満足度★★★★★
人生色々ありますね。
ネタバレBOX
結婚式の友人などを演じる代行業の男が、もう一人の同業者と共に、実家と疎遠になり帰りづらくなったアラフォー女性に頼まれ一緒に行き、色々揉め事に絡む話。
田舎における近所付き合いの煩わしさ、実家の不動産が逆に迷惑になること等興味深く、一つひとつのエピソードが笑え、また考えさせられました。
ただし、罪の意識的なことは分かりますが、何かをしたりしなかったりで宝くじが当たったわけではないように、何かをしたりしなかったりでバチが当たるということはありません。
満足度★★★★★
クソメン振りが存分に発揮されていました。
ネタバレBOX
好きな女性に声が掛けられず、悶々としているクソメンたちの生き様を描いた結構激しいダンスパフォーマンス。
クソメンのクソメンたる消極的悲観的生き方を一生懸命積極的に生きている男子の姿が表現されていて好感が持てました。
中村理さんのダンスは群を抜いていました。見得の切り方など、歌舞伎俳優のように基本ができていると思いました。
ポテチの袋を集めていたのはSNSで知っていましたが、あのような鎧のような衣装になっていたとは驚きました。胸の春の文字が印象的でした。
満足度★★
期待した方がバカでした。
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猿のチャーリーを始めとして、知能を与える処置をされた動物たちの話。
処置を施して知能が高くなるというSF的設定が大前提であるはずなのに、そして、その動物の使い方の是非を問うのが重要なテーマだと考えていたのですが、秀でた才能を持つ人の影響を受けて周囲の人も変化する感応などという概念も取り込んだために、じゃあ、今のように人間とペットが暮らしていたら人間がバカになるのか、ペットがしゃべり始めるのかどちらなのか、少なくとも飼育員は知能が下がりましたが本筋がグダグダになりました。
研究所の所長は、楽屋話みたいな話をしたり役者いじりみたいな行為をしたりして自分だけ喜んでお芝居の進行を妨げるだけがお仕事、興醒めしました。こんな配役必要ありません。
昆虫までは動物虐待に当たらないということを聞いたこともあり、賢くなった動物を危険な場所に送り込もうとする政府の計画がどうなるのか興味がありましたが、全てがグダグダになり本当にがっかりしました。
満足度★★★★★
素晴らしかったです!!
特に『上手も下手もないけれど』は、二人による芝居ではなく、本当の二人芝居で秀逸でした。
ネタバレBOX
『男達だけで踊ろうぜ』 女子マネージャーのベンチ入りを巡る硬派な虚構高校野球部ナインの話。
諸先輩方の設定が凄かったです。
『東京へつれてって』 追い掛けて来た女を受け入れ、あてはないものの駆け落ち的に一緒に東京へ行くことになった男女の話。
列車に乗っている時間、6時間があれば、残り80年は楽しく暮らせるなんて、何て素敵な言葉なんでしょう。冷静に考えてほしいとは思いますが。
『男達だけで踊ろうぜ2~Dances with Wolves~』 行方不明になった兄を探しに女人禁制の虚構高校応援団に部員として潜入した女子生徒を巡る話。
硬派男子高校生の、女性の丸みや柔らかさに対する憧れは半端なかったです。
『上手も下手もないけれど』 横軸が帝劇で行われる洋物お芝居の進行に合わせたような楽屋風景、縦軸が人生を表した世界観の中を、男優と女優の出会いと別れ、男女の機微を正の傾きで描いた二人芝居。
オバQのような化粧を拭ってもらい、自分で化粧を始めたその瞬間に女優の表情が変化していて、もう次の段階に進んだことが明らかになるシーンは特に秀逸でした。指輪による表現も素晴らしく、一緒に髪を白く染めるシーンではバックヤード的な面白さと老いの悲哀を同時に感じることができました。背中が丸くなった男の姿にはジーンと来ました。二人による芝居ではなく、本当の二人芝居でした。
満足度★★★★
壮大な通過儀礼でした。
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1・2・3ショットマンレイと呼ばれるガンマンが、希望を叶える石を六つ集めるために冒険する西部劇であり、中学時代にこの原案であるマンガを描いていた親友の突然の死によって、自分が役者を志した原点があの頃だったと改めて自覚する物語。
