリブ対応は興味深く見させてもらいました。
満足度★★★★
愛多憎生
いつもの通り、旭日旗あり、白塗り、大人数、歌あり踊りあり、元気いっぱいの熱演でした。
ネタバレBOX
先帝からの意志を継ぐ形で好戦的な大日本帝國の少女天皇がとりあえず最北端の島、所謂北海道に当たるエミシとの戦争を回避して、悩みながらも平和路線に切り替えようとし始める話。
旭日旗はもうデザインの一部として、そして架空の国の話ではありますが、天皇を美星天皇と名前で呼ぶ恐れ知らずのイケイケ振りでした。
満足度★★
未だし
一場一場を一生懸命演じましたという感じが続くだけでした。
ネタバレBOX
アイスクリーム屋の美女の誘惑に負けて、父親が娘の発明した醤油を原料にした自動湯沸かし器を使って江戸の冬を暑くして騒動を起こす話。
機械も見せなければ、理論もなし、SF時代劇とは言えないものでした。間も悪く、芝居の体をなしていないという感じでした。
誰かが誰かに似ているというシーンがありましたが、それは置いといて、私には出演者の一人が河本準一、もう一人が極楽とんぼ山本に見えました。
満足度★★★★
おんぶにだっこ
牛水里美さんが全て
ネタバレBOX
中年の男が幼女を連れて登場。と思いきや、実際は特養で暮らす認知症の老婦人が自己の世界で見ている心象風景を描いた話。
病人や怪我人と思しき白っぽい衣装の人が多数で、すぐに多重人格的な予感がし、全ては過去の自分や思い出の人たち、ありがちでした。
全体が白でどこが色彩かなと思いましたが、最後、若い頃絵描きになることが夢だった老婦人が頭の中で色彩を回復するシーンが出てきました。認知症患者は、ぐるぐると同じことばかり考えているのかもしれませんが、自己の世界の中では思考しているのでしょう。めんどくさいけどそこのところだけは考えてあげなければと思います。
途中、水分不足を補うため無理に水を飲ませていましたが、あのような誤飲を誘発するような方法を取るのでしょうか。若干疑問でした。
満足度★★★★
【Bチーム】観劇
軋むより歪んでほしかったです。
ネタバレBOX
夫との浮気に嫉妬してアシスタントの女性を殺害した人気漫画家が、大人の事情によりプロに頼んで死体を消し去ったり、身代わりを立てようとしたりしたものの、最後軋んだ心が元に戻り自首しようとする話。
歪んだものは元には戻りませんが、歩いているときに廊下が軋むように、軋むとは重しがなくなると元に戻るような気がします。
人気漫画家は正気を取り戻しましたが、現実の事件は正気なんてどこかに飛んで行ったきりです。まともなお芝居が随分と現実離れしているように感じられて仕方がありませんでした。まとも過ぎというのが感想です。