雨模様の観てきた!クチコミ一覧

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これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、

これは僕が神様になりたかったけれどなれなかった話で、僕の彼女が実は地球だったってオチが待っている話なわけで、

劇団エリザベス

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/08/19 (金) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★

絶対領域的には
少々難あり。

ネタバレBOX

最後にオリザを見たのは謝罪していたとき、その前はお人形、そして今度は扇風機、地球のために首を振りながら働いているらしい。

メルトは皿を頭に乗せていて、皿を外すとメルト菌を撒き散らしながら溶解してしまう新しい存在。そして地球の白血球のような働きをし、害のあるものを排除する半面、自らが癌になることもあると、何か意味があるような無いような。

それにしても、絶対領域見たさという割には男の絶対領域じゃしょうがないって感じ。地球を運転?する美希さんの素足は美しかったですが、これは絶対領域とは呼ばないし…。

メルトバスターの一人が別の領域、黒パンツの下を強調して肩幅おばけが苦笑いするほど困らせて、なんともアドリブっぽく見せていましたが…、林先生のアドリブは、噛むというよりつっかえるようで聞きづらく、役者イジリで役者を引き立てるならまだしも、ネタにつまって自虐ネタを持ちだすようじゃダメでしょう。
リコリス ~夏水仙~

リコリス ~夏水仙~

東京ストーリーテラー

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2011/08/17 (水) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

コーヒー専門店の
マスターっていい人なんだなあ。でも最近はそのような喫茶店に行ったことが無い私。

ネタバレBOX

西武ドームのすぐ近くの喫茶店リコリスを舞台にした話。ここまで場所を特定するのはなぜだろうと思いながらも、ま、どうでもいいかって。

なんかいい話過ぎました。それでも、マスターと酒屋の娘さん、その娘さんの友人の青年二人、この四人を中心にしたシリーズ物が出来るのではないかと思わせるくらいのチームワークの良さがありました。

ただ、喫茶店も酒屋も経営的には厳しい時代ですから、話全体が少し浮世離れしている感はありました。
ハッピー・ジャーニー

ハッピー・ジャーニー

劇団フライングステージ

OFF OFFシアター(東京都)

2011/08/17 (水) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★

とってもいい旅でした!!
ゲイだろうがそうでなかろうが色々な親子関係があって、ちょっとぎくしゃくしたりします。それでもみんなじんわりハッピーになれて良かったです!

ネタバレBOX

旅の途中であまりありそうもないハプニングが起こり、その度に人と出会い世の情けに助けられ、一期一会を大切にしながら心を通わせる、そんな描き方が素敵でした。

東京から仙台を経由して札幌まで、長丁場でしたが場面展開もテンポ良く進み非常に快適でした。

ゲイやレズの親の会があること、そしてパレードでおにぎりの提供などの支援をしていることを初めて知りました。自分の子供は亡くなったけど、目の前の参加者を見て子供が増えたと思えるあの親御さんに感激しました。

母親の気持ちを通じてゲイについて語る啓蒙的な場面もありましたが、自然な形で進行していて違和感はありませんでした。ただ、初見だったから感じなかっただけかもしれません。次のお芝居を観たときに、また同じような説明的な場面に遭遇したら鼻に付くかもしれないなとは思いました。

女優さんが一人登場されていてホッとしました。個人的にどんなお芝居でも男だけのお芝居はあまり好きではなく、紅一点でも紅二点でも女優さんが参加されているとなごみます。

新幹線の中で病気になった老人はおじいさんだと思っていました。なんでまたベンチに病気のおばあさんがいるのかと、ほんの一時ですが不思議に感じました。
いよいよ決戦です、その際の心構え。

いよいよ決戦です、その際の心構え。

タイガー

OFF OFFシアター(東京都)

2011/08/10 (水) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しい!!
ぐだぐだしていて面白かった!