テンションが異常に高い主宰のいる劇団ってたまにありますね。ただし、そこには必ず美しい看板女優が存在します。
激しい動きのある3時間ほどの大作で役者も大変、観客も大変ですが、劇団10年、これもまた役者を続けるための通過儀礼として必要なことだったのだと理解しました。
満足度★★★★
二つの学校の好対照さが印象的でした。
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精華高校演劇部『大阪、ミナミの高校生2』 教室で彼氏とセックスをしているところを先生に見つかり、反省文を書くことになった女子高生の話。
校則の不純異性交遊の意味するところは知っていても不思議ではないと思いましたが、女子高生が先生との面談を重ね、彼氏との恋愛を真面目に考えた結果、反省文を書く必要がないとの結論に至って自主退学したのは一つのプライドの表れだと感銘を受けました。
途中で入る生徒が恋愛観を語るコーナーは、教育者からみると生徒が自分の考え方を人前で話す訓練と捉え、観客からすると今時の高校生の考え方を知る機会かもしれず、印象として高校演劇にありがちなことかと思いますが、元々のストーリーが面白かっただけに、実にウザったいテンションを下げる邪魔な時間帯でした。
高校のとき数学が得意だったにも拘わらずすっかり忘れてしまった私にとって、マイナスと虚数の考え方は新鮮でした。iの三乗はあそこだなって思いました。
新座柳瀬高校演劇部『Merry-Go-Round!』 そもそも伯爵を騙る詐欺師が統治するヨーロッパの離島で、多くの詐欺師たちによって繰り広げられる狂騒ドタバタコメディ。
前の演目との違いに先ずは驚きました。前の演目にもあったような青年の主張とかを入れがちな教育者的な観点を排除して、徹底的に面白いコメディを作ろうとする姿勢に感銘を受けました。高校演劇事情は良く分かりませんが、恐らく優勝はできないのでしょうね。
テディベアを売る兄弟を始めとして、例えすべってもニタニタしないで淡々と役をこなす役者たちが素晴らしかったです。
伯爵が青い服の女性を避けようとした理由、その割には出会っても何も起こらなかった理由は良く分かりませんでした。
満足度★★★★
世界観が素晴らしいと思いました。
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とある芋虫が寄生すると、宿主を死なせないようにホルモン調整や遺伝子操作などをするために、結果その人間は長生きするという前提に立つSF物語。
50おばさんの説明台詞でようやく理屈は分かりましたが、全体として分かりづらかったです。
新興宗教が芋虫を使って布教活動している不気味さ、成長が止まった人間の苦悩等、世界観が興味深く、もっと面白くなると思いました。
満足度★★★
結局は幽霊物もどき
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ライブに行っておじいちゃんの葬式に出なかった孫娘が言い訳をするも、出てほしかったというおじいちゃんの声を聞いて葬式めいたことをしようと考える話。
高ビーな前説から葬式に出なかった理由を屁理屈込めて言い訳するまでの一連の流れが、頭の良さそうな小賢しさが伝わってきて嫌いだけど好きでした。
その後は、単純な幽霊物もどきでがっかりでした。
おじいちゃんをがんもどきで表現していましたが、癌で死んだおじいちゃんが元気でぽっくり死んだなんてどういうことかと思いました。
満足度★★★★★
硬派で飽きることなく観ることができました。
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飛鳥山に居を構えていた地元王子の名士、銀行を作り、産業を振興し、自らも起業した渋沢栄一の半生記。
新しい分野への目の付け所が際立っていました。
鈴木商店への嫌がらせ、買収、贈賄問題、そして経営不振、大日本製糖のもめ事が最終的にはメインテーマとなっていましたが、これが一番盛り上がるテーマだったかどうかは知る由もありません。翁が年寄り臭くなっていたので晩年だとは分かりますが、どういう事件がその頃起きていたかなどという時代背景が分かるともっと良かったと思いました。
