満足度★★★★★
当日ですよ!
何しろ、衆議院選挙の投票日当日にぶつけてきたタイミングの良さに感服します。
ネタバレBOX
総選挙前後における自漫党幹事長室での総裁、幹事長、議員たちの様子を描いた話。
前提は現在の自民党と同じ。
総裁の差し入れの鳩サブレには笑い、友愛党の鳩(山)を食べてしまおうということ。
総裁が提案したマニフェストは、毎月子供にお菓子300円分を給付するというその名も定額給付品の創設。
応援のため遊説に行きたいという総裁に困惑した幹事長は、総裁を遠隔地の島巡りに行かせることにしますが、これが思わぬ展開に!!
さて、現実は如何なる結果になりましょうや。私も本日投票してから劇場へ行きました。ソワレ観劇は無し、ネットとテレビとラジオを駆使して開票速報を見ます。
満足度★★★★★
面白いなあ!!!
個性的で、そこそこお美しい女性陣が大活躍、ユニークで本当に面白い。何か唖然としながら見入ってしまいました!
ネタバレBOX
探偵の動き、声、可愛いいい!
会話の腰を折る、キャッチアンドリリース、いい!
着ぐるみで太っちょキャラ、いい!
途中、ちょっと緩んだところもあったかなと思いつつも、全体的にいい!
満足度★★★★★
いいもの見たなあ
1900年、パリ万博で失踪した奇術師を巡るファンタジーロマン。
ネタバレBOX
2000年、コナン・ドイルの子孫と名乗る男から依頼されて、女が翻訳し、朗読するうちに、次第に真相が明らかになっていきます。
科学万能を信じ、人類の発展を夢見た奇術師…、自らも魔術と呼ばず、トリックを考案し駆使していました。彼が嫌いなのはインチキ霊媒師。
全体の印象として、男性も女性も俳優さんたちが美しく、色遣いも綺麗でした。特に、キャラメルボックスの石原善暢さんが男前で、青いジャケットに白いズボン、白い帽子が似合ってました。イケメンと言うよりも男前と言った方がぴったりといった感じです。
ところで、座・高円寺は2009年5月に出来たばかりの劇場で、座・高円寺1は天井がとてつもなく高く、金の掛かった贅沢な公共施設です。
その贅沢さに負けない華麗な舞台でした。
満足度★★★★★
面白かった!
意表を突いたスタート、途中のぶっ飛び方、あまりにも面白く参りました!!
ネタバレBOX
能狂言仕立てのシェイクスピア劇かと見紛うようなスタート、途中の巨大なブランデーグラスと巨大な葉巻、裕次郎と書かれたバスローブ、父親の希望を完全に無視した三姉妹、斬新で面白かったです!!
本当に最初は野田地図の『ダイバー』かと思いました。
舞台には団扇(うちわ)の骨で作った背景がありました。内輪の骨を巡る争いのシャレかなと思いましたが、魚好きの社長が作った建物の広間で、魚の骨を表現したものだということが分かりましたが、それにしても安っぽく、くだらなく、演出の趣旨に合致していました。
娘の名前さえ、りさ、りか、りなとさかなを付けたおちゃらけさにも笑います。
散骨してほしいという父親の希望を全く無視して、島をお魚霊園にしてしまったり、父親の遺骨でメモリアルグッズを作ったりと、三姉妹たちの生き方に世の中こんなものだと大笑いしました。
このようなコメディ大賛成です!