ネタバレBOX

台詞を忘れて爆笑になったり…、横島裕さんらがにたーっと苦笑いして確かにこれは面白かった。台詞を噛んで爆笑になったり…、これは身内客の優しさに救われているだけで、いただけません。

臭い芝居やぐだぐだで満足させるだけの実力の持ち主だと思いましたが、ドドイツだけは例外で素人っぽかったですね。

召喚獣は強い!
明けない夜

明けない夜

JACROW

サンモールスタジオ(東京都)

2009/07/17 (金) ~ 2009/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラストシーンも
見逃せない素晴らしい出来ばえ。

ネタバレBOX

1963年、ボイラー製造会社の社長の娘が誘拐される事件が発生。営利目的か、怨恨か。刑事たちの活躍と、数ヶ月前の出来事から真相が明らかになっていくという推理劇。

ラストシーンでちょっと頭が混乱してしまいました。サンモールスタジオからの帰り、新宿二丁目の交差点の手前辺りでスッキリしました。腑に落ちました。起きたことは起きたこと、迷宮入りにしてしまえってか。シリアスで面白かったです。

薄いスクリーン越しに過去の出来事らしく見せる手法は良かったですね。オープンリール式のテープレコーダー、昔風のステレオやテレビなど、小道具も雰囲気がでていました。

ところで、誘拐された小学生低学年の役として、可愛い子役の女の子が出演していました。夜の8時から始まったお芝居は上演時間1時間40分ぐらいでしょうか、終わったのは9時半を過ぎていました。労働基準法が気になりました。
私とアナタの間の距離は・・・

私とアナタの間の距離は・・・

演劇集団Nの2乗

「劇」小劇場(東京都)

2011/08/09 (火) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★

役者同士の
距離感というものも意識しました。

ネタバレBOX

地上げ屋相手に殺人してしまった長女、先生を辞めて食堂を受け継いだ次女、加害者家族として就職が上手くいかない三女、親に反対され次女との婚約を破棄した男、長女と離婚したが未練が残る夫、密かに料理を学んでいて食堂を継ぎたいと思う長女の娘、刑務所へも訪ねていた長女の同級生の男、食堂関係者等を含めたそれぞれの距離感を表した話。

なぜ加害者がもてて、加害者家族が就職できないのか、いくら常識無しの若者とは言え、次女が経営しているのに長女の娘が将来跡を継ぎたいと言い出すのか、ベトナム娘のキャバクラへの転職など、社会に対してあるいは身近な人々に対して少々納得いかない距離感もありましたが、思うように行かない人生をそれなりに折り合いを付けていく現実感がにじみ出ていました。

それにしても役者同士の距離感が上手くいっていないのか全体の間が悪いように感じました。また場面転換も、ストップモーションがあまりにも長く続くとそこまでやらなくてもと思ってしまいました。
ミラクルスーパーマーケット

ミラクルスーパーマーケット

覇天候

萬劇場(東京都)

2011/08/02 (火) ~ 2011/08/09 (火)公演終了

満足度★★★

しかたないのかな。
なんとなく古典的なコメディって感じ。

ネタバレBOX

主宰の転勤を引っ張って引っ張って引っ張って、引っ張れるだけ引っ張って面白くしようという考えが丸見え。少しいらいらしました。

賢茂エイジさんはさすが、沖縄出身の後輩役与座よしあきさんの空気の読め無さ加減は抜群でした!

あんだけポスター貼りまくっていた店長さんがチョイ役とは驚き。また、あまりにも長身でハンサムな乗っ取り会社の社員には場違いのようでビックリ。
『白キ肌ノケモノ』

『白キ肌ノケモノ』

ACTOR’S TRASH ASSH

新宿シアターモリエール(東京都)

2011/08/03 (水) ~ 2011/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★

カッコ良かった!
特に外道丸と和泉がカッコ良かったなぁ。

ネタバレBOX

土蜘蛛は妖怪でなく、元漁師が網を使った技を使い、大麻によって村人に幻覚を引き起こさせていたという設定は、とても科学的で好きでした。

それならソラを登場させなくても良いのではないかと、幽霊物が嫌いな私は思いました。

あえて奥行きの無いセットになっていました。そんな舞台での殺陣はやりづらかったとは思いますが、迫力ある動きは素敵でした。
マッチ・アップ・ポンプ

マッチ・アップ・ポンプ

キリンバズウカ

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2011/08/06 (土) ~ 2011/08/14 (日)公演終了

