満足度★★★★★
『Nice to meet you, My old friend』観劇
心温まるラストが素敵でした。
ネタバレBOX
タカビーな女優玲奈が出身高校で高校時代の思い出を語る番組の取材中に当時の知り合いや美術部の先生とのことを思い出す話。
最近では友達がいないということが認知された状況の一つになっていますね。
派遣会社から派遣された同級生代行の女性が本人も忘れていた過去を話し出すところから始まるミステリー、もしかしたらの二転三転の展開は素敵でした。
旧知の友との誤解も解け、引退を考えていた玲奈は女優を続けていくような気がします。取材にちょっかいを出していた先生も、登校拒否の生徒に対する対処の仕方のヒントを少し掴んだようで、ほんわかと暖かくなりました。
谷川俊太郎の詩の話題が出て、『嗾け上手の初恋』の店長の思い出と繋がりました。こちらを先に観た方がクスッと来たかなと思いました。
満足度★★★★
『嗾け上手の初恋』観劇
中野あきさん、祝競泳水着ご出演!
ネタバレBOX
処女の人気風俗嬢が経験しようと客に依頼してから巻き起こった話。
スレンダー、中肉中背、豊満の三人の女性が登場しました。スレンダーといえばイトーヨーカドーですが、風俗嬢ということでままならず、近所の中野商店に頼んだといったところでしょうか。
結局二人の男性の性癖故に望みは叶わずシリーズ物にでもなるのかと思いましたが、大学院生は豊満な女性が好みのようで、残像を元に実現したようです。しかし、もしかしたら残像が消えてしまい願いは叶わなかったかもしれません。そう期待しました。
満足度★★★★
壮大
サイドストーリーが楽しめました。
ネタバレBOX
アンドロイドが普及した格差社会からいつの間にかうやむやの内にクローンが当たり前になる社会へ変遷していくまでを描いた話。
子供に関して悲しみを抱えた夫婦が三組もいたり、アンドロイドのアイドルグループや母乳の風俗があったりして、思ったよりも壮大なSF作品でした。ただ、特段感慨を覚えるということもありませんでした。
満足度★★★★
【B block】観劇
客席では相変わらずカチカチ音が、何も改善されていませんでした。
ネタバレBOX
劇団ガクブチ(立教大学) 『∫ f ( 三人兄弟) d x』 兄と弟に挟まれた女性が自分の存在意義に疑問を抱き、家出してみて存在意義を再確認する話。
アイムホーム的なミステリアスな面もありましたが、ちやほやされていたことが分かって何なんだという思いがしました。
劇団リトルスクエア(上智大学) 『騷擾の犬』 左翼系雑誌の編集者や漫画家が特高に追われる現状に、密告した人間を探し出そうとする話。
推理劇として楽しめました。
満足度★★★
まさかの展開
面白いと思いました。
ネタバレBOX
怪獣対策のシェルター内で三人の仲間のうち一人が出て行くというのを友人が理由を聞いたり止めたりしていると思いきや、母親の離婚再婚で実母と義母という関係になった友人二人が対立したのを悩んだ青年が一人を殺してしまい、もしかしたらもう一人も殺してしまい、部屋に閉じこもって妄想しているの図という話。
身内の観客が多いせいか、開始前から劇団員が観客と話をしたり、そこら辺をウロウロしたりダラダラしていて、これが劇団のスタイルだと言われればそれまでですが、緊張感が全く感じられませんでした。
シェルターから出たらすぐ殺されるとかいったあまりにもあり得ないと思われたことが、全てが妄想ということで解決され、展開の妙は面白いと思いました。
満足度★★★★★
病んでいる
雰囲気を楽しみました。
ネタバレBOX
カトリーヌ・ドヌーヴを振る舞って、そこそこ若い頃のカトリーヌ・ドヌーヴに似ているのか奇行による反応は別にして、街の人からは世話を焼いてもらえるくらいの長女、リストカットを繰り返し、部屋に閉じこもって歌手だった母親が若い頃に歌っていたシャンソンを歌う次女、遠くに住み無口な息子、そして、どうしてこうなったのかと嘆く母親から成る家族の日々を描いた話。
バタ臭く歌の上手い次女役、同じくバタ臭い息子役、雰囲気が出ていました。年金生活には早そうだし、誰もろくに働いていないようで、生計の基盤が見えませんでした。
誰が悪かったのでしょう。自然とこうなっちゃうこともあるのかなと思いつつ、子供ができたせいで歌手を捨てて家庭に入ったと幼い子供たちに母親が愚痴をこぼしたのが原因だったのか、母親は歌手を続けていればよかったのかなどと考えました。いずれにせよ、病気だったら通院させないといけないと思いますが、そんな気配はありませんでしたね。