満足度★★★
壮大な話のようであり、
ちっこい話のようでもありました。
ネタバレBOX
いくらなんでも、初っ端の明日見の酔っぱらって寝坊するようないい加減さはないでしょう。それが一転、星に着くと今度は真面目一方で、どうなってるのって感じです。
先輩より先に地球からご先祖さんたちが行っていたことを地球の誰も知らないなんて。そして、通信妨害シールドに気付いたのなら外して報告しろよって、完全に服務規定違反です。地獄の黙示録のイメージがあるのでしょうか。
病原菌を持ち込んだことを隠蔽し、地球から来た指導者として君臨してきた男でしたが、明日見が新しい技術を持ち込んだことで病気を治してしまい、結局、後から来た人の方が偉いという話でした。
西部開拓者のような服装の原住民には独立心が起こったようですが、エネルギー源となる鉱石も掘り尽くされようとしています。心配です。
それにしても2時間超は長過ぎました。伏線が何の伏線にもなっていないところはカットしても良いと思いました。
満足度★★★★
透明感あり
家族は距離感が大切ですね。
ネタバレBOX
弟を待つ姉、家を出て○○のハコ舟的な団体で生活していた弟、姉の同級生で親戚の喫茶店を手伝う男、喫茶店でバイトをするようになった女の話。
喫茶店でひたすら待ち続ける姉。見守る男。途中からバイトで入った女はおどおどした感じです。団体に強制捜査が入り弟は戻ってきますが、べたべたと身体を触る姉の溺愛の仕方は異常です。
弟と女が喫茶店で出会いますが、二人は同級生でした。それぞれが家庭に悩みがあり、小学生のとき親についての作文が書けなかったという共通点がありました。
更に、女には虐待を受けた末に父親を殺してしまった過去があり、刑期を終えて親戚をたらいまわしにされていましたが、男の家族の許に引き取られてバイトをするうちに少しずつ社会になじめ始めたようです。しかし、やはり親世代との関わりが苦手なようで、独立を思い立ちます。
姉の溺愛に嫌気が差し、弟はまた家を出ていました。
喫茶店は廃業の予定でしたが、男は再び弟を待つことになった姉のためにも、借金して親戚から権利を買い取りました。
かばんを持った女を見付けた弟は彼女を守ろうと決意し、二人は一緒に出発します。
それまで溺愛し過ぎの姉も弟の自立を認め、家族なんだからいつでも会いにおいでと、最後はいい距離感を保つことができるようになりました。
そして、自分のことを距離を置いて考えてくれていた人のことにも早く気付いてね!
無縁社会とならないためにも家族の絆は大切ですが、一方で親離れ、子離れ、弟離れも必要だとしみじみ思います。
舞台と客席を仕切るように置かれていた水の入ったビンも透明感を際立たせていました。
しっとりとした雰囲気の1時間余りでしたが、ほとんどが椅子に座っているシーンばかりで変化が少なく、それ以上に長く感じられました。
満足度★★★★★
笑い、悲しみ、感動!素晴らしい!!
横浜の地で、この日にちに、このお芝居が観られたことが本当に良かったと思いました。
ネタバレBOX
最初は知っていたのに、座長を始めとする一座の話が面白いので、つい特高に睨まれる中で演劇をするコメディのように思い込んでいると、突然空襲シーンとなり、市民や一座の関係者たちが逃げ惑う中、地名を挙げながら被害状況や被害者数が淡々と語られ、とても悲しくなりました。そして、空襲から二日後くらいになるのでしょうか、約束の夜明けに劇団員たちが集まって国定忠治をやるところは感動的でした。
それにしても、重油を撒いてから焼夷弾を落とす、研究し尽くした悲しい方法です。
空襲で破壊されたこんな悲しい時こそ音楽やお芝居が必要なのだという台詞は、震災後の今にも通じます。
生涯てめえらという子分たちがぁ…、台詞に込められた又の再会、又の一座復活の約束、戦後果たせたことを信じています。
座長役の剣持直明さんはさすがのベテランの味でした。板東宗太郎役の中嶋ベンさん、面白い!中村清次郎役の小暮美幸さん、しゃきしゃきしていて良かったです。
ところで、横浜大空襲は5月29日午前9時30分頃からです。舞台全体が暗く、夜の空襲のように見えました。白昼に行われた惨事だということが伝わればより良かったかなと思いました。
最後の芝居の最中に戦闘機が二度飛んで来ました。機銃掃射の恐ろしさを知っているのに、誰一人逃げようとかお客さんを守ろうとかしなかったのは疑問でした。まさか日本の飛行機ということは無いと思うのですが。
満足度★★★★
躍動感あり!