満足度★★★★

上質な感じ
ぎくしゃくした親子と、ちょっと変わった周囲の人たちの話、楽しめました。

ネタバレBOX

山火事で兄貴は死んでしまったのか、そもそも山火事の原因は何だったのか、放火か自然災害か、サスペンスの要素が入り、そのもやもやが父と娘の間に疑心暗鬼を招き、そんなぎくしゃくした家族を中心にした田舎町の群像劇。

どうしようもないクズ男、面白かったです。

男は口にしないけど、家族のために働いて、借金返して金貯めて、分かってやってよ!って、分かってやってよじゃなくて、お芝居で分からせてくれないといけないのじゃないかって思いました。

ま、山火事は隕石が原因だったと思うし、最後に父と娘がちょっと本音が言えたしで、これで安心かな。

膝を曲げるようなダンス的パフォーマンスは私には不要でした。ぐいぐいストレートで押していってほしかったです。

丘の上になったりアパートの部屋になったり、舞台の使い方は素晴らしかったですが、あえて言うと、下手一階部分が単なる通り道に過ぎず、それならメインの囲炉裏部屋をもう少し真中にして下手側からももっと良く見えるようにしたら良かったのにと思いました。
ケージ

ケージ

ミームの心臓

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/08/04 (木) ~ 2011/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

新鮮に感動!
全共闘世代と現代の若者が議論する話だとは思っていましたが、このような展開になっているとは考えてもいませんでした。

ネタバレBOX

全共闘世代と現代の若者のどちらもが大学生で、即ちSF仕立てで遭遇するとは思ってもいなかっただけに新鮮に感動しました。

女性闘士が主人公のおばあさんで、男性闘士二人が内ゲバで死んだことになっていたことや、なるほど三億円事件の犯人が捕まらなかった理由などを明らかにするためのイベントだったとは!

私なら2011年の年号を聞くだろうな、ここをスルーするのは不自然だと思いました。更には、自分たちの将来と密接に関連する全共闘運動の衰退についても尋ねるだろうなと思いました。

鳥籠のような山荘のセットは良かったですが、鳥籠のケージと神の啓示は、ああやっちゃったーって感じのつまらない言葉遊び、即ちダジャレでした。

美少女から少し普通の大人になったようなイメージの毛利悟巳さんは、クッキンアイドルが成長して女子大生になったらこんな感じだろうなと思わせるとても素敵な女優さんでした。
君の為にシジョウの円卓

君の為にシジョウの円卓

劇団総合藝術会議

小劇場 楽園(東京都)

2011/08/04 (木) ~ 2011/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★

【宴の終わり】観劇
そうか、一組のためだけのお芝居ってそういうことか。

ネタバレBOX

一人で観に来た少女、兄妹の間で傷ついた彼女のためのお芝居。厳格、恋愛、ファンタジー。

彼女の高音で良く響く声が素敵でした。
【全ステージ無事終了!ご来場ありがとうございました】みきかせプロジェクトvol.3 「流星群アイスクリン」

【全ステージ無事終了!ご来場ありがとうございました】みきかせプロジェクトvol.3 「流星群アイスクリン」

みきかせworks

ワーサルシアター(東京都)

2011/08/03 (水) ~ 2011/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★

【ラムネ組】観劇
見せて聞かせてという意味なら最近のリーディング劇と特に変わったところはありませんでした。

ネタバレBOX

『原発とスーちゃんとビンラディンと私』(劇団チャリT企画)、私が『ネズミ狩り』を観たのは3月7日でしたが、この公演中の3月10日から今日に至るまでの劇団員の日記とニュースの記事を時系列に読み進めていくことで、劇団員のとぼけた本音と数値の現実感を通して私も含めて東京にいた一般人の対応と、政府の発表のいい加減さが浮き彫りになりました。

