雨模様の観てきた!クチコミ一覧

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記憶、或いは辺境

記憶、或いは辺境

風琴工房

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい!
感動もしましたが、わずかな史実から芝居を作り上げるとはこういうことなのかと思い知らされました。

ネタバレBOX

樺太落合の理髪店を舞台に選んだことが全てでした。

ラスト前で美都子から朴への求愛があり、そしてラスト。大泊に行く沈夫婦を見送る朴、そこに美都子は登場しません。

帰国のことを全く考えていない朴のそぶりから美都子は落合に残ったのではないか、あるいは津田理髪店の看板に愛着を抱いていることからやはりあのとき美都子はきょうだいと一緒に帰国したのか、どちらにも解釈できるように作られていたのが絶妙でした。

無鉄砲な美都子のことです、美都子は落合に残ったと思いました。

半島、チョッパリの関係は、もしかしたら今頃日本人がキャロラインなどと名乗っていたかもしれないと思わせる関係だったのですね、春子のちょっとした言葉から気付かされました。

乱視気味のせいもありますが、帰りにペーパー頂きましたが、字幕は見づらかったです。

ペーパーに大泊からキムチを送るという台詞がありました。美都子はキムチの作り方を教えてもらっているから、いれば自分で作ります。やはり美都子はあのとき帰国していたんですね。
「月がきれいですね」

「月がきれいですね」

プリンレディ

東京アポロシアター(東京都)

2012/06/30 (土) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

軽妙
コミカルで、女子を優しく見つめているのが良かったです。

ネタバレBOX

そうでした、「月が綺麗ですね」のエピソード、聞いたことがありました。でも最後まで気付きませんでした。

主人公は色んな恋を経て、失敗して泣いて、先輩の意見を聞いたりして、その先輩は理想を追いかけ過ぎて口ばっかりで逃げて虎になってしまったり、最後は後輩男子からの求愛というハッピーエンド。

お局様を女子社員誰もが馬鹿にしていないところに優しさを感じました。

一つのシーンを三人の女子それぞれの立場から見せたのは面白くもあり、同じシーンを三度も見せられる苦痛もありでした。
戦場の喫茶店

戦場の喫茶店

ちぃむinugui With Vanishing Point

ギャラリーLE DECO(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

戦場
観る前からの違和感、戦場…、やはり戦場とまでは言えないような。

ネタバレBOX

始まってすぐのシーン、怪我をした人が入ってきたときの女主人の言葉、「包帯あったかしら」に違和感を覚えました。

ここは最前線ではありませんが、広場ではテロも起きているような町です。誰もが出入りする喫茶店であり、そして自分のためにも、包帯あるいは布切れなどの代用品は常備しているはずです。ラストシーンに繋がることを考えても、そのような言い方は無いなと思いました。

日本か世界のどこかの近未来の物語、うだうだ話しているだけかと思っていると、これからテロを強行しようとする女子のグループだったり、海は化学物質か放射能で汚染され海水浴などできないような状態だったり、ショートストーリーが色々絡み合っていたりそこそこ雰囲気が出ていました。

カレーについては、肉の入手よりもカレー粉を入手する方が難しいのではないかと考えてしまいました。爪が入っていたは、爪切りで切ったような爪ならポイッで済むかもしれませんが、そうでなければポイッでは済まないと思います。

変てこなダンスは面白くありませんでした。平野鈴さんは存在感のある女優さんでしたが、黒の衣装が結構パッツンパッツンで、他の人が肩下10センチのところが肩下1センチだったのが気になりました。
パンザマスト【ご来場ありがとうございました】

パンザマスト【ご来場ありがとうございました】

青春事情

駅前劇場(東京都)