例えば、大戦場の真ん中に立たされ、しかも10メートル四方のところに仲間数人でいたら不安で不安で仕方ないと思います。そんなスタートでした。
ネタバレBOX
最初から躍動感があり、登場人物もユニークで面白かったです。
農民の母ちゃんは武士顔負けで凄かったですが、発達障害の子に一刀両断で殺されるあっけない展開も凄かったです。このように、これから戦が始まろうとする戦場で、何かをしようとして途中までいくと挫折する、心細い話です。
がっはは、がっははって言いながらの踊り、何だろうと思いましたが、理由がわかって納得。
農民たちは最初の頃のへっぴり腰に比べ、一連のどたばたで少し実力も付いたようですが、直属の武士と一緒に寝返るとかすればいいのに、雨が止めば戦闘に巻き込まれて死んでしまいますね。小早川の武士二人も死にますね。
そんな悲劇を予感させるラストの踊りシーンでした。
それにしても、母ちゃん、母ちゃんとあまりにもうるさく、少しカットすればコンパクトにきりっとしたものになったと思います。
満足度★★★★★
『裁きの日』 見応えあり!!
裁判官と裁判員による評議が行われました。属性、性格の異なる裁判員の議論は見応えがありました。
特別ではない事件を採り上げたことにより現実感が増し良かったと思います。とは言っても、求刑は死刑、それぞれの判断には重いものがありました。
ネタバレBOX
本件は、過去、窃盗で少年院や刑務所を何度も出たり入ったりの男が牛刀を購入して盗みに入ったところ、家に人が居たため妻と夫を殺害した事件。
求刑は死刑。裁判官も死刑の方向、良くも悪くも論点や結論の方向性を見極めています。裁判員の頭にも最高裁の永山基準が既にあり、殺害された数が複数であることから当初から死刑を求める裁判員の主張が目立ちました。
強盗殺人か、強盗傷害致死か。牛刀購入の背景について、殺人目的か脅しのためかの議論がありました。どちらとも言えますが、被告人は窃盗常習犯、七つ道具の一つなら以前から用意してあるはずです。犯行日近くに購入したとのことですが、七つ道具を揃えた時期との関連が気になります。
不在時を狙って侵入したものの、家の人に遭遇してパニックに陥ってしまったとの被告人の主張は妥当だと思いますが、二人目の夫の傷をみると、正面から切り掛かった後に(腕に防御傷)、腹を刺しており、単に揉み合った結果というよりは殺害の意図があったと捉えられても已むを得ない面があります。
議論の結果罪状は強盗殺人と認定され、次に量刑が決められます。死刑か無期懲役か。裁判長の経験からの言葉、死刑執行の日まで罪と向き合ってほしいは、死刑でなければ刑務所内で真剣には反省しないと言っているようでした。
人の死の決定に関わることを嫌う裁判員もいましたが、永山基準と裁判長の言葉に引きずられるように、7対2で死刑判決となりました。
私としては、二人を殺害したことには違いがありませんが、窃盗常習者が気が動転して起こした一つの犯罪であり、無期懲役が妥当のように思えました。
女性裁判官は、事件で身内が殺された経験があるような、殺人をひどく憎んでいて少し冷静さに欠けていました。もっと言うと、適性に欠けているようでした。
『十二人の怒れる男』にもいた、がさつでちょっといい加減そうな男はお約束。沈着冷静な蒻さん、理屈っぽくてすぐ脱線する男をぴしゃり。可能性を全て考えてみようとする若者も良かったです。おとなしいが重要な発言をした男性もいました。ただし、裁判長の意見に流された感もありました。死刑判決によって本当に人が死ぬんですよという女性の気持ちに同感です。終身刑制度があればと思います。
ところで、蒻さんは女性裁判官の陰に隠れっぱなし。若者は背中だけで、立ち上がったときもこちら側の隅にいてお顔は終演後の挨拶のときだけでした。立ち上がったときぐらい反対側のお客さんに見えるようにする、その程度の配慮はすべきです。
満足度★★★★★
切ない!