熱意、あるいは無気力、男たちの迫力が素晴らしかったです。
満足度★★
ワークショップを見せつけられている程度のものでした。
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自分の葬式をプロデュースしておこうとする話。
完璧な形でリハーサルをしなければ意味がないと言いながら、中途半端なものでした。ワークショップの途中段階のようなものを見せられても面白くありません。
無宗教と言いながら、三途の川云々とか、悪霊退治のためにお辞儀するとかバカバカしい限りでした。
焼香の仕方にしても宗教・宗派によって色々あるでしょうが、少なくとも葬儀屋の説明としては不満足でした。お香は、高品質のものは高価ですが、それ自体が偉いわけではありません。
スイッチは間違って点火しないような場所にあります。それくらいは聞いておいてほしかったです。
満足度★★★★
3時間でなかったところが良かったです。
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高知県大川村が舞台。ダム建設を機に金の亡者になった女性を描きつつ、都市部と田舎の人たちの考え方のずれ、報道の在り方などを皮肉った話。
村議会の廃止を検討というニュースは覚えています。このお芝居によると、変わり者の議員が議員のなり手が少ない現状から質問し、村長が可能性としてはあるとの返答を大々的に報じたということでした。
都市部の人間の考え方と田舎の人間の考え方の微妙なずれが興味深かったです。都市部の人間を上に見ている村人からするとパワハラはあり得ないということでしたが、確かにストーカーには上下の関係はありませんから注意が必要です。
正論を言う人と金の亡者になった人の性格をそれぞれエッジの効いた形で表現していました。観客に分かり易く見せようとしたのでしょうが、新橋演舞場のお芝居を観ているようで少し極端過ぎて、これくらい表現しないと観客には伝わらないだろうと、観客を見下しているようにも感じました。
満足度★★★
ヘレンケラー以来だったか、そうでなかったか!?
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男と女が何か言うと、言っている間中犬がワンワンと通訳してくれるようなパフォーマンス。
犬が拍手に怯えるということで、終演後のあいさつは拍手なしのお約束で行われました。
舞台上で本物の犬を見るのはヘレンケラー以来だったような気がしました。
満足度★★★★
全然エロくありませんでした。
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売れないエロ小説家が、一人の塾講師の女性と出会ったことで知識とアドバイスを得て、冒険小説家になったり、アルツハイマーになったり、頭からエロの概念を取り去ったら治ったり、その代わり愚直な人間になってしまったり、最後はエロとアルツハイマーの折り合いをつけながら生きようとする波乱万丈の半生を描いたドラマ。
男の理想とするエロい女性は、女から見ると髭の生えた女性にしか見えないという点が斬新でした。
年月の経過を表現したかったためか、終盤には母親が死んだことになっていましたが、ドタバタコメディっぽい内容で別に死なせる必要があったのか不思議でした。何か元ネタがそうなっていたからそうしたのかと勘ぐってしまいました。
満足度★★★★
八の字巻き
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映像制作会社、イベント企画会社みたいなところで働く正社員とバイトの軋轢ある日常を描いた話。
作者の体験を生かしたような作りでした。ぼそぼそとしゃべる主人公という設定なので仕方ありませんが、スタート時は外部の音のためよく聞き取れませんでした。
ケーブルを八の字に巻く大切さを知りました。
満足度★★★★
腹は立てなかったのですが、その分物足りない面もありました。