2012/06/27 (水) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

青春の、
今回は少年期の傷を青春事情らしく癒してくれる、だけじゃないのですが…。

ネタバレBOX

バトンリレーの練習をしよう、しないと絶好だぞと言われ、留守番をさぼった間に妹が火事で亡くなってしまい、お前のせいだと口走ったのが最後、すぐに転校したこともあって絶縁した二人、それに現在同じ小学校で先生をしている影やんを加えた三人組の15年振りの和解の話。

引き止めた少年が消防署員になっていたことや、無理に引き止めたことへの後悔と罵ったことへの後悔は15年振りにバトンリレーして和解したこと、影やんもこの関係修復に携わったことで、現在友だちとのちょっとしたけんかで登校拒否している小学生への対応のヒントを掴めたようで、めでたしめでたしでした。

青春事情らしいストーリーですが、ぎこちない二人の原因がすぐ分かってしまったこと、結局はこの三人だけの話で、全体的にはあまり盛り上がらないものでした。
Weekly1【レッドカードファミリー リターンズ】

Weekly1【レッドカードファミリー リターンズ】

アヴァンセ プロデュース

「劇」小劇場(東京都)

2012/06/26 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★


反則技一家とあり、倫理観を求めるのは野暮というものであろうことは分かっていますが、それだけにスカッとした感じは残りませんでした。

ネタバレBOX

大人の役者はクセのある個性派、姉キャンモデルの熊澤枝里子さんは颯爽としてスタイル抜群、加美乃素みたいな名前の今村美乃さんも可愛くて出演陣は素晴らしかったです。

実際にニラレバ炒めを作ってみんなで競争して食べたりして、身寄りのない子供を引き取ったからには決して遠慮させないというリアリティ溢れる生活感を表現していました。

その一方、新聞とか封筒とか、手紙とか花とか、真っ黒な小道具を使う表現法はリアリティから離れているとともに、見慣れない光景のため逆にそこに注目してしまうことで、黒子的効果はあまり期待できないと思いました。
Goodnight

Goodnight

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/07/02 (月)公演終了

満足度★★★★

おしゃれ
その夏の夜の出来事、テーマ自体は目新しいことはありませんがおしゃれでした。

ネタバレBOX

兄のレストランが舞台。人当たりが悪く自分の考え方に拘る兄の店は、明るい性格で接客面に長けた弟が協力していた開業時こそ流行っていたものの、その後弟が別のレストランを始めてからは客足が減り赤字続き。弟の店も、シェフに言いたいことが言えず、兄の店を手伝っていた頃から5年経った今ではこちらも火の車。そんな折、以前兄の店でアルバイトをしていた女性の送別会が開かれることになり、関係者が集まり始めたものの、近くの道路で水道管が破裂して水道とガスが止まり送別会は中止、雑談して三々五々散会していく過程を通して、若者の夢、目標に対する考え方や行動を描いた群像劇。

暗転後の5年間で兄弟の関係、男女の関係、経営面、全てが変貌していました。上手いですね。

兄が和食、弟がレストランという兄弟を私も担当したことがあり、事情が良く理解できます。それを踏まえて…、

兄弟が各々の長所を活かし一つの店を経営したら良いのにとも思いますが、反目しあうものです。ただし、銀行借入のことを考えると、現実社会では家族構成如何によってはお互いが連帯保証人になっている可能性があります。兄弟がランチを巡る考え方の違いで喧嘩別れをしたということになっていますが、もしかしたら借入関係の書類を通して時々関係を意識していたかもしれません。

また、銀行の営業担当者が債務者から、特に延滞者から物品を受け取ることはあり得ません。社会通念上どうしても断れないような場合でも記録に残します。大川さんの営業担当者はちょっと甘かったですね。

重要なキーパーソンである女流シェフと弟の関係ですが、5年前は声を掛けようとしていたように見えましたが、結局は声を掛けなかったようです。かと言ってケイに声を掛けたのか、ケイは男性シェフと付き合っていたのだし、タイミング次第だったとも言えますが、妹の思惑も働いていたようでよく分かりませんでした。

ファミマ愛はちょっとしつこかったです。
ミュージカル 湖の白鳥

ミュージカル 湖の白鳥

劇団あおきりみかん

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2012/06/22 (金) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

もうサイコー!!
客席に入ってすぐ目に付く色鮮やかで華やかな舞台、期待が高まりました。そしてスタートからの楽しい楽曲に一気に盛り上がりました。サイコーです!