他人事とは思えない、明日は我が身という思いで観ました。壊れていく演技は素晴らしかったです。
ネタバレBOX
大人のときと子供のときで役者さんが異なっていて、これは当然としても、若いときと20数年後とで役者さんが別人で、顔の特徴が違っていたりすると、相関図を頭に描きながら対応させるのに一苦労します。特に妹さんが似ていませんでしたね。
若年性アルツハイマー病に罹っていない私でもそうなのですから、同じ一人の人でも二人分(もしくはそれ以上)が脳を占めることになり、現実であれ妄想であれ同時に話し掛けられれば頭が混乱するのは当然だと納得しました。
このお芝居では妹の赤ちゃんが生まれるときなど思い出すエピソードが家族の節目節目の出来事だったので、周りの人も理解してあげることができましたが、現実には共通の話題性などないでしょうから、また変なこと言ってるみたいになって気持ちが伝わらず、もっと切なく悲しいのでしょうね。
本人が若い頃の本人に会って、「赤ちゃんは順調に育ちますよ」と話すシーンはSF的で、キャラメル的でした。
満足度★★★★★
ああ素晴らしい!感涙!
ショー的な要素が主なのかと思ってつい油断していたら、いくつかの恋や出会いと別れがあって、思わず涙が流れてしまいました。
ザンヨウコさんの歌と踊りも良かったです!!
ネタバレBOX
太平洋の貴婦人と呼ばれていた豪華客船伏姫丸で出会った人々が、戦争に召集されたりして引き起こされた悲喜劇。
グアムでの悲劇には心が痛みます。千代子の言った後藤さんは星になったのよで、えっと唸りました。後藤はそうだったのか…。
そしてそんな千代子ですが…、後で現在のマリーが出てきて説明するのであれば、千代子の「私を調べて、ググって」発言は要りません。むしろ蛇足、マイナス効果です。走り去ることもないと思いました。マリーの発言で驚かされるだけの方が良かったと思います。
汚れて臭かった千代子に向かって社主の「マリーと同じにおいがする」、マリー「ええーっ」、社主「(スターの原石としての)マリーを見付けたときと同じ匂いがする」、素敵な場面でした。
フィナーレはやはり宝塚のようにショー的要素全開でお願いしたかったです。マリーさんが踊らなかったことは大いに不満でした。長身のマリーさんは見映えのする花形スターなのですから必須です!!!
ところで、ザンさんの発音で気になるところがありました。ショーガールのガが鼻濁音になっていましたが、ガは濁音で発音してほしかったです。
同じく、艦砲射撃をカンホウシャゲキと言っていましたが、正しくはカンポウシャゲキです。
満足度★★★★★
ぶっ飛んだ目が凄い!
一見の価値有り!!
それにしても裏窓の意味が不明でした。犯罪っぽい、少なくとも胡散臭いという意味なのかなとは思いましたが…。
ネタバレBOX
どこかへ行ってしまった人間の目をしていました。ブルース・リーとか、松田優作とかが、完全に自分自身になりきったときのぶっ飛んだ目と同じでしたね。凄かったです!
発達障害の一種なんでしょうか、嘘をついているうちに真実だと信じ込んでしまう性癖、新興宗教に通じますね。
そして、そういう姿を映像にとらえるとそれらしく見えるのが怖いと思いました。
途中で兄貴が弟の超能力を擁護する発言をしたのには正直ビックリしました。兄貴も信じ込んでいたのかと思いましたが、最後に信じていなかったことが分かって安心しました。しかし、それなら、もっと早い段階で弟を止めることができたのに、家庭やもしかしたら工場までもが崩壊してからでは遅過ぎますね。
満足度★★★★★
良かったです!