アフタートークで分かったことですが、台本を覚えなくてもいいという理由で主宰の楢原拓さんも出演されたとのことでした。やはり台本を覚えることは大変なんですね。尊敬します。

『超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸~8割世界みきかせヴァージョン~』(8割世界)、2時間を超える鋼鉄村松の作品を50分にまで改訂したとのことで、スーパーホーク1号は制御が利かず0.2光年先の惑星まで行ってしまい、なんのこっちゃ。スーパーヒーローは怪獣と戦うだけではない、職場で一所懸命働くこともヒーローだといったような話でした。

アフタートークで、主宰の鈴木雄太さんがリーディング劇を観て面白いと思ったことは一度も無いとおっしゃっていましたが、ホント私も同感です。

二作品とも結構早口でしたが、リーディング劇にありがちな噛むということがなかったのが好印象でした。
天使は瞳を閉じて

天使は瞳を閉じて

虚構の劇団

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2011/08/02 (火) ~ 2011/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★

空しい
人類の愚かさ、コミュニティの発展とは何か、嗚呼空しい。

ネタバレBOX

事故が起きた原発から他の地域に放射能が漏れないようにと建設された半径30km(?)の透明なドーム内に取り残されたのに、その後、他の原発事故などが起きてドーム外の人類は全て滅亡し、今や人類はドーム内にしか存在しないという皮肉さ。

楽しく暮らしている人たちを見た天使が憧れて人間になるくらいのコミュニティでしたが、人間は変わるもので、無邪気さが無くなりぎすぎすし、外部の様子を知らない人たちは常に外に出ることを希望していて、最終的にはマスコミに扇動された人たちの人力によってドームが破壊され、その結果人類は滅び、免疫力のある天使出身の人間だけが地上に残されたという話。

ドームを破壊する前にコーマエンジェルという幼児に退行させる薬を飲まそうとしたはずなのに…、水源の池に投入しても間に合わないか。

シーンの転換で、ダンスが終わり薄暗がりの中で役者の退出と同時に大道具を運び出す仕組みになっていましたが、明かりが戻って役者が登場し始めてもまだ大道具を片付けようと一人で引っ張っているぐずぐずさは見ていてがっかりしました。
ピアノのへや

ピアノのへや

空間製作社

アイピット目白(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/08/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

音楽も素敵!
三つの話を通じて、色々なことが見えてきて切なくなりました。

ネタバレBOX

一話の瑠璃さんのきらきらした目が印象的でした。あの後養子にはならなかったけれどピアノは教えてもらえたのでしょうか、そして大成したのでしょうか。もしそうだとしたら良かったです。

ただ、これは相関図を見て言えることで、本編だけではここまで分かりません。三話の楽器商の女性から彼女の父母が音楽家だったとの説明はありましたが、この地域出身の母方のおばあさんの影響が強かったという風な振りでもあればと思いました。

ユキの心は必要かなあ。七夕に合わせて孫の絵を渡した方が気が利いているというおばあさんのウィットは素敵です。

二話の高校生の、悩みが聞けたのは関係者でないからという言葉、嬉しいような悲しいようなもだえる気持ちが分かります。

妹は中学生らしくて良かったのですが、お父さんとお母さんが若く、見掛けからはお姉さんの年齢が想像できませんでした。

三話は平成37年ですが、現在と全く同じで近未来という感覚は全くありませんでした。それなら全体を過去にずらしても良いのではないかとか、無理に100年にする必要も無いのではないかと思ってしまいました。

叔父さんが奥さんは40年前に死んだと口にしたとき、ああ、あの結婚式から数年後に癌が再発して亡くなってしまったんだなと思い切なくなりました。

それにしても、妹まで亡くなっていたなんて可哀そう!