ネタバレBOX

褒めて育てる、やればできる子などの風潮を皮肉ったようなミュージカル。

私には芸術の才能がある、やればできるのは分かっているから特にやらない、評価されていないのは評価しない方が悪い、おだてられて育った世代の強烈な屁理屈男の話ですが、大なり小なりみんなそんな言い訳をしながら生きている訳で、他人事とは思えませんでした。

やらなきゃ始まらないし、始めても上手くいくとは限らない、それでもやる方向で生きていくことが大切だということで、自分が責められているようでした。

いきなり歌い始めることに疑問を持ってはいけない♪などとちょっとミュージカルをおちょくってみたり、ミュージカル的な歌からムード歌謡や演歌まであって、どれも楽しく、素晴らしい楽曲でした。

主役の白鳥(しらとり)は才能がないので、どうしても彼の歌のパートが下手くそなのは仕方なく、かつ筋が通っていました。

さあーっとアンサンブルが登場して、もちろん皆さんちゃんと役はあるのですがアンサンブル的役割としてさあーっと登場するということで、歌って踊ってさーっと退場する、とにかく楽しいミュージカル、恐るべしあおきりみかん、思う存分楽しみました。
濃紺羊は旅に出る

濃紺羊は旅に出る

移動する羊

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2012/06/23 (土) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★

男と女の二人芝居×二本
室温が高かったこともありますが、退屈指数が上がりました。

ネタバレBOX

【空の音】 友人の知人ということで知り合った男女の話。交流しているうちに男は女に惚れて手を繋ごうとしますが女は今一その気がありません。女は友人と付き合っていたのでした。

それがどうしたって感じ。

【新月の見える丘】 なんか街で知り合った男女の話。男はいなくなった女のブログを何度も読み返したり、更新したかどうかをチェックする毎日だとか。

気色悪い。台詞の言い直しやろれつが回っていないのが気になりました。

前説における夢で見た母の思い出が携帯の呼び出し音で台無しになったという芝居掛かった注意喚起小ネタや、二本目で客席から女が登場したアイデアは面白かったですが、もっと本編に注力してほしいと思いました。
頗りたい-スコブリタイ-

頗りたい-スコブリタイ-

ウラダイコク

RAFT(東京都)

2012/06/23 (土) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

そこそこ生きて
なんかちょっと切なくなるようなところもあって良かったです。

ネタバレBOX

幼稚園のときに聞いたザリガニにまつわる童話を織り込みながら、バカでブスで男運はなかったけれど、ファッションショップを開くことを夢見た女性の物語。

狭いスペースを効果的に使って、友人との二人暮らしのシーンや幼少期のシーンをテンポ良く切り替えながら心地良く進展していきました。

まさか、60いくつで亡くなった後のお葬式シーンみたいなところまで描かれるとは思ってもみませんでしたが、それだけに嫌われ松子の一生のような、そして彼女は東京でお店を開くことはできなかったもののインターネットショップではそこそこやったようで、ただしこれはスクリーンの文字が読みづらくほとんど理解できなかったので何とも言えませんが、これが彼女の人生だと言われると、みんな頗る(すこぶる)生きてビッグになりたいと思っていても、そこそこにしか生きられないのは分かっていますから、ちょっと切なくなりました。

ところで、遅れて入ってきて中央最前列の追加席に位置することになったお姉さんが頗るノリが良かったんですけど、やっぱり打ち合わせなんでしょうね。
GO HOME

GO HOME

サスペンデッズ

吉祥寺シアター(東京都)

