満足度★★★
ロリータ男爵
の舞台を観たことがなかったので、作風を知りたくて観に行きました。
ネタバレBOX
漫画家が失明したという事件を子供探偵が解決する話を軸に、テレビ番組関係者やアラブの石油掘りと架空の生物ヤマビコなどがごちゃごちゃ絡まったナンセンスコメディ。
ふくよかなおねえさんは落ち着いていました。ただ漫画家とキャラが被っていましたね。
記者さんはスタイルも良く美系でしたが、NHKのマークなどそのまま使って大丈夫かいなと思いながら観ていました。
大きな漫画が出てくるシーンがありましたが、日本の漫画は右上から読み始めるものなので上手側から2、3枚出てくるとどこから見始めるべきか悩んでしまい、そうこうしているうちに下手側に消えてしまいました。下手側から出してほしかったです。
満足度★★★★★
私も一番劣る人っぽいかな。
ちょっとダメ人間の話に引き込まれ、ついelePHANTMoonということを忘れていたら、突然目を覚まさせてもらいました!
ネタバレBOX
劣る人の反対はいい人かな。いい人は重実百合さんに言わせると、「それはそれでつまんない」ということになり、つまり劣る人とはつまんなくない人、ダメ人間だけどちょっと興味の対象になる人って感じでしょうか。
あんな美人のいるバーなら行ってみたいな。懐かしいな。
佐藤みゆきさんの恍け方、開き直り方はさすがでした。「出せ」、「盗ってない」の繰り返しシーンは迫力がありました!「臭い○○」とは言われたくない!
ロンリーチャップリンをフムフムと聴いていると、突然窮鼠猫を噛む、一番ダメっぽい男が一番男気のある男を刺し殺すシーンに、elePHANTMoonということを思い知らされました。
ただ、最後の幽霊は私的には好みではありませんでした。
満足度★★★★
牛飼い斬新!
全体の流れを知って観ていましたが、筋を知らない人はどうなんだろう。
ネタバレBOX
おっかあは一応新教徒の立場をとっているようですが、商売ができれば別にどちらでもいいことだし、私にとってもどちらでも良いことですが、俳優たちが新教徒軍と旧教徒軍の両方を演じたりすることもあってか、現代風な制服を着ていることもあってか、どちらがどちらかごちゃごちゃになってしまいました。
それにしても、色っぽいおっかあでした!
満足度★★★
銀橋もあって、
宝塚かって笑ってしまいました。
ネタバレBOX
時は江戸時代、男の死に関係がある逃走中のストーカー女を軸に、女の出現に刺激された戯作者がお芝居を創作する話。その新作芝居は、新しい宿場町(現在の新宿)を開発しようとする浅草の資本家の依頼を受けて、地元中野あたりの大蛇伝説を取り入れた内容でした。
大音量の生演奏は迫力があってとても良いのですが、オペレッタが聞こえづらい面もありました。
歌に慣れている人といない人がいたようにも感じました。
ところで、当日の夕方、劇場近くを変わった着物を着たオカマが歩いていて、へーこんな恰好している人もいるんだなと思いつつ目をそらしましたが、一座の座長さんだったんですね。
満足度★★★
スカッと明るく、ざけんなよー!
パワハラ上司をぶっとばせ!単純で分かり易い内容、楽しめました。
ネタバレBOX
言いたいことが言えなかったOLが、最後、孫悟空の力を借りなくても言えるようになるところなどアカデミー賞ものです。
計画遂行の途中でプロジェクトを放棄するほど普通のOLは無責任ではないと思いますが、スカッとしました!
憑依というのとは少し違う気もしますが、孫悟空たちが人間の体内に入るときの入り方に特徴があって、特に猪八戒がお尻の穴から入るのには笑いました。
OLと孫悟空など、ペアが同じ動きをするのも楽しかったです!
ところで、元の声を知らないので確かなことは言えませんが、孫悟空と主役のOLは声が嗄れていたように思えました。特に孫悟空は完全に嗄れていたようで残念でした。
満足度★★★
びっくり!