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水は記憶を宿すと思い込んだ江本という人をモチーフにしたダンスパフォーマンス。
ニセ科学ものと分かっていたので観ようか観まいか悩んだ末、佐藤佐吉大演劇祭2018in北区だから観ようということになり、実際に腹を立てて途中退席したことはこれまでなかったのですが、場合によっては途中退席もあるかなと思いながら観ました。
実際の演目は、キツネのお面は出てきましたが江本のこととは理解できず、単なるアクロバティックなダンスとして拝見しました。
満足度★★★★★
あの曲をだぶらせながら観ました。
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ロシア革命に翻弄されたユーリ・ジバゴ、トーニャ、ラーラ、パーシャ(後にストレリニコフ)を描いた話。
ダイジェスト版的ではありながらも、あの長かった映画をよく2時間強にまとめたなと思いましたが、今調べたら映画は194分だったことが分かり、若い頃はやたら長いと感じた記憶も意外とそうではなかったことが判明しました。
扉を開けると更に雪で覆われていたという驚きの貨車のシーン、市街電車の中からラーラを見付けて追い掛けて心臓発作で死ぬシーンなど、本公演では雪で覆われていなくて、本公演では街の中で見かけただけでしたが、思い出しました。
場面場面で、あのララのテーマ、そしてその編曲的な曲が流れていたらもっと感動しただろうと思いました。
千秋楽的なカーテンコールも素敵でした。
満足度★★★★★
スピード感が素晴らしかったです。ということは、スピード感が切れたらダメということです。
ネタバレBOX
国府台高校の卒業式当日に、卒業式実行委員会と学校側との間で式次第に国歌斉唱を記載するかどうかで紛糾する様子を描いたワンシチュエーションコメディ。
になるはずでした。
とにかく、息もつかせぬスピード感溢れる進行が素晴らしかったです。入学式にも続く問題を孕んでいるだけにラストシーンが必要だと考えたのかもしれませんが、あの勢いのままワンシチュエーションで終わらせてほしかったと思います。スピード感が萎えてしまいました。
本当の敵は学校側ではないということに気付き、歌う歌わないではなく、記載するかしないかだけが卒業式実行委員会の自主自立のメンツを保つところだったので、卒業生の言葉の中で国家を斉唱させることで今回は解決しました。
落としどころが限られているという点では制約があって、『ナイゲン』の結論の出し方の方が感動したような気がしました。
キーパーソンになるのかなと思った中田顕史郎さん演じる美術の先生、考えてみようだけの存在感あるグダグダ感が良かったです。
満足度★★★★★
【日替わりゲスト:山田恵里伽の回】観劇
ネタバレBOX
五寸釘が刺さったまま脱獄したこともあって五寸釘寅吉と呼ばれた脱獄王の一代記。
いきなり全員が着物を脱いで回りだしたときは、狭い会場が裸の匂いでムンムンしてむせかえる程でした。
全く退屈させず、迫力あり笑いあり素晴らしかったです。主役を演じた元山未奈美さんの力量は大したものでした。
日替わりゲストの鞭さばきも最高、いい回を選びました。
満足度★★★★
ペンライト振るのは楽しいです。
ネタバレBOX
劇団の主宰である恵美は、頑張っていることを認めてほしいなど自己中的な心に悩んでいたものの、カウンセラーや劇団員と正直に話し合ううちに内なる疫病神と折り合いをつけ、他人に気を使いつつ全てを含め自分らしさとして認めて行こうとするミュージカル。
小気味いい動きも見せた東理紗さんでしたが、今回は控え目でした。
満足度★★★
言葉遊び
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壁に貼った文字の書かれた多くの紙の中から数枚を取り出し、言葉遊びみたいなことをアドリブ風に行いつつ、それだけじゃあ何だそれと言われかねないので、北朝鮮からのミサイルにやられた跡地にたたずむ男を描いた風にしたパフォーマンス。
そう言えば野田MAP、最近観てないなって。横にしたA4の紙の真ん中に家という字を大きく書くと旭日旗のように見えますね。