2012/06/15 (金) ~ 2012/06/24 (日)公演終了

満足度★★★★

やり切れない
鮭の一生の繰り返しのような人たち。

ネタバレBOX

まるで鮭の一生の繰り返しのように、アル中DVの子はアル中DV、朴とつな親の子は朴とつ、結局遺伝子に支配されているような何とも重苦しくてやり切れない話。

それでも子は、親のいいところを覚えているのかもしれないなって思わせるところが救いでした。

奈落が少し覗き込める舞台、四層とも五層とも言える舞台、奈落に飛び込むシーンもあって興味深かったです。
リンダリンダ

リンダリンダ

サードステージ

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2012/06/20 (水) ~ 2012/07/22 (日)公演終了

満足度★★★

大音響は迫力あり
再演でしたが、2012年の話でした。

ネタバレBOX

ボーカルが引き抜かれたロックバンドの再興を巡る話に、片思いの連鎖のような男女関係と、原発事故による立ち入り禁止地区にある牧場に集められた牛を助けるために牧場の扉を爆破しようとする話が一緒になったストーリー。

ところどころでラブレターのメロディが流れ、少し切なくさせられ、ラブレターは男性が歌った方がしっくりくるとは思いましたが、ラスト近くに高橋由美子さんが朗々と歌い上げました。この曲が聴きたかったので、まっいいか。

別れた妻との間に高校生の子供のいて、三ヶ月前まで過激派だった男が爆弾を作る手助けをしていました。昔風の過激派とは発想が古臭いです。昔の話と原発事故を一緒にしたことに無理があったように思えます。

「牛を殺すな、鹿殺せ」の鹿殺しの丸尾丸一郎さん演じる警察官が爆破未遂事件に加担していたということで警察がもみ消したという解決法も、革命好きの正義派としては如何なものでしょう。

高橋さんにだけ裸エプロンなどと喋らせたのは失礼千万でした。

最後の最後には客席から手拍子や曲の後の拍手が起きましたが、きっかけを失ったとはいえ途中まで拍手や手拍子ができなかったことに申し訳なさを感じています。
血みどろ君

血みどろ君

踊れ場

ひつじ座(東京都)

2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★

なーんだそういうこと
とも思いましたが、藤吉みわさんの魅力溢れる小品でした。

ネタバレBOX

血みどろの人と普通に接するシュールな話かと思っていたのですが、結局ゾンビの話でした。

癖の強い登場人物、婚活殺人鬼の設定など面白いところもありましたが、ゾンビということでちょっと興醒めしてしまいました。確かに血まみれですが、死んでもまた動き出す、仲間を増やすなど、ゾンビの話はパターンが決まっていて発展性がありません。

そんなこともあってか、演出家、池亀氏のダメ出しシーンや、出演者を集めるときの苦労話などのメイキングシーンを取り入れて、特別な味付けを施していたことは認めます。

身近な演劇をという趣旨と時間が60分ということはイコールなのでしょうか。私にとっては青春事情『静かの海』以来となる藤吉みわさんの元気さと少しのほほんとした明るい魅力を感じることができましたが、それを看板にしたハーフタイムシアターってことなんですかね。
教室短編集

教室短編集

劇団「14歳」

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2012/06/19 (火) ~ 2012/07/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

【♦(ダイヤ)・♠(スペード)】観劇
みんな上手いよ!話も丁度良い感じ。

ネタバレBOX

中3の女子中学生、騒いだり、悩んだりして仲間を意識する様子が等身大で描かれていました。

それにしても、二話とも泣いていましたが、女子中学生って教室でそんなに泣くのかなとは思いました。
雷神ウツボ

雷神ウツボ

ひげ太夫

Geki地下Liberty(東京都)