竹弓と竹槍で戦って、意外な結果に驚いていたら…、
満足度★★★
『解ける/恍ける/ずっこける』
『解ける』と 『恍ける』で作・演出が異なる理由が解せません。それぞれが勝手に作るはずもなく、実質的には共同作業か、どちらか一人の主導でしょう。
なんでこんな短編2編のような表現にしたのでしょうか。奇をてらったようにしか思えません。
盛り上がりに欠け、ずっこけました。
ネタバレBOX
殺人みたいな事件が5分、その背景を1時間40分、殺人みたいな事件のオチが5分…、最初と最後が『解ける』、途中が 『恍ける』ですが、これは一つのお芝居です。
愛人の子供たちがお金欲しさに本妻の子(女性)を殺そうと画策する話。上品そうな話し振りで父親が地方の名士ということが分かり、それなりの雰囲気はあります。
今後の展開に期待を持たせますが、その後は時間稼ぎのように怪奇風な行動が続くものの一向に盛り上がりません。
そもそも、このきょうだいがなぜ精神を病んでいるのか良く分かりません。そして、精神を病んでいるからかもしれませんが、なぜこんなみえみえな殺人をしようとするのか不思議です。
きょうだいの母親が20数年前に本妻の赤ちゃん(長男)を殺して蛸壺に遺棄したことをことさらに特徴づけようとして観光客を登場させ、この集落にかつて蛸壺を使った人身御供の風習があったことをあぶり出していましたが無理やり感がありました。
せっかく誰にも内緒で一人旅に出たと言っている観光客なのですから、処理に困って三女の疑似恋愛の対象にするのではなく、ここはおどろおどろに使ってほしかったと思います。
満足度★★★★
灯火管制下のような歌舞伎町で、
JR新宿駅、アルタ前の出口を上がったときの暗さに驚かされました。真っ暗でした。ここまで節電しているのかと!
話の方は良くもここまでというくらい練られた台本で、徹底的なドタバタコメディ。笑いどころ満載!しかし、大空襲イヴなんですね。
ネタバレBOX
最後、薄明かりの中で役者さんたちが静かに下がって行くところを見て、もうすぐ大空襲が来て、もしかしたら体制側の人間も、戦争に行きたくない人間も、戦争に行きたい人間も、浮気していた人間も全員死んでしまうかもしれないと思うと、ドタバタしていた人たちがそれまでの苦労がいったい何だったんだろうというくらいの空しさを感じ、『紙屋町さくらホテル』を観た後のような印象でした。
震災前の人たちにも通じること、全ての人類に通じることでもあります。
浮気を隠すために奥さんと浮気相手がごちゃごちゃになり、勘違いに次ぐ勘違いの連続に大笑い、戦争忌避者だけでなく戦争に行きたい傷痍軍人も絡んでくるなど話が複雑で、素晴らしい脚本でした。
ファルスシアターの矢吹ジャンプさんはこういうドタバタ劇はお手の物って感じ、女学生役の大久保千晴さんの、「チッ、大人ってずるい」は最高。目を剥いた表情も良かったです。
ところで、今回は素舞台で役者さんたちの衣装も普段着、いざというときに避難し易い恰好でした。本格的場な装置で、きっちりしたのを観たいという気もしますが、これはこれで良し!!
満足度★★★
人生に絶望するなよっ!
壮年の嘆きには共感。
ネタバレBOX
若い頃は何にでもなれると思っていたが、25年間、配管工だったという嘆き、その気持ちは分かります。どんな仕事も社会の一員として大切です。特に震災後の今は配管工は重要です。
後ろでじっと動かないでいる俳優さんたちは別の階にいて、その階にいないことを表現していたのでしょうか、良く分かりませんでした。
満足度★★★
足抜けはできない!
こげ茶色のカフェは落ち着いた雰囲気で素敵でした。もうそのままカフェにしてしまっても良いくらいでした。
ネタバレBOX
町全体が麻薬中毒になっていて、麻薬を提供する役割を担うカフェのマスターは、そいつが死んでもまた次のマスターがその役割を果たすという話。
幕下力士が野球とばくの仲介人になっていたような、あるいは八百長相撲の仲介をしていたような…。
いったん八百長の仲間になってしまったら抜けることができない、仲介人が死んだって代わりはいくらでも居る、そんな内容で、なんか後味の悪い話した。
満足度★★★
ラストシーンは楽しい!