狂言回しのおじいさんは一話のおばあさんの夫でしょうか、100年に亘る物語のため何らかの説明が必要なのは分かりますが、できれば三話本編だけで理解できるように完結していればより完成度の高いものになったのではないかと思いました。
黒猫【公演終了しました!誠にありがとうございました!】

黒猫【公演終了しました!誠にありがとうございました!】

声を出すと気持ちいいの会

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2011/07/29 (金) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

本当の事件?!
ポオの酒乱が引き起こした本当の事件のようでした。

ネタバレBOX

壁に塗り込めるあたりから、そして最後の猫の鳴き声で、ああそうだ、黒猫ってこんな話だったと思い出すくらい、ポオの生涯と彼の小説「黒猫」が融合された素晴らしい作品でした。

声を出すと気持ちいいというだけあって声は大きめでしたが、芝居がかったポオの狂気を表現するのにはちょうどいい感じでした。

ポオの狂気に満ちた執筆活動によって原稿用紙が床に散らばることもあるでしょう。床に落ちた原稿用紙一枚が片付けられることなくかなりの時間そのままになっていました。後半も、くしゃくしゃになった紙がしばらく残されたままでした。初日ならともかく、千秋楽にも拘わらずアドリブで片付ける余裕が誰にも無いということがとても残念でした。

全体を通してクラシックの重厚な音楽が緊張感を高めるのに効果的でしたが、「黒猫のタンゴ」が流れる度にガクッと来ました。なぜあんなほのぼのした曲を使うのかはなはだ疑問でした。せっかくの引き締まった空気が緩んでしまいます。
愚鈍起承転浪漫譚

愚鈍起承転浪漫譚

シンクロナイズ・プロデュース

吉祥寺シアター(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★

少々退屈ぎみ
大御所と○○塾の関係かと思いました。

ネタバレBOX

失礼ながら、とある大御所が死に臨んだときにこういうシチュエーションを希望されるのではないかと思えるくらいの設定、仲代達矢さんと無名塾の役者との関係かと思ってしまいました。

右手を上に、左手を下にして、時計回りに回す。180度回転したら、また右手を上に、左手を下にして、再度時計回りに回す。二人が重なって立ち、90度ずらしてこの動作をすることで、風車の羽が回転するように見せたパフォーマンスはとても美しく感動しました。

2時間以内に抑えるとか内輪のネタも入りコミカルな面もありましたが、話は結局ドン・キショーテの話をなぞることが主となり、全体にワンパターンで次第に退屈してきました。

ここの大御所はドン・キショーテになったり素に戻ったりしましたが、どちらもさほど変わりなく、最後の素に戻ったお別れシーンも当たり前過ぎて感動はありませんでした。
パール食堂のマリア

パール食堂のマリア

青☆組

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2011/07/29 (金) ~ 2011/08/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

切なくて素晴らしい!!
横浜の哀しさが様々な登場人物を通して描かれていました。表現方法も工夫がみられ、小夏さんの一つの集大成とも思える素晴らしい作品でした。

ネタバレBOX

パール食堂の親子を中心に、近隣の人々を通して横浜の哀しさがいっぱい溢れていました。ただ、東京のやつらとか、あの丘の上の墓地とか、港が見えるとかいった表現はありましたが、横浜という言葉は出てこなかったと思います。それでも具体的に横浜のことだと分かり、かつ戦後を引きずっていたあの当時の日本が伝わってきました。

混血児の哀しさもさることながら、間引きの実態も明らかにされました。悲しい現実です。

お母さんがお父さんに将来のこととして混血児の雇用をお願いしたシーンがありました。贖罪としてのお母さんの意志だったことが明白にされましたが、あの言葉が無くてもパール食堂のコックさんが混血児である理由はほんのりと伝わっていたと思います。

ストリップ劇場の支配人と踊り子の関係、オカマバーの店主の望郷の念、美容院親子の男の子と母親らしい関係もくすぐられました。妹の同僚の松田先生をあんな設定にまでしなくてもと気の毒になりましたが、愛のりんごの効果か姉とコックの光治の関係に光明が見えてきてホッとしました。