2012/06/13 (水) ~ 2012/06/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

楽しかったー!!
終始身体を使って情景を立体的に表現しながら一気に冒険活劇が進んで行きました。

ネタバレBOX

シルクロードの砂漠を挟んだ東西の戦争を止めたり、冒険あり、友情が熱かったり、お姫様の病気を治したり、ロマンスが三つも生まれたり、淀むこと無く、ドドーンと情景を立体的に表現しながら怒涛の如く駆け抜けました。

前説も素晴らしく、すっかり和みました。

組体操というと縦横というイメージですが、表現の仕方によっては数人の場合もあり、奥行きもあったりするので立体的表現というのが正確だと思いました。

個性的な面々の集団のため、中村まゆみさんの濃さも上手く生かされ全体に溶け込んでいて良かったと思いました。

臭い宝塚的要素もあって楽しかったです。初心者的感想ですが、全員がヒゲを生やしているのかと思っていましたが、女性役にはヒゲがなく安心しました。
富士幻談

富士幻談

声を出すと気持ちいいの会

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2012/06/16 (土) ~ 2012/06/19 (火)公演終了

満足度★★★

談と幻
即ち、エピソードと踊りが交互に織りなされていました。…

ネタバレBOX

初っ端から太宰の帯の位置が気になってずーっと引きずってしまいました。腹巻きをギュッと締めているようで、まるでおこちゃまでした。もう少し下で締めなくちゃ。

扇は、八割方広げて少し左に傾けて富士山らしい雰囲気が出ていましたが、付随する踊りの方は特に井伏がふらふらしていて、幻を表現するならもうちょっと何とかしてほしいと思いました。

そんな踊りの合間におこちゃまが心中やお見合いをしても何だかなーと思いました。

全体に単調でした。
星がるキミは雲の下

星がるキミは雲の下

ppoi-っぽい-

王子小劇場(東京都)

2012/06/13 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★

わけ分かんね
まあ普通は理解できないのはこちらのせいということもあるのでしょうが、今回は全く説明がないのですからこちらに非はありませんね。

ネタバレBOX

地球全体が雲におおわれてから30年後、星も見えなければ雨も降らない日本では、水は高値になったものの今も山から流れてきている様子で、なぜか枯渇はしていません。街路樹なども、水やりボランティアのお陰で何とか枯れずにすんでいるようです。

そんな日本の話、とにかくこの前提の説明が一切無く、わけ分かりません。

こんな世界では働く意欲も無くなるのでしょうか、冷えピタ貼ったコドモくんはふて寝しているばかりです。ホント子供だなと思いました。

こういう世界になって30年も経てば新しい産業も振興しているはずで、ただ滅びを待っているだけのような感じはやり切れません。

歌が二回入っての70分でしたが、もっともっと長く感じました。
so complex semi-normal

so complex semi-normal

拘束ピエロ

プロト・シアター(東京都)

2012/06/16 (土) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★

劇的なことなんてそんなに無いよね
群れになったバッタが黒く変色して凶暴になるような感じというか。

ネタバレBOX

青年たちが過去の思い出を語ろうとする話。幸せなことはあまり幸せと感じないものの、不幸なことは強く印象に残るのでどうしても不幸自慢みたいになりがちで、かと言ってそもそもそんなに劇的な思い出がないので、不幸な思い出を捏造したりしているうちに、個ではおとなしかったバッタが群れになって黒く変色し凶暴になるような感じのパフォーマンスでした。

銘々が勝手に動いているようで、台詞が重なるところや、生演奏というか効果音がピタっと合うところなど良かったです。

なんちゃって、って、ネツだと言いながら、阪神淡路大震災の話は本当のような気もしています。
ライヤー×ライヤー

ライヤー×ライヤー

PEACE

上野ストアハウス(東京都)