なるほど、アンリ・ルソーの人生をなぞったようなところもありました。
ネタバレBOX
名画の立体化について美術部員の生徒にも内緒にする理由がいまいち分かりませんが、先生たち大人だけで共有する「秘密基地」でした。
テレビに取り上げられたこともあったというのですから、生徒の誰も知らないというのも変だなとは思いました。
役者さんはテンションが高く、声が大きいのですが、間が悪く、ゆとりが感じられませんでした。
例えば、背広の襟が折れ曲がっていたときに、普通会話の相手だったら「襟曲がっているよ」って言いますよね。そして、実際にはアドリブで直してあげていたのですが、中途半端で直りきりませんでした。余裕が無いのです。
また、散らばった絵の具を片付けたときに1個残っていましたが、誰も拾いませんでした。最後の最後に拾い上げていましたが、踏んで絵の具が飛び出しやしないかとひやひやしました。
最初のシーンでも、テレビディレクターが女子高生と会ってあまりにもおろおろしていましたが、そんなに大袈裟に驚くことかって思いました。
14時46分
謎がいくつか出てきたところで地震が発生。役者さんはお芝居を続けていましたが、スタッフの判断で中断、一階に避難した後15時30分頃中止を決定。
その後の公演は全て中止となりました。劇団の判断を尊重します。
満足度★★★★
【2011ver. 】
七草、植物図鑑のような姉妹。
ネタバレBOX
過失致死を犯した男がそろそろ忘れたいと言っていましたが、そんなに簡単ではないでしょう。逆に、事故で両親を亡くしたくやしさは未来永劫かと男が嘆いていましたが、必ずしもそうでもないと思います。
恋愛は未来永劫じゃないのに、呵責の念は未来永劫のような気がします。
宝塚的動き、発声は楽しいですね。
終演後の舞台挨拶で、赤ちゃんを産んだ後なのにお腹が大きかったのは??でした!
満足度★★★★
北陸訛りの高校生
ほーけー、ほーけーと、北陸らしい雰囲気がありました。
ネタバレBOX
前田亜季さんの舞台は、井上ひさし作『私はだれでしょう』で初めて観ました。あれから4年、縁あって『日本人のへそ』の後に本作品を観ました。
前田亜季さん演じる高校生リカ、街金の取り立てに来たやくざ、友人やそうでもない地元高校生、リカの家族を巡る話。借金が返せない父親を見かねてやくざの手伝いをするも、最後東京へ出て行こうと決心、足抜けの喧嘩をして血だらけにはなるが、それで決着して東京を目指すというもの。
今すぐ何かをやるという目標があるという訳でもないけれど、どんよりした北陸から東京を目指す気持ちは良く分かります。そして、漁師が言うように、どこへ行っても同じだというのも良く分かります。
ラストの喧嘩で、大事なものは目立たないようにするというやくざの口癖のおかげで、旅費が巻き上げられなかったというオチは良かったです!
ところで、前田亜季さんはきりっとしていましたが、いかんせん小柄なため柔道が強そうに見えません。父親と組んでもふらふらしており、とても勝てそうにはありませんでした。
むしろ、おせっかい好きで、リカを呼びに行って交通事故で死んだスミエ役の山崎真美さんの方が大柄でリカ向きのように思えてしまいました。
満足度★★★★
すっかり煙にまかれ!
確かに井上作品の原点なのでしょう。若い井上さんを感じました。
ネタバレBOX
前半が1時間50分、休憩15分を挟んで後半が55分。最初張り紙を観たとき、なんでこんなにいびつな分け方をしているんだろうと思いました。案の定、前半の途中でトイレに立たれたご老人もいたくらいでした。しかし、それには理由があったんですねー!
前半は吃音治療の一環として吃音患者たちによる集団劇で、患者の一人であるヘレン天津の半生記を描いた物語、そしてその最後に政治家が刺される殺人未遂事件が起こり、後半はさらに殺人へと発展したその事件の解決編という様相で進行し…、と思いきや、ラストのどんでん返しで全てはヘレン天津の浮気を疑った政治家の壮大なお芝居だったというものでした。
初演の1969年当時は30代中頃ですか、井上さんも若かったんですね。始まってすぐに乳揉みたい的な台詞がしつこく出てきたり、集団就職を前にどうせ東京へ行ったら誰かにやられるんだからいっそ今自分の手でと考えた父親による凌辱がヘレンの吃音の原因であったりと性描写が少し露骨でした。
社会の構造も、チンピラ、やくざの親分、右翼、政治家という階層になっていて、政治家も主流、反主流、当選回数による序列に縛られているというものでした。当時は面白かったかもしれませんが今見ると古い感じがします。
もし井上さんが生きていたら、現在に置き換えるくらいの手直しをされたのではないかという気がしました。
満足度★★★★
ほろっと感動!!