余韻が残り…、それでも何となく推量でき、いい感じでした。
あらすじにかつての夫と書いてあったのでその前提で観ましたが、二人が元夫婦という部分を隠した方がより一層楽しめたような気がします!
ネタバレBOX
サキという探偵と親密で、弁護士に女の陰を見ましたが、向坂という男だったとは何とも心憎い演出です。
冒頭の話題が若貴の話ではいかにも古いです。例えば、古典落語などは今はどっかーんと受けるけれどもすぐに飽きられる部分が次第にそぎ落とされ、現在にまで残っています。作家さんも、後にどこかで演じられることを期待するならば、下世話な時事ネタに頼らないことだとしみじみ思いました。
そもそもの、弁護士が事件の弁護を引き受ける決心をした根拠が今一つ不明でした。あっちを向いていて急に変心したように見えました。
何が真実か嘘か、女の虚言癖は結婚当時からあったとしたら嫌になるのも分かります。ま、今回は、弁護士を興信所で調査していたのが女であることが分かったので、門倉が誤って転落したのが真相なのでしょう。
テレビの仕事も結婚当時からアルバイトでやっていたこともあって、離婚してどのくらい経過したのかが全くわからないような作りになっていました。お腹の子は誰の子か謎のままでした。弁護士には心当たりはないようですが、弁護士の子であってほしいなと思います。
拘置所に入れられた女性がハイヒールっぽい靴を履いても良いものなのか、実情は知りませんが少し疑問でした。
二人芝居は難しいと思います。家ではあまり会話がなかったのでしょうか。劇中は、弁護士として聴取するので会話が多いのは当然ですが、あれだけ二人の会話があったとしたら離婚には至らなかったのではないかと思ってしまいます。
満足度★★★★★
場面転換の妙、素晴らしい!
1950年代のアメリカ、音と光の変化やストップモーションで時間と場所をパッパッと切り替えながらどんどん進展していきます。顔をアップにして次のシーンに移るようなテレビドラマ的印象を受けました。
ネタバレBOX
常々自分の経験、男遍歴を将来小説にしようと冗談めかして話していた娘ですが、結局は実家の崩壊過程の方がより波乱万丈だったことが分かり、皮肉に告白する話。
過去に戻ったり、より過去に戻ったりしましたが、話自体は分かり易く、全体が繋がっていきました。
息子が父親の会社の金を持ち逃げするという結末自体は悲惨ですが、息子はさらに友人に騙されるんだろうなと予感させられ、えーい、こうなったらどこまででも落ちて行けーっていう心地良い読後感のようなものが残りました。
ところで、少し古い作品だとは思いますが、娘がタバコを吸いまくっていて、副流煙が何度も客席に届きました。原作に忠実なのかどうかは知りませんが、最近の健康意識、環境問題にも配慮しなくてはいけません。ひど過ぎると思いました。タバコを吸わなくても雰囲気は充分伝わって来ますよ、大丈夫です。
満足度★★★★★
音響も良く、
舞台は素舞台、薄暗く木賃宿の雰囲気が出ていました。訳ありな人間たちの荒んだ生活が生き生きと描かれていました。
ネタバレBOX
私にとって笹塚では初めてのL字状の舞台でした。Lの空いた所に作られた桟敷席で観ましたが、花道付きの舞台を見るような感覚でした。正面の椅子席からだと下手側が奥行きがあって逆に見づらいかもしれないなと思いました。
生まれ変わった『どん底』、木賃宿の主人は妻に殺されたのか、情夫に殺されたのか、あるいは自然死だったのか、見逃してしまい定かではありませんでした。しかし、どうであれ、証言によって監獄行きが決まります。
木賃宿を相続した元警官の女房になった女は木賃宿にいた客だったのでしょうか。薄暗く、背中中心で分かりづらいところがありました。
役者さんたちは皆素晴らしかったです!