満足度★★★★
ド派手
久し振りのチョビさんは何か貫禄が付いたような感じでした。
ネタバレBOX
内容も、それを演じる劇団も劇団員も、全てが原作ありきだとは思いますが、ツチノコやツチノコの毒の影響でド派手で鮮やかな極彩色の変態めいた世界が繰り広げられる話。
で、突き詰めると、地球に取り残されたツチノコが宇宙から来た宇宙船に助けられるという話でした。
ビジュアル的にとても美しい世界でした。
満足度★★★★
【A block】観劇
客席ではアンケート用のボールペンをカチカチさせる観客が多く、観劇マナーの面でもそうですが、大学の授業中もカチカチやって教授や周囲の学生をイライラさせているのかなと、学生たちの想像力の無さに幻滅しました。
ネタバレBOX
the pillow talk(早稲田大学) 『砂』 高校の部活動費の配分を決める部長会の話。
横暴な布施という生徒が退学処分になってから落ち着くのかと思ったら、各部が勝手なことを主張し始め、あげく正式にはまだ公認されていないネオスポーツ部という新しい集団に各部が乗っ取られる有様で、先生は生徒の自治を尊重するとしてあまり口出しをしない、要するにフセイン亡き後の中東情勢を皮肉った会議物でした。
その後どうするかまでは誰も考えを持ち合わせていないようです。
15分の休憩を入れて2時間で収まるようにとの意図かもしれませんが、開始時間の十数分前から徐々に始まったような感じで、団体側には仕込みにしてはずるくないかいと思い、運営側には仕込み時間を入れた上演時間をきちんと開示してほしいと思いました。
創像工房 in front of(慶應義塾大学) 『僕僕僕僕僕僕僕』 徴兵制になった国の、国家と若者を描いたようなファンタジー。
ファンタジーでした。良く分からないという意味。
満足度★★★★★
熱弁
笠井里美さんの超長台詞を見るだけでも価値があると思いました。
ネタバレBOX
鬱の人の発言ということもあって、と思って、良く分からないところはありましたが、とにかく笠井里美さんの超長台詞が素晴らしく見応えありました。
社員に休暇を取らせると利益が出ないとすれば、それはそもそもビジネスモデルとして初めから成立していないのだとの指摘はスカッとして心地良かったです。
インチキ占い師みたいな人の弱みを握ることこそ鬱の特効薬というのは皮肉で、理に叶っていて面白かったです。
娘が母に、早くしないと(母の)妹たちが来てしまうよと言っていました。娘は亡夫の連れ子ということで血の繋がりが無いことに因るのだとは思いますが、叔母さんが来ると言わないところに、娘の結婚式の世話を焼いている割には気持ちが通じ合っていないことが分かり、普段からの関係性が大切だと感じ入りました。
満足度★★★★
勉強にはなりました。
押さえておくべき作品かと考えて観ました。
ネタバレBOX
明治の初め、上司の命により日本の話し言葉を統一しようとした文部省の役人南郷清之輔の話。
南郷家に住まいする人から不備を指摘されたときに、初めから完璧な案を提出する必要は決してなく、出して指摘されたらまた検討する、仕事していることをアピールするのが大切だとのたまった那須さん演じる元旗本の妻の考え方はお役所仕事を知り尽くしているものだといたく感心しました。
清之輔は、まず発音を統一すれば良いと考えましたが、一つの物に対して各地で呼び方が違うことが指摘され名前と文法を統一しようと考えました。参勤交代用に江戸山の手言葉が元になって作られた口上集なるものがあったそうです。結論から言うと、これが元になったのかなと思いましたがそれはさて置き、権力者が同意する必要があるということで明治維新に貢献した薩長土肥の呼び方を優先させようとしましたが、不満を持つ人は常にいるということで文明開化語なる新語を考案しました。新語で女が口説けるかなど実践検討しているうちにいつの間にか部署がなくなっていて、ストレスと失意から清之輔は精神を病んだのでした。
結局、統一日本語ができた経緯は分からずじまいでした。
妻や義父と離縁か別居して入院したなどはラストの説明だけでした。こまつ座の音楽劇方式も飽きてきて、最近では井上先生が言った分かり易さというよりは何か軽薄な感じがして仕方ありません。
満足度★★★★★
近未来
いかにもありそうで、面白かったです。
ネタバレBOX