演劇を諦めかけたときにもう一度初心を思い起こさせる作品。
ネタバレBOX
昔も今も、演劇を始めるきっかけは異性にもてたいため。そして、演劇を止めるきっかけも異性との距離感からなのですね。(他にも理由はあるよ!)
解散を決意した演出家が舞台を惜しみ、ちょっと逆立ちしたら頭を打って…、そこに女優が現れて、読み合わせを始めることに…。
幻覚の松井須磨子は芝居に飢えていて、もっともっと芝居がしたいという気持ちが溢れていました。
それにしても、須磨子はサロメ公演期間中に自殺したとのこと。島村抱月の首に見えてしまって、いたたまれなかったのかもしれないですね。
演出家の彼もきっかけはともかく、何よりも芝居が好きなことに気付かされ、彼女にもう一度アタックするためにも続けるしかないってはっきり自覚して。
演劇に対する情熱を感じさせるも少しありがちな話でしたが、本当は芝居を続けたかった須磨子が抱月の死を嘆いたところではほろっと来ました。
満足度★★★★★
面白くて、考えて、
こまばアゴラ劇場近くのキッチン南海の話ではなくて、南海亭というお蕎麦屋さんの話。
ネタバレBOX
死刑を認めるか認めないかの問題と、少年院などを出所した人たちを支援することについての本音と建前をぶつけ合う話を、お蕎麦屋さんにおけるシチュエーションコメディの形をとりながら行われたため、楽しくまた色々考えさせられました。
父親を殺した少年に対する考え方は、南海亭を継いだ長女は死刑に反対、痴漢に苦しみ犯罪を憎む次女は死刑に賛成、蕎麦アレルギーでヘビメタフォークグループをやっている長男は真相は知りたいが死刑についてはどちらともいえない感じ。近所の人は概ね賛成。
長女は誤判の恐れがあることもあって反対していました。
個人的には、恨みの連鎖は断ち切ろうという考え方で、死刑制度反対、終身刑の新設が良いと考えています。
埼京線は次女が痴漢に遭った路線でした。
満足度★★★
剣さんが主役?!
というくらい、コレル夫人の台詞による説明が多く朗読劇のようだと感じましたが、アフタートークで謎が解明されました。
初演が朗読劇、再演はミュージカル、そしてミュージカル版の再演の今回は朗読劇的な部分を増やしたとのことでした。
ネタバレBOX
ただ、海軍士官もその妻も登場しないで、コレル夫人の台詞で進行する朗読劇的手法には、少人数でどこでもお芝居ができる利点もありますが、少し省エネ過ぎるような気もしました。
海軍士官との結婚は当時の郭の習わしだったとのことですが、頭のいい蝶々さんがそのことを知らなかった、誰からも教えてもらわなかったというのは、どう考えても信憑性がありません。
コレル夫人が話し掛けている対象は、オペラやその元になったお芝居を観た人たちです。武士道に生きた蝶々さんを伝えたい、そして誤ったマダム・バタフライのイメージを正したいということであれば、客席に座っている欧米人に向かって話さなければなりません。英訳して海外公演する必要があると思います。今のままでは、北方領土や竹島、尖閣諸島が日本領土だと居酒屋で愚痴ているのと変わりません。
満足度★★★★
女優存在
二人の女優さん、存在感がありました!
ネタバレBOX
前任者と後任者の引き継ぎのような、生と死による世代交代のような話でした。
永遠に続く終りなき行為、当事者にとっては初めてのことだけど同じことの繰り返し、苦しくなります。
満足度★★★★
80%の深みがいい感じ!
とっても重要な問題を問う話ですが、80%の深みがいい感じ!
ネタバレBOX
記憶を体内に埋め込んだチップに記録して、入出力ができるようになった近未来のSFで、脳にはメインの記憶を記録しなくなり、記憶のカスしか残されなくなったことから起こる悲喜劇。
良くも悪くも、現在の人間は忘れてしまったり憶えていたりするものですが、チップだと故意に記憶を消去してしまうということが可能になる怖さがありますね。
訪ねて来た若手科学者が例えばチップ反対派で、こうした行為の是非を問うような方向に進むのかと思いきや、そうした方向には進まず、記録から消去されてしまった家出息子だったという辺りで止めているところが、何とも深さ80%という感じで、ありだなと思いました。
くちゃくちゃ、くちゃくちゃ、私も嫌いですが、そういう記憶のカスで思い出すってことありますね。記憶がドサッと戻るシーン、本当にドサッでした!
先日の磯川家も観ましたが、甘粕さん可愛かったです!!