2012/06/13 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

スピード感と安定感あり!
クーニーばりの良質なワンシュチュエーションコメディでした。

ネタバレBOX

恋人のためにいいところを見せたい男と、その彼のために一丸となって盛り上げるホテル関係者のドタバタワンシュチュエーションコメディ。

若い俳優さんたちの集まりでしたが、皆さん地に足がついているという感じで、安定感がありました。身体を使った最初のギャグが滑ると浮ついてしまい、その後が台無しになることがありますが、若くてちょっとおっさん風のどうも倉持さんのギャグが落ち着いていて持ちこたえたことで全体がスムーズに流れました。

指輪がうまい具合に戻って来たのには少々出来過ぎだなと思いましたが、ヤクザとか外科医も仕込み客だったということで二度ビックリ。ま、そうでもしなければ都合よく指輪が戻って来ることはありませんので理屈付けとしては仕方ないのかもしれませんが、できれば客は客で勝手に行動していたという方がドタバタ感が残って観ている方としては嬉しい気がします。手術が怖い外科医なども壺を修理することで自信を取り戻すことができたりしたら最高です。

クーニーばりの嘘から始まるドタバタコメディはとても良かったですが、時間を掛けた大団円はあまりにも日本風で一気にスピード感が無くなりました。

ヤクザが実はホテル従業員でオカマだなんて設定はホント不要です。洋物のあまりにもあっさり終わる終わり方と、日本風のとことん説明して終わる終わり方の中間、やや洋物寄りくらいが好みです。

ところで、壁に貼ってあった紙はミエミエでした。客席から驚きの声も上がりましたが、あそこから人が飛び出してくるのは予想が付いていました。もう少し壁と一体化する工夫が必要だと思いました。
落ちる紫陽花

落ちる紫陽花

張ち切れパンダ

サンモールスタジオ(東京都)

2012/06/13 (水) ~ 2012/06/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

ホントにもう
イライラさせられましたが、とても面白かったです!

ネタバレBOX

空室だったアパートの一室に新しい住人が入居したのにも拘わらず、オーナーの息子がそれまで溜まり場にしていたということで平気で仲間と一緒に押し掛けてくる図々しさ、隣室のヒモ男もそれまで浮気に利用していた部屋ということでズカズカ入り込んでくる…、ああこんなの嫌だーって感じで進む一方、来年結婚しようとする二人もしっくりいかなくて、こんな男やめちゃいなよーって、ああイライラしました。と感じさせてくれて、とても良かったです。

それにしても、出会い系で知り合って、なぜ彼女があそこまで卑屈だったのか不思議な気もしますが、思いの丈を吐き出して仲良くなれてホント良かったです。

どんな役にもなり切れる役者さんは素晴らしいと思いますが、いかにも美人で軽くて浮気相手役にピッタリという役者さんも存在意義がありますね。
帰って来た蛍~慟哭の詩~

帰って来た蛍~慟哭の詩~

カートエンターテイメント

前進座劇場(東京都)

2012/06/08 (金) ~ 2012/06/16 (土)公演終了

満足度★★★★

鳥濱トメさん
彼女の人となりやその行動を知ることができて良かったと思いました。

ネタバレBOX

機体の不調や視界不良で戻ることがしづらい風潮、良し悪しは別として真の目的から逸脱してしまうこと、そしてそれを修正できなくなってしまうこと、今も昔も何も変わらないと思いました。

特攻隊の実態を伝えるためにこれからも再演されると思いますが、蛍として還ってきた、そういう偶然があったということですが、あまり神秘的に扱わないように願います。

冒頭の映像シーンは必要でしょうか。生のさとう珠緒さんを見ようとする気勢がそがれてしまいました。それに、観音堂の前で神様の思し召しはないでしょうとか、銃後の生活を守るために亡くなって天国に行ったもないでしょう、そこは極楽などの言い回しじゃないですかなどとも思いましたし…。

さとう珠緒さんの抑えた演技は良かったです。ただ、昭和20年6月10日当時41歳だということをどこかで台詞として話してほしいと思いました。一般論として、若い人が史実に忠実におばちゃんなどの老け役を演じる場合には必要なことだと思いました。

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