中台韓と戦争をし、ハイパーインフレに陥った日本で、20分後の未来とは思いませんが、ハローワークを舞台とし、最近のネタをふんだんに使った近未来のパラレルワールドを描いたような話。
戦争法案が通過した日本で、戦争が始まったことは知っているものの情報開示がなされないままいつの間にか九州が陥落し、若者に赤紙が来たかと思えば、それどころではない、空襲警報が出るありさまに、現実性が伴っているだけに面白味が増しました。
スタップ細胞の研究室にいただけでどこの研究室からも相手にされなくなった理系女子は、ハイパーインフレのため奨学金の借金が実質なくなり、新たに目指した声優で職を得たと思ったら、空襲警報のナレーターだったなど、社会の変動だけでなく、個人生活の変動、落としどころも見事でした。
舞台の上手側と客席の上手側を舞台に、舞台の下手側と客席の下手側を客席にしていました。段差のきつい劇場の特徴を活かした配置で良かったと思いました。
満足度★★★★
愛でる
とても優しいメッセージに溢れていました。
ネタバレBOX
落ちこぼれが集められた研究所で大怪獣対策用に作ったロボットや研究者が気まぐれで作ったアイドル型アンドロイド、研究者たちが巻き起こす話。
元々愛玩用であったAIBOならぬIBOUを基にして作ったロボットには敵を攻撃するという概念がなく、それに気づいた研究者は怪獣を退治するのではなく、怪獣を愛でることで被害をなくそうとし成功しました。
スタップ金属という何にでも成長する金属があったり、好戦的な解決法を否定する優しいメッセージがあったりするところは実に今日的でした。
小玉さんは生き生きとし、アンドロイドは可愛かったのですが、ただ、S席で見切れがあったのは残念でした。
満足度★★★★
如何にも洋物風
結末は意外でしたが、全体にスマート過ぎて面白みがありませんでした。
ネタバレBOX
夫婦喧嘩をして離婚をも考えている友人が転がり込んで来たため同居を受け入れることにしたものの、彼女の潔癖症的細かさに嫌気が差して結局は追い出すことになる女友達の話。
仲良しな二人の話かと思い、また、子供がサマースクールに行っていて、夏休みが終わる頃には家に戻るのかと思っていたので、家に帰る気のない彼女の態度に意外に感じましたが、あんまり細かすぎるのは異性からも同性からも嫌われるということでした。
週に一回ぐらい女友達たちが集まり、ゲームをしながらおしゃべりする、今の日本で言うと女子会に相当するのでしょうが、それにしても、クイズ付きのすごろくゲームは何回もやれば答は分かってしまうだろうし、アメリカの古い野球選手の話をされてもこちらは困るし、そもそもすごろく如きでそんなに盛り上がるのかなどと、如何にも洋物風でスマートなアメリカの女子会は面白みに欠けていました。
満足度★★★★
ジーンと来ます!
良い脚本の作品を一生懸命やると良い結果が出ると思いました。
ネタバレBOX
山々に散らばった88個の流れ星のかけらを集めると魔法使いが呼び出せるという噂を聞いた夫が長年かけて実行し、本当に現れた魔法使いに、妻に四つのお願いを叶えさせてくれるように一つの願いを依頼したことから起こった話。
夫の死後10日目に突然魔法使いが現れた理由も、週末夫は山歩きをし、自分を構ってくれなかった理由も明らかになりました。
役者さんたちはまだまだなところはありますが、やはりラストシーンは素晴らしくジーンと来ました。
満足度★★★★★
彼女たちの思いが伝わり
技術面も素晴らしかったです。
ネタバレBOX
原爆でケロイドを負ったヒロシマガールズ25人が渡米し治療が始まった中、一人が何でもない手術で亡くなったことから、知らせを聞いて病院に集まった6人がその亡くなった智子のこと、自らのことを語り合う話。
ストーリー的にはヒロシマガールズの立ち位置が、技術的には特殊メイクが酷い状態から治りかけの状態までケロイドを表現していました。
ケロイドを負って苦しんでいたのは25人だけではありません。アメリカ国民の善意からではありますが、アメリカとしては当然宣伝効果を狙って25人を選択したに違いありません。男だっています。もっと酷い人もいましたが、治療しきれない人は除外されます。選ばれなかった人たちからの妬みもあります。それでも治したい思いがあります。そして、治療技術は日本に残された人々に活かされます。智子は恐らく原爆の後遺症が出て急死したのでしょうが、ショックを受けた医師たちが離脱しては元も子もありません。
シャッター音が機関銃のように聞こえ、カメラの前に立つ彼女たちにさらに戦争が襲いかかっているようでした。それでも自分たちの立場を考え対応する彼女たちは健気でした。