下手と上手上部の別々の場所のシーンで、交互に台詞を言いながら会話するという手法は難しいだろうなと思いつつ新鮮に感じました。

パール食堂のテーブルの一部がバーのシートにも使われていましたが、違和感無くとても自然な流れでした。

ここでも100万回生きた猫がモチーフになっているように思えました。そんな猫や猫たちの魂、姉の子供時代などを演じたナナシの存在が素敵でした。

吉田小夏さんの集大成とも思える切なくて泣けて、それでいて笑って迎える明日がある、そんな作品でした。

因みに、この話から10年後に私もメリーさんを見掛けたことがあります。初めて見たときは白粉の白さにぎょっとしたことを覚えています。
花と魚

花と魚

十七戦地

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

全てが無に帰すような
95%のSFと5%のファンタジーロマン。

ネタバレBOX

小さな村で起こった事件についてはSF、全国規模に広がってからはファンタジーロマンといった感じでしょうか。

口蹄疫問題における国の対応への不満、海から押し寄せる大津波や原発事故以来の目に見えない放射能汚染への恐怖が基になっているようで、数値を少なくみせるなどの隠蔽体質などは現実と同じです。情報の混乱、国の出先機関の意義、野生動物への対処方針なども具体的で現実味が増していました。

楳図かずおの漫画にも足の付いた魚がありました。ばさばさ歩いているわよで、魚の下側に人間の足がついているように想像してしまいましたが、実際はシーラカンスの前ビレがもう少し足状に発達したような生物でした。

海に花が咲くあたりから様子が一変しました。小惑星の衝突によって恐竜が滅びその後哺乳類が繁栄したという定説などとは異なり、遺伝子に組み込まれた必然から種の交代が起こるという説で、魚は陸上の新しい支配者に進化していくために上陸し、人類は魚に戻っていくというファンタジーロマンになりました。

尊敬されていた人が間違いを犯していたり、事件を通じてだらしないと思われていた人がしっかりしてきたりと様々な人間模様が描かれていましたが、それはいったい何だったんだと言いたくなるくらい全てが無に帰すというか魚に帰しました。
業に向かって唾を吐く

業に向かって唾を吐く

elePHANTMoon

王子小劇場(東京都)

2007/05/25 (金) ~ 2007/05/29 (火)公演終了

満足度★★★★

あぁ役者にはなれないと思った芝居
暴力的シーンは半端無く目を覆いつつ隙間から見、儀式のシーンには思わずうっと唸りながら口を覆うも鼻からの侵入は防げず、あぁ俺は役者にはなれないなと思った芝居。

ネタバレBOX

皿に盛った缶詰のツナを口に入れ、もぐもぐしてから皿に戻し次の人に渡す。次の人も同じことをして更に次の人に渡す儀式、ツナの甘ったるい匂いが立ち込めてきて本当に気持ち悪くなりつつ、すげーことやるなと感心しきり。
ヒューマンエラー

ヒューマンエラー

643ノゲッツー

OFF OFFシアター(東京都)

2011/07/28 (木) ~ 2011/08/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

軽妙な秀作
お気楽な引き籠りのように見えてその実態は…。

ネタバレBOX

都会で気楽に生きているかに見えた若者は元少年犯罪者で、それ故に起こる地元、家族との軋轢、過去が暴かれたことによって現在の友人たちに及ぼす影響を軽妙に描いていて素晴らしかったです。

最近良く見掛ける伊藤毅さん、いい味出してます。

実家を継がざるを得なかった姉の屈折した気持ちから起こった破天荒な行動にはビックリ!民法732条、重婚の禁止がすらすら出てくる若者に、頭の良さと思うように行かない現実のギャップを感じました。

会社を辞めてから引き籠っていた若者も職探しのために外出できるようになりましたが、今度は犯罪歴仲間の女性が姉のために暴行事件を起こしたようでこの後どうなることやら。チラシの二人の女性がこの女性と姉ですが、二人の過去から現在までの微妙な友人関係についてはその理由が明らかにされていませんでした。

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