革命前夜のロシア、秩序が崩壊し、貴族も平民もどんどんふるいにかけられて落ちこぼれていった時代だったのでしょう。
木賃宿の人間もどん底で生活しています。いつか再起することを夢見ているのかもしれませんが、少なくとも頑張っているとも思えません。
こう言っては何ですが、路上生活者はもさーっとしています。それに比べて、舞台上の彼らの背筋がシャンと伸び、動きが機敏なところが不思議で堪りませんでした。そこで、先程「生き生きと」と書きました。
商売や博打など宿代を稼ぐ時は別にして、木賃宿に戻ったらそんなに背筋が伸びてるかって思います。私だったら背中を丸め、もさーっとしているなと思いました。
満足度★★★★★
緻密な構成があり、
とにかく、役者さんたちが乗っていて素晴らしいの一言でした。
バカバカしく、ちょっと怖く、お色気があって、面白かったです!
ネタバレBOX
何にでも応用が利いて、高性能を発揮するトゲムという小型電子機器を軸に、要らないものはゴミ箱に捨てて行くということをテーマに展開されるオムニバス作品。
トゲム工場、カップルとその友人、女性二人のパジャマパーティ、大家さんと業界紙の記者の話など、一つが終わる度に清掃員が掃除して(小道具を片付けて)次に進みますが、舞台にはゴミ箱だけは残されたままです。それぞれは一見何も関係ないようなコント風お芝居ですが、最後に全てが繋がるというもの。
トゲムのストラップが携帯電話だとか、電力会社に恥をかかせるほどの太陽光発電ができるトゲムだとか、いいですねえ、早く見てみたいものです!
テレビとビデオを繋ぐと亀甲縛りになるなんて、そんなのありえねーと思いながら、ほんとにそうなるんだと納得したり、そういうの私好きなんですって感じで両手を上に挙げてうっとりされると、バカバカしくもドキドキして笑ってしまいます。
男を手に入れるには胸を利用する、これも納得です。で、調子こいて知り合いの彼氏を奪い取ると殺されてしまって、場面一転おおコワ!借り手のなくなったマンションに韓国人留学生を住まわせてロンダリングする、これもなるほどです。そしてここにテレビとビデオを繋ぐこともできないカップルが入居することになったのか、フムフム。
役者さんたち素晴らしかったです!安藤理樹さんの軽さと志水衿子さんのお馬鹿っぽいお色気が印象的でした。ゴミ箱に捨てた写真は、彼女の整形前の写真だったのでしょうか。
そして、最後の挨拶が終わった後にもう一話、小憎らしい演出でした。ただ、なくても話は繋がっていたように思えました。
満足度★★★
そういうことだったのか
初々しい演者による初々しい舞台でした。
ネタバレBOX
私この曲嫌いって、「Fly Me to the Moon」じゃないじゃん!劇の題名そのものがおかしくなっちゃう!どうなっているんだろうと思っていました。
終演後の舞台挨拶で、世手子さんの自作の曲、曲名は「私を月までつれてって(英訳するとFly Me to the Moon)」だったことが分かりました。劇中の「Fly Me to the Moon」は、みんなが知っている「Fly Me to the Moon」ではなかったのです。
大人の事情でもあったのでしょうか?ズワイガニといって紅ズワイガニが出てきたような感覚でした。
心臓を売るというのが詐欺だったとは、そして彼女がヴァンパイアだったとは。ヴァンパイアはありですが、お芝居のキャッチコピーでさんざん興味を引いておいて、それが詐欺でしたでは、ズワイガニといって紅ズワイガニが出てきたくらいの衝撃でした。
防弾チョッキ(ベスト)があんな小さな袋に入るなもので、あんなにくにゃくにゃするものなのでしょうか?!あれでは効果は期待できないと思います。
満足度★★★★
完璧、リアル!