全員で思いを語り合うため全員が出ずっぱりでした。もう少しメリハリがあっても良かったかなとは思いました。
満足度★★★
強い
10人の女性のアラビアンナイト風衣装は良かったです。
ネタバレBOX
男尊女卑ならぬ女尊男卑のアラビアンナイトの世界で、女盗賊団の洞窟に迷い込んだ少年と魔法のランプの精の友情を描いたような話。
少年は女装して女と偽って生きてきたとのことでしたが、衣装からは男としか思えませんでした。
ラストシーンで少年がランプの精を自由にすることを願う願いを唱えたとき暗くなりました。何か矛盾が生じているのかなどと考えましたが良く分かりませんでした。
開演30分前から女優は出ずっぱり、上演時間も2時間超で肝心のラストにたどり着くまでが随分長く感じられました。
満足度★★★
【Aキャスト】観劇
下ネタが下品、ひど過ぎました。
ネタバレBOX
病院の中庭に集う入院患者、見舞い客、医師、看護師たちの話。
癌患者とその妻、癌の告知ができない医師、医師を指導するベテラン看護師の話がそこそこいい話。頑固な老患者と経営方針の異るその娘の話は大塚家具のよう、虫垂炎から腹膜炎を併発して入院し代役を立てられた劇団員の話はチラシの裏面に名を連ねている加賀谷理沙さんのようでもありました。
病院の中庭が舞台のハートフルコメディということで、『ガマ王子vsザリガニ魔人』のようなお芝居を期待しましたが、頑固じじいが言った下ネタはあまりにも露骨で引きました。それに乗る看護師たちにも引きました。絵のモデルになってお金を取る看護師の存在も許されるものではありませんが、せめてお尻触って3,000円ぐらいに抑えてくれれば冗談で済ませます。って言うか、やっぱり済ませないか。
経営方針の異る二人も、経営しているのはラブホテルで、決して悪いとは言いませんが、せめて銀行借入のできる商売に設定した方がハートフルコメディ向きかなと思いました。
鼻濁音ネタについても、独立した単語の途中だから鼻濁音になるのであって、単語の頭で鼻濁音になることはありません。言葉の乱れを助長するようで嫌でした。
満足度★★★★
そうだったのか
勉強になりました。
ネタバレBOX
ヒカルの碁に出てくるお公家さんのような擬人化された君が代とともに聾のアキラが君が代の歴史を探求するとともに、少年期のちょっとした友達との行き違いを正したりする話。
神とされた天皇の世が永遠に続きますようにという意味になったことで戦後拒絶反応が生じた君が代ですが、江戸時代には将軍を祝う歌として使われ、そうだったのかと思いきや、そもそもは皇位継承に破れた親王の人柄に惚れて歌われた平安時代の歌で、さらに元歌は「君が代は」ではなく「わが君は」だったことが分かりました。
二つのテーマを絡めたのだと思いますが、シナリオ作りの苦労のようなものを感じました。そして、聾だから仕方ありませんが、何を言っているか分かりませんでした。
満足度★★★★★
いつも+題材・発想
面白く、レティクル東京座の主張を知りました。
ネタバレBOX
幕末、現代会話芝居で人気を博した三人が方向性の違いからエンタメ芝居、アングラ芝居、現代会話芝居に分かれ、ジャニーズ系、アイドルグループ系の人材を引き入れ、タニマチの将軍や天皇も巻き込みながら切磋琢磨する様子を、いつものように白塗り、大音量でエンタメ芝居する話。
基本的には現代会話芝居が好きなのですが、途中で行われた現代会話芝居には笑いました。日常と非日常が入れ替わるとすっかり価値観が変わります。
途中で脱退したアイドルはあかりんかと推察したり、現代会話芝居の師匠のことを考えたりして、いつにも増して楽しめました。
満足度★★★★★
楽しい!
面白かったり可愛いかったり、素晴らしかったです。
ネタバレBOX
修学旅行先での男子部屋と女子部屋の話。
初演は観ていませんでしたが観たような感じ、旅館の部屋の構造、由かほるさんが演じる学生服を着た不思議な男子生徒手塚が登場する点が『少年期の脳みそ』と共通でした。
そこら辺りを差し引いても、少年少女の気持ちが表れていてとても楽しく拝見しました。男子生徒手塚が暗転後に女子生徒重原に変わるところなどはさすがです。
そして、よくぞ出てくれました鮎川桃果さん。告白され戸惑い赤面して照れ、うやむやにされその気はなくてもちょっとがっかりしたような短時間の表情の変化は素晴らしかったです。玉田氏の演技とは比べようもありませんでした。