ベテラン俳優による完璧なお芝居でした。
ネタバレBOX
悪戦苦闘の末に部屋は紙とピーナッツとバナナの皮で散らかり放題、男たちの脇の下は汗で汚れ、思わず眠りに落ちたり、固まってしまったり、凄かったです!
人種差別に反感を持ったり、決め台詞に不満があったりしながらも、人気メロドラマ小説の映画化に邁進した姿に感動しました。
脚本家さんには15,000ドルが渡されただけなのでしょうか。少なくとも映画監督は本人の希望により出来高払いではありませんでした。三人が不眠不休で頑張ったわけですが、プロデューサーのしたたかさが際立ちました。もっとも、リスクを負っているのはプロデューサーですから仕方ありませんが。
男優陣の固まったままぐるっと回る動きや大袈裟な動きにはわざとらしさは感じられませんでした。あえて言えば、秘書役の人にはちょっとわざとらしさがあったかなと思いました。
脇の下のリアルさは、アメリカ人ならそうかもしれないと思いながら、日本人の私にはリアル過ぎて、少々気持ち悪くなるくらいでした。
ラストシーンの、チラシと同じ光景、色遣い、それに音楽、美しく綺麗でした。
秀作でしたが、秘書を若い女性にするとかして、目の肥えた人だけでなくミーハーもウキウキするような作品であったらもっと完璧だったのにと思いました。
満足度★★★★★
完成度高し!
コント的なものから心の内面を描いたものまで、どれも完成度が高く、テンポ良く、素晴らしかったです。
女優陣はそれぞれが個性的で魅力的でした。
ネタバレBOX
「劇的人生」、中二病の行動、面白かったです。学級委員がジュリエットを狙っていることは終盤ある程度分かっているので、最後あそこまでにたにたする必要もないのかなと思いました。
「すとーきんぐ」、先の読める展開ではありましたが、テンポ良く進み楽しめました。女性のあれーって驚いた表情、そしてストップモーション、可愛いかったです。
「ex:暦らいちの場合」、元ネタは知りませんが、予知能力があると色々気を遣うものですね。
「四則演算」、駆け出したり、割り勘したり、ドン引きしたり、四則演算ってこういうことだったのかと感心しきりでした!これこそテンポ良くが命ですが、噛まずに一気に行きました。
「六人の母と私」、タンスや鏡台などが母親に見えてしまう心を病んだ少女の話。ドアの母は、他の優しい母や小言を言う母、能天気な母と違って彼女を内側に止めておこうとする心の働きによるもの、奥が深いです。ただ、彼女の心はあくまでも一人なのですから、多重人格ではなく妄想癖ですね。
満足度★★★
悲劇と不条理劇
先日、高橋愛さんが金髪にして評判があまり良くなかったというニュースがありましたが、このためだったんですね。
ネタバレBOX
『ハムレット』に出てくるローゼンクランツとギルデンスターンは、いかにも芸人が大して練習もせずに日替わりで出てきたという扱いで可哀そうでした。
因みに、当日は博多華丸・大吉で、児玉清さんが亡くなられてすぐの公演でしたが、そのことには一切触れませんでした。
『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』は、『ハムレット』の名台詞が時々流れ、ハムレットやオフィーリアが通り過ぎたりしますが、そのほとんどが博多華丸・大吉の漫才でした。ま、それでいいんですね。たわいもない話をしているうちにハムレットには結果として逃げられ、手紙を読むと自分たちの死が予感され、そうだったんだと空しく悟り受け入れるという不条理劇になっており、先日観た『ゴドーを待ちながら』の二人の男と姿が重なりました。
それにしてもハムレットはそれほどカッコ良くもなく、オフィーリアも今一華が感じられませんでした。